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TOVE スウェーデン系フィンランド人

フィンランド映画『TOVE/トーベ』を観てきました。

おそらく日本で一番有名なフィンランド人、ムーミンの作者Tove Janssonについての映画です。

といってもムーミンの作者についての映画と思って観ないほうがいいです。

1940年代から50年代にかけてのスウェーデン系フィンランド人女性の芸術家、作家についての映画だと思って観るといいのではないかと思います。

そして実際の出来事ではなく、実際にあったことをもとにして創作した話だという前提で観るといいですね。


個人的にはスウェーデン語を始めるまでムーミンを読んだことがありませんでした。

アニメを観た記憶はありませんし、今でも観たことはありません。

ムーミンに大きな愛着は持っていませんし、ムーミンが好きだからスウェーデン語を始めたわけでもありません。

(ときどきそういう方もいらっしゃいます)

でもTove Janssonの絵は影があって好きです。

Tampereタンペレにあるムーミン博物館に一度行ったことがあります。

当時はまだ図書館の半地下みたいなところにありました。

その奥まった雰囲気と手作り感満載のムーミン屋敷がすばらしく、少々感動しました。

オフシーズンで人が少なく静かだったのもよかったです。

でも新しく大きくなったところへは行かなくてもいいかなと思っています。

立派過ぎだなと思っているので。


そんな感じなので、特にこの映画を観てタバコ吸い過ぎだろと思った以外はToveの印象が悪くなったとか、こんな人だったとは思わなかったとかはありません。

でも人によってはそう考える要素があるのではないでしょか。

でもまあムーミンはムーミンで、ToveはToveです。


彫刻家である父親の話ばかりされたり、画家として認められなかったり、経済的に困窮したりともがきながらも自分の道を歩んでいくひとりの人間を描いている映画だと思いました。

そこに記者で政治家の既婚男性と演出家の既婚女性との恋愛が絡められている感じ。

そしてスウェーデン系フィンランド人の社会の狭さもあるなとひっそり考えました。


Tove Janssonはフィンランド人ですがスウェーデン語が母語のスウェーデン系です。

フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語ですが、フィンランド統計局によるとスウェーデン語話者は人口に対して1950年時点では8.6%、2020年では5.2%です。

フィンランドの人口が1950年には400万人強、2020年では550万人強です。

公用語といえどもそれほど多くありません。

そして住んでいる地域も大抵ヘルシンキ周辺の南部か、Vasaヴァーサ周辺のボスニア湾岸沿い、そしてÅlandオーランド諸島です。

そんな中ヘルシンキで文化人となるとしょっちゅう同じメンバーなんじゃないかなと思います。

だからどこに行ってもお父さんの話になっちゃうのかなと。

パーティーでもいつも似たような参加者になるのでしょう。

元交際相手と仕事したりもしているわけですし。


この映画を観に行ったのはスウェーデン語だからという理由が一番大きい気がします。

ということでムーミンよりもスウェーデン系フィンランド人のほうが気になったという結果です。

これについてはもう少し深掘りしたいと考えています。

ヴァーサやオーランドへ行ってみたいのもそれが理由です。







冒頭の写真は16年前(!)のヘルシンキです。

どんよりな天気でおもいきりぶれていますが、路面電車が好きです。








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