ワインテイスティングの変遷
私はカリフォルニアのサンフランシスコ周辺のベイエリアと呼ばれる地域に20年くらい住んでいます。
お酒が好きで、せっかくワインの産地の近所に住んでいるのだし、ナパ、ソノマ産のワインをたくさん飲みたい!と思っているのですが、残念ながら生活にそうそう余裕はないのでスーパーで売っている15ドルからせいぜい30ドルくらいまでのワインを主に楽しんでいます。
これからワインにまつわるいろいろなことを好きなように書いていきたいと思います。
ナパ、ソノマにはたくさんのワイナリーがあります。今まで20箇所くらいは訪れたでしょうか。少ないかな?
多くのワイナリーは敷地の一画にテイスティングスペースとワイン(やワイナリーのオリジナルグッズ)を販売する売店を設けています。
かつて、試飲といえば、バーカウンターで立ち飲みでした。グラスも一つだけだったような。何種類か飲んでみて、サーバーから詳しく説明をききながら味わい、メモをとったりしつつ、好みに合うワインを箱で購入する……買うことを前提とした試飲でした。
が、パンデミックを境にスタイルが変わりました。屋外に設置されたテーブル席で用意された4,5種類のワインをそれぞれ違うグラスで試飲をします。サーバーがワインの説明をひととおりしたら後は、ブドウ畑が一面に広がる景色を眺めつつ、ワイナリーのおしゃれな雰囲気を仲間とおしゃべりしながら楽しんだり、質問があるときはさらに詳しい説明をサーバー(生産者であることも多い)から聞くという体験型のエンターテイメントとしての試飲になったのです。
そうなるとティスティングにかかる時間が1時間〜1時間半くらいになっていってしまいました。用意するグラスも増えるし客は長居するしでサービス側の負担が増えましたからテイスティングの料金がどんどん上がります。
コロナの後、お客が戻ってきても働く人たちがなかなか戻らず、サーバーの時給がハイピッチで上がったこともテイスティングの料金上げの理由の一つですね。
現在(2024年春)一般的なワイナリーでの平均的なテイスティングフライト(と呼ばれています)が一人50ドルくらい。(円にすると7500円くらい?)人気がある有名ワイナリーだと75ドルとか、一般には流通しない限定ワインのみの試飲だとさらにお高く(120ドルとか)設定されていたり。ワインに合う軽食がつくと95ドルとか。。。。(チップもお忘れなく!) そしてそれもオンシーズン(5月から9月くらいかな?)の週末は予約がいっぱいだったりするんですよ。お金持ちは世界中からたくさんやってきて、何箇所かをはしごしていくんでしょうね〜。
本当にここ数年は値上がりがすごくて、びっくりです。数年前(コロナ以前)のワイナリーのレビューを読んでいると、「5.6種類飲んで25ドルなんて信じられない!(高すぎるという意味)」というのがあって、そうだったよね〜昔はね〜。と思い出しました。その頃はたいがいのワイナリーは試飲してそのあとワインを購入すると試飲代は無しにしてくれるところも多かったものでしたが、最近はどうでしょうか。
もちろんワインの価格もうなぎのぼり! ナパ、ソノマのブランドが認知されていますからどんどん売れるので値段をあげてもはけるのです。😁
それでも美しく整列したぶどうの木に萌える若いぴかぴかした黄緑の葉っぱ、あるいは見事に実ったぶどうの実を間近に観ながら味わうテイスティングはゆったりとした気分で楽しいひとときですね。