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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論557」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第15号(2004.11.25発行)「アクアエクササイズの今」4~※名称等は当時、一部文章省略

ウォーターラッシュ(ティップネス)
株式会社ティップネスが、「パワーラッシュ」、「ファイティングラッシュ」に続く、ラッシュシリーズとして2003年に導入したプログラム。
マーシャルアーツ系の動きを水中で行う45分のプログラム。
プレコリオで音楽の曲調に合わせて動きが構成されている。
スタジオのラッシュシリーズの愛好者や、ラッシュシリーズを担当するスタッフのファンなどをプールにも惹き付けることができる。
プログラムは店舗施策に連動したタイミングで音楽と振りが更新される。
更新時には集合研修またはビデオと曲、コリオ表による振り写しが行われる。

同社ではこのラッシュシリーズをスタッフの育成にも効果的に活用している。
「ウォーターラッシュ」を担当するインストラクターの7割はジムスタッフ出身者となっている。
同社では、ジムのアソシエイト社員(アルバイトスタッフ)の指導力を高めるために、まず15分の筋力コンディショニング系のショートプログラムを習得することを促し、次に30分のプレコリオプログラム「キックシェイプ」を習得、次にマーシャルアーツ系ラッシュシリーズの「ファイティングラッシュ」へとステップアップしていく。
インストラクターにとってはこうした経験を積む中で、新しい振りを覚えることや指導方法、メンバーとのコミュニケーションのこつが掴めてくる。
そのためアクアエクササイズである「ウォーターラッシュ」の指導にもスムーズに入っていける。
実際「ファイティングラッシュ」などのマーシャル系のプログラムが得意なインストラクターは「ウォーターラッシュ」の集客状況も良いという傾向が見られている。
1クラス当たりのフィーは、通常のアルバイトスタッフの時給プラス、レッスン給を支給している。
フリーインストラクターの1クラス当たりのフィーと比較すれば約半分に抑えられる。
また、高い集客数が維持され、クラブの経営効率から見ても優れたプログラムとなっている。

アクアファイター(コナミスポーツクラブ)
「ボディパンプ」や「ボディコンバット」などボディトレーニングシステムズジャパン(B.T.S.J)のプログラムでいち早くプレコリオプログラムを導入したコナミスポーツクラブが、独自に開発したプログラム「アクアファイター」。
プレコリオで音楽に合わせて動きの組み立てが決められている。
コナミスポーツではこれまでプールのプログラムとして泳法習得以外では「アクアビクス」というプログラムが主であったが、「プールのスペースをさらに効果的に活かせないか」「プールでもっと楽しめないか」といった問いの中でこのプログラムが生み出された。
同プログラムはマーシャル系の要素を色濃く持ち、音楽やクラスの演出はエキサイティングなものでB.T.Sの雰囲気に近いものが感じられる。
若年女性や男性などの新たな顧客層の開拓にも成功している。

曲と動きの更新は3ヶ月周期で、集合研修にて認定インストラクターに曲とコリオが供給される。
現状では担当するインストラクターのほとんどはアクアエクササイズの指導経験者となっている。
インストラクターにとってはB.T.Sのプログラムは音に合わせて動きを覚えていくのに対して、「アクアファイター」は動きを組み立てていくような流れになっている。
このことから、エアロビクスやアクアエクササイズ経験者の方にも馴染みやすいクラス構成となっている。

~ここまで~

業界大手企業であるティップネスとコナミスポーツが手掛けた「ウォーターラッシュ」と「アクアファイター」は、記事から約20年経った現在でも残っており、この点はさすがという感じです。

やはり、プレコリオプログラムが継続されていく条件の一つとして、3ヶ月程度で定期的に曲と動きが確実に更新されるということは非常に大きいと思います。
以前、勤務していたベンチャー企業でもオリジナルプログラムを展開しておりましたが、専門部隊がいないことで、更新が定期的に実施できないことがあり、このことも要因でいくつかのプログラムがシュリンクしてしまったことがあります。

この辺りは大手企業の強みと言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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