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4月6日(土):「商売人の意識」×「個店経営」

一昨日は日経MJの記事からドンキ流の経営で業績が回復したユニーのことを取り上げ、昨日はその流れから権限移譲によるエンゲージメントのことに触れました。

本日もこれに関連した話をもう少しばかり。

本家のドン・キホーテでは権限を委譲した個店経営が実践されていますが、業績の回復が進むユニーにもそれが浸透してきたことがうかがえます。

以前にもnoteで記事を書いたことがありますが、従来型の画一売店業態チェーンの本質は「サプライチェーン」である一方、個店経営チェーンの本質は「デマンドチェーン」になってきます。

もう少し具体的に説明すると、画一売店業態の「サプライチェーン」とはイコールでモノのサプライとしての「販路」であり、店舗や組織はコスト要因と位置付けられるものです。

これに対して個店経営チェーンの「デマンドチェーン」は独自価値の創造であり、店舗や組織はマーチャンダイジングと並ぶ価値創造要因と捉えられています。

平たくいえば店舗は単なる売場としての「販路」ではなく、価値を生む「源泉」の役割を担うということです。

扱う商品や発注量について、個店ごとの売上動向によってそれを判断するだけなら、今の時代はビッグデータを解析したり、AIなどを活用すれば本部主導でも個店ごとの数量管理は難しくありません。

でもデータの後追いによる発注ではなく、店舗で顧客動向を観察したり、対面でのコミュニケーションを通じてニーズを拾い上げることが求められます。

こうした状況になると、そこに求められる人材像も必然的に変わってきて、規定されたことをその通りにだけ行う「コストとしての人員」ではなく、五感を総動員して「発注という創造的行為を行う人間」です。

つまり個店経営をやるということは指示待ちではダメで、主体的・創造的な現場があってこそはじめて成り立つものだといえるでしょう。

ドン・キホーテ(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)では「商売人」というフレーズがよく使われ、一人ひとりが商売人の意識を持つことが求められるのは、この点でつながってきます。

土台に商売人の意識があってこそ個店経営が成り立つので、「商売人の意識」×「個店経営」のドン・キホーテ流はまさに理に適ったアプローチだと思います。

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