見出し画像

小学生のサッカー戦術#10 ぎゅうぎゅうでサッカー

8人制サッカーの戦術について、小学生にも分かるように紹介していきます。(小学生の息子たちへの説明も兼ねて。)戦術を考えることは未来を考えること。

上のリンクは前回の記事です。前回は、お尻を振る話でした。

今回は、せまい場所でサッカーをするという話です。

ぎゅうぎゅう。牛だけに。


家の中でサッカーの試合をする

友達を家によんで、サッカーをしたことがありますか。

家の中では、外が雨でも寒くても、サッカーの試合ができていいですよね。


え、家の中では、せまくて、サッカーの試合ができない?


すみません。私の家のトイレは、体育館くらいの広さがあるので、かんちがいしていました。

たしかに、ふうつの家では、サッカーの試合はできませんね。


ごめんなさい。ふざけていると思わないで、ちょっと考えてみてください。

あなたをふくめて、16人が、家の中で試合をしたとしましょう。

玄関の戸と、押入れの戸がそれぞれゴールです。廊下も居間も、人がぎゅうぎゅうです。

こんな感じだと、攻めと守り、どちらがやりやすいですか?


せまい範囲に人がたくさんいると

せまい範囲に人が集まると、やりやすいのは守りです。

攻めるためには、ボールをもって、ドリブルしたり、フリーの味方にパスしたりが必要です。

でも、敵が周りにたくさんいるとドリブルもパスも難しいですよね。

味方も近すぎると、パスもできず、ドリブルのじゃまになったりしてしまいます。

画像8

上と下、パスやドリブルをしやすいのはどっちか、すぐにわかると思います。

画像7

この、せまい範囲にたくさん人がいると、攻めにくいというのは、あたりまえだけど大切なことです。

サッカーの原理というやつです。


せまい範囲をつくって守る

以前にこんなフォーメーションがあると紹介しました。

画像1

このフォーメーションの強みとして、センターに人が多いという点があげれられます。「センターが大切」もあたりまえだけど大切なことでしたね。

このフォーメーションのもう一つの強みは、人のいる範囲がせまいという点です。

画像2

この図のように、せまい範囲に人がたくさんいるので、攻撃側の青チームは、攻めづらくなっいます。

「センターが大切」、「せまい範囲に人が多いと攻めにくい」という2つのあたりまえだけど大切なことができているフォーメーションなのです。


サイドを守る方法

上の図で、もしあなたが青のチームであれば、どう攻めるでしょう?


人のいないサイドから攻撃する。

そう考えるのが自然ですよね。

では、赤チームはどうやってサイドを守るでしょう。


実は、サイドでも「せまい範囲に人がたくさんいると攻めにくい」を利用して守ることがきます。

こんなふうに

画像3

青チームがサイドから攻撃をしようとサイドへボールを出したとき、赤チーム全員がそのサイドへよって行きます。

そうすることで、サイドでも「せまい範囲に人がたくさん」をつくることができるのです。


これは、前回紹介した、お尻をふるの全員バージョンです。

なかなか、攻めるのが難しそうに見えますね。こんな守備のしかたもあると覚えておいてください。


この守り方の弱みは?

この守備の強みは説明しましたが、弱みはなんでしょうか。

画像7

例えばこんなとき。

上の図は、青のチームが攻撃をしていて、赤チームにボールをうばわれたところです。

これから赤チームの攻撃が始まりますが、どこにパスをしたらいいでしょう?

なかなか良いパスコースがありません。すぐ近くに敵がいます。ドリブルも難しそう。

よく考えると、「せまい範囲に人がたくさん」です。だから、今度は赤チームが、攻めにくくなってしまっています。


守りから、ボールをうばった直後、攻めづらい状況から始まってしまう。

これが、この守備の弱みになります。


また、サイドへみんなでよることにも弱みがあります。

画像5

今は説明しませんので、自分で考えてみてくださいね。


最後に

今回は、「せまい範囲に人がたくさんいると攻めにくい」という、あたりまえだけど大切なことを出発点にして、それを利用した守りかたを紹介しました。

みんなでサイドへよっていくことを、「スライド」とか「サイドへ圧縮」とか言ったりします。覚えておくといいと思います。


最後に重大なことを言いわすれていました。

本当は、私の家のトイレは広くありません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?