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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論450」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第9号(2003.11.25発行)「定着志向のクラブづくり」19~※名称等は当時、一部文章省略

4.定着志向のマーケティングとセールス

(2)定着志向のセールス

セールスの中では真のニーズを掴むことが大事だと先ほど言いました。

でもこれを全てのお客様に対して追求して明らかにすべきと言っているのではありません。

人や場合によります。

ただここで皆さんに改めて考えて欲しい大事なことがあります。

それは皆さんのしているビジネスはどんなビジネスなのですか、ということです。

皆さんのしているビジネスというのは人の夢を叶えて差し上げるビジネスなのです。

皆さんのしているビジネスというのはウィエトトレーニングのビジネスではありません。

スイミングやエアロビクスのビジネスでもありません。

皆さんのビジネスというのは夢のビジネスなのです。

皆さんのしているビジネスは、人に夢は叶うと思って頂くビジネスなのです。

夢は必ず叶うと信じて頂くビジネスなのです。

多くの助けを求めている方々にとって、皆さんは最後の砦になるわけです。

例えばシェイプアップしたいとクラブを訪れたある女性は、心の中で、赤い絨毯の先に彼が待っていて、自分は母が作ってくれた純白のウェディングドレスを美しく着てブーケを持って歩いていこうとする姿をイメージしているかもしれません。

皆さんはこの方の夢を実現して差し上げる役目を持っているのです。

もし、きちんと夢を実現できたのなら、この人は皆さんのことを一生忘れないでしょう。

私たちはただ集客数を上げることをしているわけではないのです。

またプログラムだけを売っているというわけでもありません。

私たちは夢を売っているのです。

お客様の胸の内にある夢を実現することが皆さんの仕事なわけです。

日本のクラブの方たちは、これまで話したように1人ひとりに対応することは非効率で、そんな時間はないというかもしれませんが、このことだけは覚えておいて下さい。

日本のフィットネス市場は必ず成長し、成熟へと向かいます。

その過程では徐々に競争が激しくなっていきます。

同時に多くの生活者の方々が、自身の健康づくりに興味を持ってくれるはずです。

ですが、その時に全てのクラブがどこも立派な「施設」を持っているという状態だったらどうなるでしょうか。

生活者は「施設」だけでは判断しません。

自分の想いを叶えてくれると思えるクラブを選ぶでしょう。

そして自分の希望に真剣に耳を傾けてくれるクラブを選ぶでしょう。

ロイヤルティを持って通えるクラブを選ぶでしょう。

~ここまで~

この記事の指摘のように、20年間、基本的に「施設」競争を主としてきた国内フィットネス市場は、参加率が3~4%とほぼ変化なく推移する中、今回のパンデミックが起こりました。

そしてその後の、業界内の話題は、24時間化、スタジオエクササイズのバーチャル化、24Hジム事業化など相変わらず業態やアイテムに終始する流れが多かったように思います。

さらに全体の参加率が低下してしまっている中でも、他業種やフランチャイズでの24Hジム出店や個人や小規模でのパーソナルトレーニングジム出店は旺盛である為、限られたパイを奪い合う構図はさらに激しくなっていると言えます。

「施設」や「プログラム」を競争の源泉とする場合、投資対効果は一次曲線となりますので、同質化競争の企業が増えれば増えるほど、効率効果は分配的に各社低下してしまうことは必定です。

もはや、記事にある「1人ひとりに対応する」ことでしか、生き残りは出来ないのではないかと個人的には考えております。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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