「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論768」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第32号(2007.9.25発行)「カルフォルニア州知事シュワルツェネッガー氏と24アワーフィットネスが取り組む医療保険制度改革」2~※名称等は当時、一部文章省略
共同責任
自分の健康には自分で責任を持つ、という考え方は一般的通念としては広まりつつあるが、医療制度の改革にこうしたコンセプトが取り入れられたことはこれまでなかった。
しかし、シュワルツェネッガー氏の改革案はまさにこのコンセプトをベースとしている。
同氏が狙うところは、法案のタイトル「シュワルツェネッガー知事による、予防、ウェルネス、自己責任による医療制度改革」に端的に現れている。
カルフォルニア州保健局が2005年に行った調査によれば、積極的に身体を動かす州民が5%増えれば、年間10億ドル(約1150億円)以上の医療費(直接費及び間接費)の削減が見込めるという。
また同調査によれば、糖尿病患者の年間医療費の平均は12,243ドル(約142万円)であり、糖尿病に罹患していない人の平均値2,560ドル(約30万円)を大きく上回っている。
しかしながら、こうした試算によってはじき出される経済効果を実際に生み出すには、個人と政府が責任を分担するという意識面での改革が必要である。
カルフォルニア州サンレーモンを拠点とする24アワーフィットネス・ワールドワイドの創始者でありCEOのマーク・マストロフ氏は、こうした意識改革をもたらす上で大きな役割を果たした。
同氏は2005年秋、シュワルツェネッガー氏から知事室に呼び出され、氏の妻であるマリア・シュライバー氏が代表を務めるタスクフォースチームに参画するよう要請された。
「このチームの設立メンバーであった私達10名は、カルフォルニア州全体の医療制度改革という遠大なテーマにいきなり取り組むのではなく、もっと小さな問題、具体的には小児肥満、学校での体育教育や食事・栄養、といった問題にフォーカスし、目に見える効果を積み上げていくことで、基盤固めをしようと決めました」とマストロフ氏は当時を振り返る。
タスクフォース結成から半年後、メンバーが40名に増え、チームの活動にも弾みがついてきたころ、彼らは、子供たちが体力テストに合格すると特典が受けられるようなプログラムをスタートした。
特典の中には、24アワーフィットネスの会費を無料にするというものもあった。
24アワーフィットネスは全世界で400店舗を展開しているが、そのうちの180店舗がカルフォルニア州にある。
さらにこのチームは、学校でのソーダ販売を禁止し、公立校のカフェテリアから不健康なメニューを排除した。
~ここまで~
「自分の健康には自分で責任を持つ(自助努力では改善しづらい疾患は除く)」という考え方は、一般的通念として日本でも広がって欲しいと思いますが、米国以上に医療保険制度が手厚い現状を踏まえるとかなり難易度が高いと言わざるを得ません。
カルフォルニア州においても、恐らくシュワルツェネッガー氏のような誰もが知る著名人が旗振り役を担ったことで、賛同者が得られやすかったようにも思えます。
願わくば、日本でも著名で尊敬を集めるプロスポーツ選手が、先々、県知事などになって、同様の考え方に基づく施策を広めて頂けたら、嬉しいなと率直に感じた次第です。
お読みいただきありがとうございました。
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