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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論836」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第40号(2009.1.25発行)「フィットネス業界、会員数減少とまらずーベンチャーが躍進、既存大手プレーヤーは減収傾向顕著」~※名称等は当時、一部文章省略

2007年末までダウントレンドが続いたフィットネス業界だが、2008年に入り、いくらか減速感は弱まった。
しかし、本格的な回復にはほど遠く、依然として予断を許さない状況が続いている。
既存店を多数有する大手や業界の老舗企業が軒並み集客力、収益力を落としている。
そうした中、「身の軽い」いくつかのベンチャー・中小企業の元気の良さが際立つ。

市場規模、前年割れ

「レジャー白書」(2008年版)によるとフィットネス業界の市場規模は、この間、毎年前年を上回る成長を記録していたが、2007年に一転前年割れし、4220億円となった。
2008年に入るとダウントレンドは、一旦落ち着きを見せるも相変わらず低調が続いている。
折からの金融不安や原油・原材料の高騰等による企業業績の悪化、生活者の将来不安の高まり、消費倹約化やフィットネスクラブ側の変化対応の遅れなどもあり、なかなか業績を向上させることができない状態が続いている。
客単価は上昇しているが、会員数が下がり続けており、思うように売上高を挙げられずにいるというのが大方のクラブの実態だろう。
利益も大幅に縮小している。
実際に主要プレーヤー5社の決算を見ても振るわない。
2008年3月期中間決算において既存店の会員数の減少と原価の高騰などから営業利益を大幅に減少させている。

業界低調も、光る企業あり

大手チェーンや老舗クラブが業績を落とす中、健闘しているのが、ベンチャー・中小企業と一部の中堅企業だ。
日経MJ発表のトップ51社のランキングでは、売上高の伸び率で第1位はスポーツプロジェクトで前年比39.2%増(売上高11億円)、第2位はハクヨプロデュースシステムで同38.6%増(同14.55億円)、第3位はハイパーフィットネスで28.0%増(同5.76億円)であった。
いずれも低退会・高顧客満足度・高収益な経営状態にある。
また中堅企業の中にも健闘しているところがある。
東急スポーツオアシスやTHINKフィットネス、コパンなどがこのところ売上高を伸ばしてきている。
こうした勢いのある企業に刺激を受けながら、業界は調整期を脱していくのではなかろうか。
元気な中小・ベンチャー企業らに注目したい。

~ここまで~

前段の状況は、現在にもそのまま当てはまるような内容であり、以前も触れましたが、リーマンショック前後の業界は非常に近しい雰囲気を感じます。

そのような中、当時、注目された企業の日経MJ発表最新業績を紹介しますと、スポーツプロジェクト前年比8.1%減(売上高12.58億円)、ハクヨプロデュースシステム(現在の社名はアイレクススポーツライフ)前年比18.2%増(売上高40.69億円)、ハイパーフィットネス前年比5.2%増(17.54億円)と三者三様の結果となっております。

やはり歴史的な評価は、15年くらい経たないと見えない部分があり、現在、注目されているチョコザップや新興の24Hジム、パーソナルトレーニングジムも、2040年頃にどうなっているかで同様の評価が下せると言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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