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2月16日(木):「解像度を上げる」①

このところは社内の話に端を発して経験学習の必要性に触れ、昨日は数学的、物理学的、工学的な「理解する」の違いを記しました。

数学的な理解は「分類」にあたり、仕事に置き換えれば頭の中が「整理」できて腹落ちした状態を指し、物理学的な理解としての「予測」は、整理したロジックに基づいて「計画」の立案やその後の準備を進めること、そして工学的な理解の「実現」は、先の計画の実行を通じて「結果」を出すことに置き換えられます。

私たちビジネスの現場では分類や予測をして終わりではなく、結果が求められる世界だから工学的な実装による具現化が必要ですが、前述したような数学的な理解、物理学的な理解をすっ飛ばして工学的な理解に至ることはありませんから順を追った理解は不可欠です。

この理解の有無、程度によって経験学習の「内省⇒教訓化⇒改善行動」のサイクルが機能するかどうかも大きく変わってきます。

そうした理解の程度を引き上げるのには物事の捉え方の解像度を高めることで、本日はそれに寄与する書籍「解像度を上げる」を紹介したいと思います。

同書の副題は「曖昧な思考を明晰にする『深さ・広さ・構造・時間』の4視点と行動法」となっているように、解像度を高めるために必要な視点として次の4つを挙げています。

以下、それぞれの視点の定義です。

・深さ
深さの視点とは、原因や要因、方法を細かく具体的に掘り下げること

・広さ
広さの視点とは、考慮する原因や要因、アプローチの多様性を確保すること

・構造
構造の視点とは、「深さ」や「広さ」の視点で見えてきた要素を、意味のある形で分け、要素間の関係性やそれぞれの相対的な重要性を把握すること

・時間
時間の視点とは、経時変化や因果関係、物事のプロセスや流れを捉えること

これら1つひとつの要素は思考やフレームワークに関する書籍を読めば必ず出てくるもので、それ自体に目新しさがあるわけではないですが、これら4つがどう関係しあって解像度を高めることにつながるのか、そこが明確に示唆されているのが本書の良さだと感じます。

日頃の仕事のなかで以下のような傾向、周囲からの指摘がある方は一読しておいて損はないと思います。

・話が漠然としていて、聞き手からよく突っ込まれる
・解決策が単なる問題の裏返し(例:購入率に問題がある⇒購入率を上げます)
・物事の進め方の見通しがない、段取りができない

明日も本書についての説明を続ける予定です。

タイトル:「解像度を上げる」
著者:馬場隆明
出版社:英治出版

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