「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論798」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第36号(2008.5.25発行)「独立系クラブが成功するために必要なことーMAC CEOティム・ロード氏に聞く」2~※名称等は当時、一部文章省略
ーMACの業績推移について教えてください。
ティム:売上高は1996年には1.7億円でした。
これが2003年には、7.8億円になっています。
2008年には9.8億円を見込んでいます。
会員数は1996年には1600メンバーシップでした。
2001年には5000メンバーシップを超え、2005年まではほぼ横バイ状態でしたが、2006年から再び伸び始め、現在は5500~5700メンバーシップで推移しています。
会費は5400円からスタートし、リノベーションと同期してほぼ1~2年毎に値上げしています。
2001年には7900円になりました。
現在は9900円になっています。
つまり、この10年間でおよそ2倍になっているということです。
退会率は当初から低かったです。
1996年は月間平均退会率は2.4%でした。
以降ずっと3%未満で推移していましたが、一度だけ2004年に3%台になってしまいました。
これは期首に月会費を上げたことにより、そこまでの価値を感じず、会費を支払いきれないと感じた方々が退会されて、そうでない方が残ってくださったということです。
意図的にしたことですから、想定通り、翌年以降からは、ロイヤリティの高い会員が残り、2%前半の低い退会率でずっと推移しています。
つまり、この数年間の会員数の増加は、新規入会者が増えたことよりも、退会者が少なくなったことの影響の方が大きいということです。
以前は年間2400メンバーシップの入会者をとっていましたが、現在は1700メンバーシップ程度となっています。
ーMACの成功の鍵は何ですか?
ティム:1つはアクティビティがバラエティに富んでいるということです。
大きく広々とした施設の中に誰にとっても何かやりたいと思うものが用意されているということです。
2つ目はフレンドリーで何かと気付いて手助けしてくれるスタッフがいることです。
クラブで顧客満足度を調査するとこの2つは多くの方々が挙げてくださいます。
3つ目は実際に価値を感じてもらえているということだと思います。
これは結論めいた言い方ですが、先に挙げた2つが顧客視点で本当に実現できているということです。
その証拠に会費が2倍になってもそのまま残ってくださる方々がたくさんいます。
4つ目はカスタマーフレンドリーな制度やシステムです。
既存のクラブが取り入れている制度やシステムで顧客が疑問に思うものを全て変えました。
それらは、ゲストの利用から紹介制度などまで広範囲に及びます。
5つ目は成果に焦点を当てていることです。
私たちは会員が目的を実現するためのサポートを約束しています。
会員には必ず健康になっていただきます。
6つ目は常に新しいことに挑戦していることです。
2006年にはメリーランドアスレティック&ウェルネスセンターという名前を正式にMACに変えました。
そしてショルダーに「Achieve Wellness」と付け加えました。
これは私たちが全員に一番提供したいと思っていることです。
これはほんの一例ですが、施設やプログラムのことだけでなく、常にお客さまに提供するものを新しくすることに取り組んでいます。
環境は常に変化していますので、それと同時かそれに先んじて企業側が変わらなければ遅れをとってしまいます。
~ここまで~
顧客にとっての付加価値を常に向上させ、中長期的に適正な値上げが出来るサイクルを作ることは当社も目指しているところであり、その他の基本的な考え方も一致する点が多いです(超大型クラブと小型クラブの違いはありますが)。
そして、その一丁目一番地が「成果に焦点を当てること」という点も深く賛同できます。
「会員には必ず健康になっていただきます。」という断言までは、まだ出来ませんが、徐々に近づいていることは実感しておりますので、そうなれるよう努めたいと改めて記事を見て思いました。
お読みいただきありがとうございました。
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