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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論299」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第1号(2002.7.25発行)「フィットネスクラブへの融資・投資評価のための完全ガイド」1~※名称等は当時、一部文章省略

クラブ経営者が資金調達の前に確認しておくべき重要指標

フィットネスクラブに対する融資や投資案件が増えてきている。

ということは、クラブ経営者は「宿題」をしっかりとやっていなければ、資金調達は望めない。

融資担当者は投資家が意思決定をする際に何を重視するかを認識し、理解することは、資金調達だけでなくビジネスを成功させる上でも重要となる。

この度、出版された「IHRSAフィットネスクラブへの融資・投資評価のための完全ガイド」は、これらの重要指標を特定し、その評価の仕方を解説している。

これらの各要素について改めて見直し、自身でもビジネスや資金調達の可能性を判断できるようにしていくことが肝要だ。

ここに本書の一部を紹介する。

需要を算出するための3大要素

◎クラブまでの所要時間

車が主要な交通手段である郊外立地では、商圏はクラブから10~12分以内のエリアに限定される。

通常の距離ではなく、時間距離で見ること、そしてこの時間距離は、クラブのピークタイムで見ることが重要である。

駐車場が限られていたり、車で動くのが不便な都心などに立地するクラブでは、徒歩でクラブに来る人の割合が多くなる。

この場合、徒歩8~10分圏内を商圏と捉える。

商圏は、正確にプロットする必要がある。

商圏が特定されたら次には人口統計が重要な情報を提供してくれる。

例えば、居住人口、昼間人口、年齢構成、家族構成、少年人口、世帯収入といったものである。

クラブへの参加率がこれらそれぞれの要素に深く関わっているからである。

例えば、現在全米で見ると18~34歳の層の参加率は、17.6%であるのに対して、35~54歳の層では14.7%、55歳以上で12.6%となっている。

~ここまで~

商圏の捉え方については、日本でもほぼ同じであり、アバター近藤も上記に近しい方法で分析し、これまで上手くやってこれました。

やはり週2回前後、定期的に通うとなると時間距離にして15分程度が限界であるのが一般的心理だと思います。

ましてや運動やトレーニングが大好きな人であれば、いざ知らず、ほとんどの方は健康のためとかダイエットのためとか何かを得る主目的を達成する手段として捉えているので、そのハードルはよりシビアになります(例えば、大好きなアイドルに会えるとなれば、20分でも30分でも苦にはならないはずです)。

そして、その限界エリアの中で、どれだけクラブの対象となる顧客層がいるかを調べるかが第2段階になります。

これはクラブのコンセプトに深く関わりますので、同じ商圏であっても企業によって答えは変わってくると言えます。

記事の年代別参加率で見ると、やはり米国でも20年前は日本と同じく、比較的若い層の参加が多かったことが分かり、その変化も当然ながら意思決定に大きく影響を及ぼすということですね。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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