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8月26日(月):中高年男性のコミュニティー「メンズシェッド」

先般の日経新聞には「リタイア男性集う「小屋」 札幌、仲間作って趣味楽しむ」と題した記事がありましたので、本日はこれに関連した話を少しばかり。

同記事は今年の4月に札幌市西区で、リタイアした中高年男性が気軽に集える「メンズシェッド」(男性たちの小屋)を立ち上げ、その活動などを報じたものです。

シェッドというのはあまり馴染みのない言葉ですが、コミュニティー・シェッドは高齢者のための居場所を指すものだそうです。

もともとは1990年代にオーストラリアで誕生したもので、シェッドでの活動内容は木工や園芸、サイクリングなど多岐にわたるといいます。

主にリタイアした地域住民が生き生きと活動できる新たな居場所として注目されており、近年はオーストラリア、イギリス、アイルランド、カナダ、アメリカなどで急速に発展している旨が説明されていました。

現在の日本では高齢者の単身世帯も増えており、孤立対策の必要性が高まるなかなので、こうした取り組みの意義は大きいですね。

私たちの会社はフィットネスクラブ運営をしていることもあって、クラブ内には中高齢世代のコミュニティがあります。

ただ、そうした場を見ても多くを占めているのは女性です。

もちろん社交的でコミュニティにも積極関与をしてくださる男性もいらっしゃいますが、やはり割合でいえば少ないですね。

だから高齢者男性によるコミュニティを立ち上げていく意義は、より大きいと思っています。

今回のシェッドとは異なるのかもしれませんが、男性コミュニティで良いなと思ったのはスペイン、バスク地方のサンセバスチャンにある男性だけが入会できる美食倶楽部です。

こちらはネーミングの響きから美味しいものを食べるイメージが連想されますが、実際のところは少し違ったものになっています。

どんな内容かといえば男性が厨房に立って料理を行い、皆で作ることも、食べることも、そして語らうことを楽しむ地域における交流の場です。

ちなみに美食倶楽部では政治とサッカーの話題は厳禁、ということです。

なぜサッカーが禁止かと言えばスペインだけに皆が自分の好きなマイクラブがあって、それぞれに譲れない持論があるから、そこにアルコールも入れば議論がヒートアップし過ぎるからですね(笑)

話は戻りますが、こうしたコミュニティができる背景は、バスクがもともと男女の役割分担がハッキリしていて「男は外で働き、女は家を守る」という価値観のもと、厨房は男子禁制であったことに起因するそうです。

それによって厨房から締め出されていた料理好きの男性らが家の外にキッチンを借りて、仲間同士で食べたいものを作って交流する場が生まれ、それが美食倶楽部の起源だと言います。

最古の倶楽部は1870年設立ということなので150年ほどの歴史があり、そうした倶楽部が現在では各地に100以上もあるみたいですね。

しっかり年会費もあるほか、人柄などの入会資格もあって、そこに属していることは「共同体の男性」の証としてのメンバーシップが機能しているようです。

これは男性のコミュニティとしては非常に面白いし、有意義な社交の場だと思います。

日本では女性が複数のコミュニティに属して、幾つもの場所に自分の楽しみの場やつながりを持っているのに対して、特に仕事をリタイアした男性で日常的に出入りするコミュニティを持っている方は稀でしょう。

年齢を重ねた先にある人とのつながり、孤独の度合いは男女間で大きな違いがあるのが現状ですね。

現在は全世帯に占める単身者の割合は約38%で、これが2035年には人口の約半分が一人暮らしになるとの試算もされていて、そのなかに単身高齢者が占める割合も少なくはありません。

それだけに、今回のシェッドや美食倶楽部のような男性におけるつながりの場が増えていくようになれば良いなと思っています。

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