「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論691」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第24号(2006.5.25発行)「米国のクラブ業界の最新トレンド」3~※名称等は当時、一部文章省略
プログラム面:根強いヨガ・ピラティスブーム
根強いヨガブーム
IDEAの調べによると、現在米国のクラブメンバーが「最近クラスが増えていると感じる」プログラムとして挙げられたトップがヨガ、次いでピラティスとなっている。
90年代後半にブームとなったスピニングが既に定番プログラムとしてクラブに定着し、現在もその人気は健在。
このヨガとスピニングが2大プログラムとなっている。
ヨガは、種類・レベル別に細分化が進んでいるが、パワー系ヨガおよびフロー系ヨガの人気が高いようだ。
ビクラムヨガの人気を受けて、クラブ内でもスタジオを高温にできる設備を整え、ホット系ヨガを提供するクラブも増えている。
成長するピラティス
ピラティスのマーケットはまだヨガまでには至っていないが、確実に拡大してきている。
前述の通り、民間クラブでもピラティス単体スタジオと同様のスペースと器具を備えた「ピラティスルーム」をクラブ内に作るところが増えており、また、スタジオにピラティスの簡易マシンを6台ほど置いて有料の「セミパーソナルピラティス」を提供するクラブも増えている。
パーソナル指導のピラティスが1時間6000~10000円程度であるのに対して、このセミパーソナルピラティスであれば、1時間2500円程度で受けられる。
ピラティス人気で十分に知識やスキル、経験を持たないインストラクターが指導をして顧客に障害を与えるといった問題も出てきており、これを受けてピラティス関連団体が共同して「ピラティス・メソッド・アライアンス(PMA)」という協会を組織し、一定レベル以上の知識とスキルが得られる認定資格を明確にした。
クラブでもインストラクターの採用時にこのPMAに認められている資格を持っていることを要件に入れ始めている。
融合プログラムの隆盛
このヨガ、ピラティスブームを受けて、ヨガやピラティスとその他のエクササイズ要素を融合させた、様々な「融合プログラム」が数多く生み出されている。
こうした融合プログラムは「フュージョン(融合)プログラム」と呼ばれ、一つのカテゴリーを形成するに至っている。
融合の例としては24アワーフィットネスではヨガとピラティスを合わせた「パイヨー」、ニューヨークヘルス&ラケットではヨガとピラティスを合わせた「ヨガラティス」、ピラティスとスピニングを合わせた「ピラティスサイクル」、ヨガとバレエ、ストレングスを合わせた「フルイディティ」他、多種多様となっている。
~ここまで~
日本のクラブにおいて、いわゆるフュージョン(融合)プログラムが明確にカテゴライズされ、一定期間でも広がるような動きがあったことは少ないという認識です。
理由は、ヨガほどピラティスやスピニングが定番化されていないことで、そのまま持ち込むことが難しかったからだと推測します。
ヨガにピラティス要素を取り入れたプログラムを実施することはあると思いますが、どちらかと言うと初心者・初級者向けへのアレンジということで、米国のようなステップアップ的な発展の方向には進まなかったと言えるでしょう。
お読みいただきありがとうございました。
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