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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論786」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第35号(2008.3.25発行)「新会員種別・新スクールで、需要を喚起ー代替サービスに負けないマーケティングへの取り組み」2~※名称等は当時、一部文章省略

マーケットの潜在需要を喚起し、既存店への入会者の減少を抑えようと新しい会員種別を追加したり、新しいスクールを導入したりするクラブが増えてきている。

各セグメント毎に、新会員種別を導入

とはいえ、同社のホームページを眺めると、以下のような惹句が踊る。
・夏までに見せる体を手に入れる。
・家事の間の、手の空いた時間にフィットネス
・今流行のヨガ、ピラティスにチャレンジ
・特に女性、主婦、学生の方々にオススメ!
・空いた時間にお気軽にLET’S「快適FITNESSライフ」!!

つまり、単にお試しを提供して入会に結び付けるという意図だけでなく、ヨガ・ピラティスの単体スタジオや女性専用小規模サーキットトレーニングジムなどに流れていた女性層をクラブに取り戻そうという意図が垣間見える。
こうした会員種別以外にも、特定の顧客のニーズを想定して、ユニークな会員種別を投入するクラブが増えている。
ティップネスは、ランニングビギナーやランニング愛好者の更衣のためのニーズを当て込み、ランニング会員を導入した。
月会費1575円でチェックイン、チェックアウトの前後30分間ロッカーとシャワーのみを利用(バスタオル・フェイシャルタオル付)できる。
併せてランニングやノルディックウォーキング、ウォーキングなどの屋外でのセッションの提供も行っている。
またオージースポーツでは、時間選好、価格志向の生活者を見込んで月会費3990円の「90分会員」を投入している。
1日1回限りの利用で、土・日・祝日が利用できない。
以上は、既存店に新しく導入されている会員種別であるが、新規店を中心に会員定着を企図してペア会員、グループ会員を導入するクラブが増えている。

クラブに反応しない層をスクールで獲得

クラブに入会しない層でも、特定の顧客のニーズにフォーカスしたスクールを設置すると参加する顧客がいる。
現在好調のゴルフスクールやヨガスクールなどの他に、ダイエット・シェイプアップを当て込んだ各種スクールやバレエ・フラダンス・ベリーダンスなどのカルチャー系クラス、親子スイミングや子どもを対象にしたダンス、空手などのスクールなどが導入されている。

~ここまで~

前回、最終的に客単価の下落を招き、トータルの売上減に繋がってしまったとマイナスの評価をお伝えしましたが、プラス評価として様々なチャレンジングな施策が当時行われていたことは確実に言えると思います。

現在増加している24時間ジムやダイエット系パーソナルトレーニングジムなどは、業界歴28年目のアバター近藤から見ると昔以上に個性のない状態で、価格の調整でしか変化を加えられない無差別化の時代に映ります。

もちろん記事当時、失敗も相応にあったものの、比較的自由度が高かった点で試行錯誤が許される時代だったと振り返れます。
当時、ティップネス某店の屋外ランニングセッションに参加した際、平日夜の高層ビル街を好奇の目に晒されながら、10数人で走ったことはある意味、シュールな経験として今でも強い記憶が残っています。
現在であれば、安全面がどうとかなど出来ない理由を挙げて、恐らく却下されていた企画のように思います。

お読みいただきありがとうございました。

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