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【靴とインソールと症状と筋トレと】

インソールを製作する仕事をしています。
かといって、以前のように1からインソールを作るようなことは、ほぼしていません。
「インソール」に出会って20年以上経ちますが、最近になって扱い方がやっとわかるようになりました。

まずインソールとは、靴の中敷きのこと。日本ではスポーツ界からブームになったのかな。国内にはいくつか“流派“がありますが、私はドイツの整形外科靴の学校で『アインラーゲン』の製作を学び、それをベースにして独自でいろいろな発展させてインソールを作っています。
(注:ドイツ語でいうアインラーゲン=英語でいうインソール=日本語でいう中敷き、足底板)

そんな私がいうのもなんなんですが…
「そもそもインソールって、いらないんじゃない?」

という事で、インソールのデメリット。
●靴と同じく一生ものではない。踏み続けられるので、少なからず変形して、場合によっては壊れる物。素材を硬いものをつかえば(チタンを使う業者を見かけたことがあります)が、動作時の靴との親和性にも疑問があったりもします。靴は3Dに複雑に動きます。曲がるだけでなく、捻れたり、前後左右にブレたり、曲ったり、潰されたり…。
それと、「硬さ」に付きまとうのは「重さ」です。靴が重くなる事は長時間の歩行時や運動時に脚への直接的な負荷となります。

●価格が高い。ちゃんと作ると1〜2万円は当たり前ではないかな。私も含め製作側からすればそれだけのコストをかけているから当たり前だと思いますが…場合によっては『靴より高い』。コレってどうなの?と長年向き合ってきて、ずっと腑に落ちない現実。物はいつか壊れる物。市販でいろいろ機能がついているインソールがここ10年で増えました。確かにいいなと思えるものもあるのですが、3000〜5000円ぐらいの単価かな〜。いろいろな意味で限界もあるけど。
もっと手軽にしなければいけない技術だと思う。

●価格が高い割には、実質的な効果は限定的であること。第一に靴を履かなければ意味がない。次に「身体は変わるもの」。当たり前ですが、足が毎日同じコンディションとは限らない。長く立っていれば足が浮腫みますし、長く動いていれば足が疲れて筋力が落ちます。総じて土踏まずを支える筋力も下がります。
それだけでなく、筋トレして踏ん張り方が変わる可能性もあります。逆に体力が落ちたり(ディ•トレーニング)すれば、身体は変化します。スポーツ選手ならなおさらシビアなフィーリングでしょう。
そして、前述した通り、インソールは一生ものではないし、靴との親和性が合わなければなおさら。靴の性能を考えて作らないとインソールが靴とケンカするでしょうし、靴が伸びちゃえば、インソールも靴の中でズレてしまいますしね。
そうすると、靴紐の結び方も考えないといけない場合もある。
※ 当院ではスリッパにインソールを作ってみたりもしています。

● インソールの影響力の限界。0コンマ何秒の世界で戦っているトップ選手には、影響力があるかと思います。また、それと市販のクッション性などの機能性のあるインソールやフィッティングが向上する事を考えると、山歩きなどの疲労軽減などに繋がるかなとは感じます。
これらの点を考えると、一流メーカーが研究の末に作り上げているシューズの機能を最大限に活かせる状況を考えれば、インソールの役割は補助的な機能とフィッティングではないかと思うわけです。インソールを使うことだけで大きな変化があるのかと言えば、疑問符がつきます。
ちなみに足の構造が異常があり、それを矯正できるインソールである場合、パフォーマンスへの影響は大きいです。例えば、私が以前経験したのは、土踏まずが全くないキーパーにインソールを作ったらロングキックが10m以上伸びた時にはびっくりでした(前もどこかで書いたかな笑)

●なにより『身体を変える』事を仕事にしている立場からすれば、「インソールって本当に必要?」という疑問に立ち返ります。局所的な筋力がつけば、インソールは必要ないのではとい極論が成り立ってしまうときもあるからです。私の左脚は土踏まず(内アーチ)が落ちてきていて踏ん張りが弱い状況だったのですが、筋トレやらキックボクシングやらで強化したら、普通に踏ん張れるようになったりしてます。

そんなこんなで、一時期は積極的にインソールを製作する事をやめてしまいました。ただし、現在に至るまで、治療の一環で足•膝•股関節の保護や固定、それに準ずるためにインソールの技術を使用してきました。

そうそう、インソールの1番の強みって知ってますか?答えは『靴と足の調整』です。
足の問題の8割はインソールで解決できるとも言われています。残り2割はアウター(いわゆる靴そのもの)です。履きたい靴…けど、足に合わないなんてありませんか?インソールでだいたいフィッティングできます。インソールの本質は靴と足の隙間を埋めること。なので、サイズの小さい靴の場合は厳しい時も。インソールを削って隙間を作るには限界があるので。でも、そういう時は『靴をポイントで伸ばす』という裏技もあります。インソールじゃないですね(笑)
初めて自分のインソールを作った時の、『あのフィット感』、忘れられないなぁ(^^)

インソールの扱い方は簡単にいうと歯医者みたいなものなのかなと。
一見さんに売るようなインソールでは一定の効果しかないのではないかと。そのお客さま、患者さまと長く付きあい、その時々の症状に応じて、必要最小限の加工で提供する。なので低コストで提供もできるし、補正やメンテナンスも簡易になる。定期的歯医者さんにいって、掃除やメンテナンスをする事で良い歯が維持できるのと同じように。歯磨き指導のように、足裏や身体のメンテナンス指導も大事なのかとなと。その一環として、必要な筋力をつけるための筋トレの指導。
インソールには限界があるから、インソールに頼りすぎない身体づくり。
筋トレは速効性がないし、絶対的なものでもない。そして、当院でサポートしている方の中には骨格や負傷状況上、力だけではどうにもならない方もいるという事実。ということで、「筋トレ」と「インソール」を両論で回すもの。お互いが補完しあう関係なので。

もっと「インソール」という技術が皆さまの身近になればいいなと。

「靴とインソールと症状と筋トレと」
●足でお困りの方
●歩行でお困りの方
●運動時の靴でお困りの方
●履きたい靴でお困りの方
当院では現在、症状に必要な方とご希望の方にのみ、インソールのお話をしております。
腰を据えて、自分の足を向き合ってみませんか?

※ 佐野接骨院、筋トレクラブ、トレーニングガレージ(会員制)は予約制です。

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