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1月23日(火):人口の増減は自治体間の綱引きが鮮明に

昨日は人口減に歯止めをかけようとする自治体の取り組みとして、山形県西川町のデジタル技術を駆使して関係人口としてのファンを増やし、稼ぐ自治体へ変貌しようとする動きのことに触れました。

具体的にはAIを使った謎解きゲームやNFTによるデジタル住民票、サウナイベントによる観光事業、未利用施設のサテライトオフィス転換、生産年齢人口確保のための教育ローンなど、矢継ぎ早に施策を展開して直近の人口の減少幅を半減させています。

このような積極的な取り組みや変革を進める自治体と、これまでの延長線上の自治体とでは、その違いが鮮明になってきている状況です。

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が2023年に公表した地域別の将来人口推計では、3割の市区町村が10年前の推計値を上回る一方で、人口減が以前の推計を超えて加速するケースも目立ち、自治体間のせめぎ合いが激しさを増してきました。

昨日も記した通りですが、日本全体でも人口は減少トレンドなので、移住などで他の地域から人を呼び込めば、その分はどこかの地域の人口が減る綱引きの構図です。

例えば東海4県であれば、2増2減となっています。

前述の社人研が2023年に公表した40年の推計人口によると、愛知県は704万人で13年時点の推計から2.8%上振れ、静岡県も311万人と13年の推計から2.6%増です。

その一方で岐阜県の40年の推計人口は164万人、三重県は同149万人で、13年時点の推計からそれぞれ0.8%下振れしています。

東海4県のなかでもっとも人口の増加率が高かった愛知県飛島村は40年の人口は23年の推計で約4500人と、13年時点の推計から4割増えており、同村では子どもが1歳、小学生、中学生になるたびに親へ10万円を支給し、23年度からは子どもが生まれた際も5万円を出すなど、積極的な子育て支援策が実を結んでいます。

首都圏でいえば千葉県の流山市、関西では兵庫県の明石市、九州では福岡県の福津市など、それぞれの地域で目に見えて人口が増えている地域があります。

そうした地域は相応の取り組みをしているし、それが人を呼び込み、さらには出産へとつながっているのが見て取れます。

全国的に低下傾向となっている合計特殊出生率の全国平均は1.26ですが、千葉県の流山市では22年に1.50と平均を上回っています。

人口の増減は地域のロケーションや財源、再開発などの要因もありますが、自治体の本気度がそれを左右しているのは間違いありません。

現状の流れからすれば今後はいっそう自治体格差が広がっていくことになるので、市民は自分の住む地域を選ぶことが大切になってくるし、自治体は選ばれるだけの政策を進めていくことが求められると思います。

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