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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論843」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第41号(2009.3.25発行)「事業存続のための4つの指針ー経済の荒波を乗り切るクラブ運営のヒント」1~※名称等は当時、一部文章省略

厳しい経営環境が続く中、クラブ経営者は多種多様な困難に直面しており、将来に対する不確実性とフラストレーションが高まっている。
競争が熾烈化し、会員数も頭打ちとなり、小さくなったパイをクラブ間で取り合う状況となっている。
従来のマーケティング手法に対する反応率も低下してきており、多くのクラブ経営者が、どうやって新規顧客にリーチすれば良いのか頭を悩ませている。
こうした状況下で事業を維持し、成功させるには、事情環境に即した経営を行う必要がある。
そのためのヒントを4つ以下にまとめた。

1.会員にとって魅力的な価値を提供する

コロラド州フォートコリンズでミラモント・ライフスタイル・フィットネスを3店舗経営するクリフ・ブショルツ氏もまた、昨年前半に売上の低迷に悩まされた。
同氏はセールストレーニングを強化し、ゲリラマーケティングに注力することで業績の挽回を狙い、着実な効果を上げている。
同氏が導入したのは、6週間の「クイックスタートプログラム」である。
これは、6週間のクラブのフル利用とパーソナルトレーニングを6セッションセットにしたもので、119ドルで提供している。
同クラブの平均月会費が70ドルであることを考えると破格の価格設定と言える。
実際、このパッケージ単品ではクラブにとって赤字となるため、非常にリスキーな戦略である。

しかし、同氏はこの戦略を強力に推し進めている。
「我々は、クラブに来たことがない85%の方々に対して魅力的に映るパッケージを用意し、顧客の入会ハードルを下げ、セールス担当にとっても売りやすくしました。
一度クラブに足を運んでいただき、クラブを利用し、トレーナーとのセッションを行い、良い体験をして頂ければ、必ず入会頂けると確信しています」と同氏は語る。

同氏の思惑は的中したようである。
同クラブはこれまでこのパッケージを189本販売し、そのうち92%が本入会へと繋がった。
ブショルツ氏は「結局のところ、従来のマーケティング手法と比較すれば、顧客獲得費用は安くついています。手間は掛かりますが、やるだけ結果はついてきます」と語る。

~ここまで~

パンデミック以降の日本のフィットネス業界は、米国の記事当時の環境に近しく、小さくなったパイを取り合う状況に陥っています。
しかもクラブ数は、24Hジムや小型クラブが変わらず新規出店し、増えていく一方ですので、状況の悪化は一層、避けられないことが予想されます。

当社ジムスタ型クラブも、特に若年層を近隣新規店と奪い合う構図が数値上で読み取れ、その対策は一刻の猶予も許されない状況です。
その点で、記事にある未利用者に対する魅力かつ価値ある特別オファーは、一つの施策として有効であると思われ、自店のストロングポイントに沿ったパッケージ設定を再思考する必要性を強く感じました。

お読みいただきありがとうございました。

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