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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論765」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第32号(2007.9.25発行)「世界のトップ25社2006年度版」1~※名称等は当時、一部文章省略

2005年はフィットネス業界にとって大きな変革の年であった。
2006年は個々の企業が変化に対応しつつも、ビジネスの基本に立ち返って、改めて地殻変動を乗り越え、新たなる地盤固めをしっかりと行い、更なる成長に向けて準備を整える、そのような年であった。
2005年には、クランチ、イクイノックス、フィットネス・ファースト、LAフィットネス、フィットネスフォーミュラ、レディー・オブ・アメリカ・フランチャイズ、24アワー・フィットネスなどといった企業の買収劇や、タウンスポーツインターナショナル(以下、TSI)の新規株式上場(IPO)といった出来事があった。

対照的に、2006年の主なM&Aはたった2案件(英バージンアクティブによる、ホルムズプレイス47店舗の買収、米プラネット・フィットネスによるワールドジム・インターナショナルの買収)に留まり、新規株式上場は無かった。
しかし、この2つの買収劇は、どちらも現在のフィットネス業界の状況や雰囲気を反映している。
最初の案件では、国際的なクラブ企業であるバージン・アクティブが、古参のホルムズプレイスを買収し、クラブ数を165、会員数を90万名へと拡大、年間売上を5億ドル(約580億円)規模とした。
2つ目の案件では、1992年設立のフランチャイズ企業プラネット・フィットネスが、30年前に業界の先駆者ジョー・ゴールド氏によって設立された、老舗フランチャイズ企業のワールドジムを買収した。
これにより、プラネット・フィットネスは米国23州に120クラブ、米国外の20ヶ国で300クラブを擁することとなった。
特記すべきは、2005年のM&Aのほとんどが、プライベートエクイティや不動産開発会社を主体とする買収だったのに対して、2006年の案件は両方ともクラブ間の取引だったことである。

2006年は直営型のクラブ企業が着実な成長を遂げた年であった。
また徹底的に無駄を排したローコストオペレーション型のフィットネス・フランチャイズの爆発的な成長も目立った。
今回のIHRSAのトップ25社リストはこうしたトレンドを反映している。
直営クラブ数、売上、売上成長率の全てにおいて2年連続トップとなったのは、英国を拠点に世界展開を続けるフィットネス・ファーストである。
会員数ではカーブス・インターナショナルがトップであり、450万名という数字は他社を大きく引き離している。

~ここまで~

日本は言うに及ばず、世界では業界を取り巻く経済・社会環境の激震に伴い、これまで何度も業界再編が行われてきました。
日本国内のそれは、世界に比べ出現頻度は少ないものの、一定の周期(10年前後)で起こってきたと言えます。

今回のパンデミックはフィットネス業界において、最もマイナスインパクトの大きい環境変化ですので、ここ数年内に業界再編が起こることはほぼ間違いありません。
先日、ともに業界大手のルネサンスが東急スポーツオアシスを完全子会社化したように、国内では恐らく大手フィットネス企業による大手または中堅フィットネス企業の買収劇というパターンになってくるでしょう。

本業とのシナジーが薄い異業種親会社を持つ、主に総合型クラブを抱えた、業績回復に目途が立たない企業群が対象になってくると思われます。
ひょっとしたら既に水面下の交渉が進んでいて、ある日、電撃的な発表ということもそう遠くないような気がしております。

お読みいただきありがとうございました。

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