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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論698」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第24号(2006.5.25発行)「サービスには形がない」1~※名称等は当時、一部文章省略

マーケティングに関心のある方なら、たぶんフィリップ・コトラーの著書をお読みになったことがあるでしょう。
消費者ニーズや顧客満足を追求し、有効に活用する手法を体系付けたのが、コトラーのマーケティングです。
経営は安定持続させる必要があります。
それには一度きりの取引ではなく、リピート利用を促進することと、新規客を増やしていくことが不可欠。
そこで有効なのが、マーケティングです。
新規客の関心を惹き付ける工夫、引き続き利用したくなる工夫、そして顧客による口コミを生む工夫。
それらをうまく作用させるマーケティングが、経営を安定させ、発展させるカギでしょう。
それには、満足の度合いを引き上げるのが最大のポイントです。

フィットネスクラブの場合は、設備というハード面と、スタッフによるサービスというソフト面の充実が、顧客満足を生む基本。
そしてその2つの要素が融合する過程には、足し算より、掛け算が当てはまりそうです。
すなわち、ハードが5、サービスが5の満足度なら、クラブのトータル満足度は5+5=10ではなく、相乗効果で5×5=25に達することが期待できます。
でもサービスレベルの満足度がゼロなら、トータル満足度は5×0=0になってしまうでしょう。
すなわち、ハードをいくら整備しても、サービスが充実していなければ、意味がありません。
サービスは、マーケティング力を左右する大きな要素なのです。

サービスの4特性
サービスの本質は、商品を理解する以上に難しいものです。
コトラーは、サービスには4つの特性があると分析しました。

①無形性=サービスは商品と違い、形がありません。提供されるまでは、見ることも触ることもできないものです。
②変動性=サービスは、誰が提供するか、いつ提供するかによって、変化するものです。全ての場面で均質なサービスというのは存在しません。
③不可分性=サービスは、提供者と顧客の両方がないと成り立ちません。つまり「人」という要素が不可分です。
④消滅性=サービスは蓄えておくことは不可能です。「今日」のサービスを「明日」売ることはできません。

購入前の商品は目に見えるけど、サービスは目に見えない。
商品はどのお客様にとっても同じ品質だけど、サービスはスタッフにより、そしてお客様により変わる。
このように、商品とサービスは、全く性質が違うものです。
だから商品を売る感覚で、サービスづくりを考えることはできません。
サービスの4特性を踏まえ、「人」によって行われることを認識した上で、サービスは人の力で構築されるべきなのです。

~ここまで~

コトラーによる「サービスの4特性」は、25年ほど前に中小企業診断士の学習をしていた際に知り、非常に的を得た表現であると感じたと共に、サービス業の最たる例であるフィットネスビジネスの実務上も大きなヒントになりました。

現在は、AIやロボットなどのテクノロジーの進化によって、一部、代替可能性のある要素も増えてきておりますが、「人」が主役であるという点は変わらないと思いますので、不変的、普遍的なマーケティング原則と評価できると思います。

お読みいただきありがとうございました。

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