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1月10日(水):人口8000万人での安定へ(人口ビジョン2100)

このところは人口減のことを記していましたが、昨日にはちょうど人口問題について有識者グループから「人口を8,000万人の規模で安定させて成長力ある社会の構築を目指すように」との提言(人口ビジョン2100)がなされました。

国立社会保障・人口問題研究所では2020年の国勢調査の結果を基に、日本の人口が2056年には1億人を下回り、2100年にはおよそ6,300万人に半減すると推計しています。

こうした未来予測をもとに2100年には前述した6,300万人ではなく、8,000万人を目指し、それに向けて官民を挙げて対策に取り組むよう求めた形です。

直近のnoteでも消滅可能性都市のことに触れてきた通りですが、このまま急激な人口減少が続けば立ち行かなくなる自治体も増えます。

また人口が大幅に減少すると市場の縮小も不可避で、それにより現状の経済社会システムが維持できなくなる、との指摘です。

なお、今回の提言である「人口ビジョン2100」では以下の4つのシナリオが提示されています。

●Aケース:2100年に9100万人
「Aケース」では、2040年に合計特殊出生率が人口を長期的に維持するのに必要な2.07に到達し、人口は2100年に9100万人になるとしています。その時点での高齢化率は28%となり、外国人の割合は10%となるとしています。

●Bケース:2100年に8000万人
「Bケース」は、出生率が2060年に2.07に達し、2100年には人口が8000万人で安定します。高齢化率は30%、外国人の割合は10%としています。

●Cケース:2100年に6300万人
「Cケース」は出生率が1.36で推移するシナリオで、2100年に6300万人となります。

●Dケース:2100年に5100万人
「Dケース」は1.13で推移するとしたもので、2100年には5100万人まで減少するとしています。なおCとDの2つのケースでは、その後も安定せず減少しつづける見通しです。

この4つのシナリオのなかでAケースは実現するのが極めて難しいとの判断で、Bケースを目指すべき、との考え方がなされています。

もっとも「Bケース」といえどもハードルは高く、出生率は2060年に「2.07」まで引き上げなければならず、そのプロセスとして2040年ごろまでに出生率が「1.6」、2050年ごろまでに「1.8」に達していくのが望ましいとされるペースです。

現状でいえば、おととしの時点での出生率が「1.26」であることから、このシナリオとて劇的な改革をしていかないと手が届かない水準だと思います。

前述の提言では、Bケースの実現に向けて内閣に司令塔となる「人口戦略推進本部」の設置、有識者や経済界、地方自治体などが自主的に参加する「国民会議」を立ち上げ、総合的・長期的な視点から議論を行うとともに官民挙げて対策に取り組む必要性を示しています。

選挙で票を集めるための少子化対策でお茶を濁していては、到底Bケースの実現はできないので、これを受けて本腰を入れた少子化対策につながっていくことを期待したいと思います。

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