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7月7日(金):メディア化する部活チーム

先週の日経産業新聞には高校のバスケ部が公開した公式アプリに関する記事がありましたので、本日はそれに関連した話を少しばかり。

記事で取り上げていたのは静岡県の強豪チームである藤枝明誠高校のバスケ部で、アプリ制作のスタートアップ企業(ookami)とともに形のしたとのことでした。

こちらのアプリでは同校バスケ部の試合結果や試合動向が事細かに確認できるほか、所属選手の個別プロフィールの掲載、ファンからの応援コメントの投稿、さらには寄付金をとしての投げ銭機能までが盛り込まれています。

一言でいえば「プロチームさながら」の情報発信とコミュニケーション機能で、自分の時代と比べると高校の部活動でも「ここまできたか」という隔世の感があります。

アメリカでは学生スポーツの市場規模が2~3兆円で、日本も潜在的な需要がありながらも、あくまでも学校の活動の一環として行っているなかで、それを通じて収益と結びつけていく観点はほとんどありません。

強豪校ともなると部活動で遠征などもあるし、その運営費の多くは保護者とOBによって負担されているので、チームを開かれた状態にして担い手を広げていくのはひとつだろうと思います。

もっとも高校の部活動でそこまでするのを良しとするのかは議論の分かれるところで、それによって苦しくなってしまう学生、学校が出てくるのも確かでしょう。

今回の部活での公式アプリを見て頭に浮かんだのは10年ほど前に出版された書籍「メディア化する企業はなぜ強いのか」でした。

そこでは企業がかつての出版社や放送局のようにメディア化し、自社の伝えたいことをコンテンツ化して発信する「メディア化戦略」を推奨していて、ユーザーとの信頼を築いてエンゲージを深め、「社会に接続された企業」になるようにメッセージングをしていました。

先のアプリはこれと重なる部分があって、いわば部活チームのメディア化ですね。

メディア化した先でお金と絡めていくかどうかは別物として「社会に接続されたチーム(存在)」になっていくのは悪いことではないでしょう。

地域社会から親しみを持ってもらう、応援してもらえる存在になることは意義があるし、反対にチームやそこに属する個人が地域社会に対して興味関心を持つようなきっかけになれば視野も広がります。

いろいろな面で試金石になる要素が含まれているだけに、今後の展開などを見守っていきたいと思います。

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