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6月10日(月):サービスの品質マネジメント②

一昨日はフィットネス産業協会が主幹で進めているフィットネスクラブ・マネジメント技能検定のテキスト「フィットネスクラブマネジメント公式テキスト」の改定に向けて執筆を進めている旨を記しました。

現在は2025年春に出版される「Vol4」へのテキスト改定に向けて執筆をしており、私は前回同様にインターミディエイト(中級)の第4章「営業管理」の担当です。

第4章は「販売管理」「商品・サービス管理」「収支管理」の3節によって構成されており、1節の「販売管理」や3節の「収支管理」は前回の内容を踏襲する部分が多いものの、2節の「商品・サービス管理」は大幅な書き換えをしています。

そんなこともあって昨日はサービス管理に関連した話をしましたが、本日もその続きです。

サービスの管理や改善を考えるうえでは、まずサービスのあるべき状態を定義することがスタートになり、これは換言すれば「顧客体験の見える化」で、そのフレームワークとしての連携ダイアグラムのことを記しました。

主だった連携ダイアグラムとしてカスタマージャーニーマップ、エクスペリエンスマップ、サービスブループリントの3つをあげ、今回の趣旨に沿うものとしてサービスブループリントを説明していくのが本日の内容です。

サービスブループリントは文字通り、サービスの「青写真=設計図」を意味してサービスを提供する際のプロセスを、顧客であるユーザー側の体験とサービスの提供者側(クラブ)の動きを時系列で表現するツールになります。

最大の特徴は提供するサービスについて、顧客が直接的に見ることのできるフロントステージ(表舞台)と、顧客が見ることのないバックステージ(舞台裏)で行う行為を区分しながら整理し、一連のプロセスを可視化できる点です。

このようにサービスの設計図を可視化することは前述したサービスのあるべき姿の定義にあたり、これをもとにして自社のサービスがどのような顧客体験を与えているのかを理解したうえで、課題になっている箇所を特定しながら改善につなげていくのが望ましい流れといえます。

参考までの具体例として次の図を見てもらえるでしょうか。


こちらは新規入会者の初回利用時を想定した来館からの時間経過を表したサービスブループリントです。

図の横軸は左から右に向かって来館から退館までの時間経過を表している。縦側の「ユーザーアクション」は顧客が行う一連の行為、「フロントステージアクション」は顧客が直接目にすることができるクラブ側のサービス行為、「バックステージアクション」は顧客からは見えない場所で行われるクラブ側の行為になります。

一般的な初回利用としてフロントでのチェックインから初回のカウンセリングを受講したのちにジムエリアでトレーニングを行い、その後にスタジオレッスンへ参加をし、最後にスパエリアを利用してチェックアウトを想定した流れです。

この時系列の流れに沿って実施するフロントステージやバックステージで行う主だった行為を記載しています。

全体像が可視化できたら、その次の段階としてユーザーアクションを時系列で追いながら、顧客に生じている「待ち時間」や顧客の抱く「満足」、「不満足」の感情などがあれば、それを追記していく手順です。

先の図の例では「スタジオレッスン」や「スパ」の利用に満足が得られている一方、「カウンセリング」の受講やスパ利用後の「パウダーエリア」利用時に不満足があることが見てとれます。

カウンセリングでの不満足要因は、見学時や入会手続き時に質問されたアンケート項目とカウンセリングでのヒアリング等に重複が多く、何度も同じことを説明しなければならない煩わしさに起因していたとします。

その場合はバックステージアクションとして、見学や入会時にヒアリングした情報をジムスタッフと共有する仕組みを見直す必要が出てくるだろうし、カウンセリング時の質問の仕方に配慮を加えたトークスプリクトにしていくことも一考すべきでしょう。

またパウダーエリアでの不満足が散らかった髪の毛のような汚れにあった場合は、巡回清掃のチェック項目の再確認や実施頻度、徹底度の確認のほか、顧客の利用マナー啓発も必要となるかもしれません。

このようにして、サービスブループリントを用いることで、ある場面のサービスを提供するプロセスを可視化して、ユーザー体験とサービス提供の両面からサービスを点検・改善することができます。

以上、参考までに。

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