8月22日(火):非構造的な環境設定は仕事においても大事!
昨日に触れたエコロジカル・アプローチとそれに紐づいた「構造的練習」と「非構造的遊び」から派生した話をもう少しばかり。
書籍「エコロジカル・アプローチ『教える』と『学ぶ』の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践」では前者を特定のスポーツパフォーマンスを向上させる組織(チーム)のなかで監督やコーチが選手を指導し、専用の道具を使い、時間を決めて、時には審判もつけて行う練習と説明しています。
一方の後者はコーチや大人が指導するのではなく、自ら活動やゲームを組織する学習者同士の相互作用から生まれる活動と定義され、その代表例としてブラジルで盛んに行われているストリートサッカーが挙げられていました。
こうした点はサッカーやスポーツにおけるスキル習得や自己組織化だけに限ったことではなく、私たちの仕事の世界でも同様なことが言えるなと思った次第です。
仕事の場面に構造的練習を当てはめると、それは形式的な研修や整備された環境がそれにあたるだろうと思います。
対する後者は守られた環境から一歩外に出た状況や新しいことにチャレンジしている状態、もっといえばカオスな環境といえるでしょうか。
自分自身に当てはめてみても、また自分の周囲のリーダーを見てもそうですが、どちらの環境のほうが成長の振れ幅が大きいかは明らかで、それは後者です。
環境を整えることの良さはありますが、ブラジルのサッカーで憂慮されていた都市化による遊び空間の減少に伴う同地域から輩出される良い選手の減少と同じように、構造化することの弊害があるのは確かですね。
良くも悪くも非構造的な環境のなかで奮闘してきた経験のある人のほうが、自分の置かれた環境で勝手に何かを学び取っていくし、自分なりの解決手段を見出していくことができます。
構造的な環境でしかやってこなかった人は、常に何らかの答えや手段が提示されることを待ってしまったり、与えられた範囲でしか物事を発想したり、行動できない傾向が見受けられます。
だから仕事の環境設定においても、あえての非構造的な環境設定は大事なのだと再認識できました。
一歩間違えばブラック云々と言われてしまいかねない面もありますから、会社側から強制的に過負荷な環境設定をするのは難しくなりつつあるだけに、各自が制約主導アプローチを用いて自分の望む成長に相応なカオスを作り出し、そこに身を投じていくことだろうなと思っています。
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