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前十字靭帯再建術後のちょっとした考察

前十字靭帯再建術。
 漢字が並んでわけわからん感じですが、損傷した靭帯を作り直す手術です。さまざまな方法とともに、さまざまな要素があり、術後の膝の状態にただならぬ影響を与えてしまいます。
 簡単にいうと、切れたところに将来靭帯の変わりに関節を止めてくれるであろう腱を入れますが、入れる腱によって少し術式が変わります。入れる腱をグラフトといいますが、膝の前にある膝蓋腱から採る場合ともも裏についているハムストリングスの腱から採る場合があります。採る腱によって、強固に固定できるもの、生身の靭帯に似せて細工しやすいものなど、どちらがいいということでもなさそうです。それなりにメリット、デメリットがあるのではないでしょうか。ではリハビリはどうでしょう。術式によって工夫しています?先日、長くリハビリをさせて頂いているドクターとは違うドクターの手術を受けたクライアント様の膝を見させて頂きました。やっぱり感じが違うんですね。なんていうのだろう?触った感触なのでしょうけど、最終伸展域の動き…抵抗感…ん~なにだろう。実際、関節内でどうなっているか。プロトコルをこなすだけでは実感できないことがたくさんあります。でも、リハビリ過程で、中の靭帯の状態をみることができない。そうですよね、関節鏡を入れると簡単にいっても、手術ですからね。そこで、今回術後1年もしくは2年を経過し、抜釘した…抜釘とは止めている金属を除去する手術です。抜釘時に直接中をみることができるのはうれしいですね。
そこから逆算して、「今までの関節運動でどのようなストレスが靭帯にかかっていたか」を考えるきっかけになるので。症例を通して検討できればと思います。


解剖学

前十字靭帯は、膝から下、下腿が前方にズレるのを防ぐためにあります。そのほか、膝を捻られるような応力に対しても膝を守る役目を果たします。前内側線維と後外側線維とがあります。全く別の線維というわけではないようですが、それぞれに役割があるようです。文献から引用してみます。

前十字靭帯内のコラーゲン線維同士は互いに捻じれあい、螺旋状の線維束を形成する。前十字靭帯は膝関節の屈曲角度の変化に伴い、異なる挙動を示す2つの線維束が存在する。2つの線維束は脛骨上の相対的付着部により、前内側線維束と後外側線維束と呼ばれている。…前内側線維束は屈曲していくに従い張力が増加する一方で、後外側線維束は伸展していくに従い張力が増加する。

監修 福林 徹ら  ACL再建術前後のリハビリテーションの科学的基礎

脛骨(すね側の骨)が前方にズレるときに前内側線維と後外側線維でどのようなストレスが加わるか文献から考察してみます。グラフは、参考文献から引用しました。

福林 徹ら ACL再建術後のリハビリテーションの科学的根拠より引用

膝関節の伸展域では、後外側線維が優位に高い張力を発揮します。これ…よく経験しました。バスケットボール部の女子高校生。リハビリ過程でも、競技に復帰した後でもですが、ある程度動ける状態になり、バスケの動作に近づきつつある途中で、「膝が伸びきってしまい、その後から膝の裏が痛い」という訴え。
膝の過伸展(伸びすぎ)なのか、軽度屈曲した角度なのか、それはさておき、膝を曲げてしまえば、そんなに靭帯に負担はかからないように感じます。ガクっと伸びきることがないので。後述するQAPの話ともリンクする内容ですね。気を付けないといけないのは、膝関節屈曲(90°に近い角度)でも、船をひっぱったり、重たい重量を持ち上げたりすることで前十字靭帯が切れる動画をSNSで見かけました。なんでも度が過ぎるとダメですね。

手術後の話

 膝の手術後は、膝を伸ばしにくいことが多いです。歩くときも、膝の動きに制限がみられ、経過がよくない方に限って、伸びにくい方が多いですね。
大腿四頭筋、しかも内側広筋が委縮してしまいます。膝が伸びきる手前の可動域で強く関与するこの筋肉は、非常に機能が戻るのが遅れがち。しかも膝関節が伸展するかしないかの角度は、制御するのが難しく、伸展しきって骨性に支持してしまうことが多くあります。
 選手にもよるのですが、わざとハムストリングスの遠位部の筋緊張を残したり、テーピングで軽く伸展制限をかけるとプレーしやすかったりします。伸展しないということは、Anterior knee painといわれる膝前面の痛み、たとえば膝蓋腱炎などを起こす場合があります。日頃のケアは大切ですね。安全にバスケをプレーするということであれば、膝関節の筋制御できないところまで使わない選択も一つかと思います。もちろん選手個々の特性に合わせて選択するものですので悪しからず。
 プレーまで復帰した状態で、スポーツ現場で課題は、前方引き出しよりも回旋の方が圧倒的に多いように感じます。コンタクトではなく、自分で制御できずに損傷した例では、脛骨が回旋しながら前方に脱臼するような動きをしているように見えます。学術的に“下腿の外旋”なのか“内旋”なのか議論になるような動きですが。動き出しやストップした後の動きで、足部で一生懸命方向を変えようとすると、悪いチカラが膝にかかってしまいがちです。これに対しては、ステップワーク(接地した足に対して動きの方向)を整理して選手に徹底させています。

サーフェスの話

フロア・グランドの状態にも影響します。足部とグランドもしくは床面の摩擦が、思ったよりも引っ掛かったもしくは滑った時に膝のコントロールは失いやすいようです。中間関節といって、足と股関節の間にある関節なので、多大な影響を受けるんですね。足がズルっと滑ると膝には大きなストレスがかかるし。なので、リハビリでは“膝関節を使える状態にする”ことと、“足、膝、股関節での床反力への対応”は必須項目かと思っています。床反力をコントロールできれば、様々なステップワークを可能にするフィジカルになると思っています。よくある話ですが、サッカーの強豪校からフットサルへ移行した選手。芝のグランドから体育館の様なフロアへ。身体の使い方は絶対に違うので、「フロアと仲良くなるまでに時間がかかります。」フットサルチームのトレーナーをしていたときは、サッカー上がりの選手をよく見分けていたものです。なんの根拠もないですけどね。経験則なので。

プロトコル

話がずいぶんズレてきましたが、リハビリの過程で、装具を外す、歩く、階段昇降、バイク、ランニングなど「この運動はしていいよ」と判断する時期があると思います。その時期は、プロトコルで決められていて、ドクターにもよると思います。術後早期から「装具はいらない」という先生もいらっしゃるので。術後のコラーゲン線維比率をみたグラフです。コラーゲン線維は靭帯の強度に影響するのかもしれませんね。

福林 徹ら ACL再建術後のリハビリテーションの科学的根拠より引用


どの割合がベターなのか、よくわかりませんが、Ⅰ型とⅢ型との割合は、靭帯組織と腱組織では違うということも言われます。腱を入れ込んでいる再建靭帯が靭帯に変わる。そう考えると、コラーゲン線維の割合をみるのも面白いかもしれませんね。それぞれのグラブで読み取れることの一つとして、6週目、6ヵ月目。これは何かのターニングポイントかもしれません。
それにしても「ランニングしていいよ」との判断は何を根拠にしますか?
「病院では走っていいって言われました。」
「バスケしていいって言われました。」
何を根拠に許可したのか、その意図をくみ取りたいなと思います。”安全に走り”ためのフィジカルがあると考えていて、なんで走っちゃダメなのかは、その基準に足りてるかという判断をすると思うので。では、バスケをしていいって、バスケのどの場面の動作?フルで実施したときに突発的に起きる場面を回避できるか…などなど。バスケットボールしていいとは守備範囲が広すぎますね。以前あったバスケットボールチームでの話は後ほど。

骨孔内の微細運動

靭帯を再建する際に、骨にトンネルをあけ、その穴を通すようにして再建靭帯となるグラフトを通す。このトンネルを骨孔といいます。グラフトが定着しない間に微細な震度が加わると、骨孔が拡大の原因になるようです。イメージわきますね。穴に通したワイヤーをバタつかせると穴が拡がる。生身の前十字靭帯の付着部の構造をみると、関節面に近いところに着いた方がいいようです。そうであれば、骨孔は拡大しない方がいいのでしょう。
グラフトを止める留め具、骨孔の位置などいろんな要因でグラフトのバタつきが変わってくるようですが、それは理学療法ではどうしようもない因子ではあるかと思います。いかにリハビリの過程で、靭帯にかかる負担を減らすことができるか。”バタつき”となると、微細な振動刺激になると思うので、意図せずグラっと膝がなるようなことは避けたいものです。この「グラっとなる」感じは動作指導の時の、セラピストの診る力なのかもしれませんね。
グラフトの骨孔内でのバタつきをミクロな視点で見た場合とすると、もう少しマクロな視点にしていくと、片脚立位でグラっとする動き、さらに大きく見ていくと身体を大きく動かしてバランスをとるような身体操作になっていく。文献の内容は、目視では見えない部分なのかもしれませんが、それを想定して身体を動きをみることも必要かと思います。バランスを崩していることがいけないのではなく、膝を使わずに他の部位で大きくバランスを崩せば再建靭帯へのリスクは大きくないと思うんですけどね。
半月板を損傷した高校生の動作をみてみましょう。
両足ジャンプからの着地。これ意図してない水平面での関節のグラグラって感じが出てますね。片脚で着地するサイドステップでは、今度は、両脚ジャンプよりも他の部位でバランスをとろうとしています。

前十字靭帯のひずみ

1990年代に計測された実験です。小型の計測器を前内側線維束に埋め込み、前十字靭帯に加わる歪みを計測してものです。昔は地面に足をつけないで膝を伸ばす運動は大腿四頭筋がすねを引っ張り出すので前十字靭帯に負担がかかるという話もありました。足をつけると大腿四頭筋と一緒にハムストリングスも働くので、靭帯への負担がかかりにくいというもの。最近はどうなんでしょう?いろんなデータがありますが、それは個体差があると思うので参考までに。

再建術の最大の目標は、より早期にスポーツ復帰することであり、強固な再建靭帯や筋力の回復が不可欠である。前十字靭帯再建術後2週間程度で再建術による炎症が沈静化するため、この時期に機能回復に向けたリハビリテーションが積極的に開始される。一方、再建靭帯の正常な成熟を促すため、機能回復と再建靭帯の保護との理想的な妥協点を探ることが求められる。

福林 徹ら ACL再建術後のリハビリテーションの科学的根拠

知りたいのは、「どんな動作をするとどれくらい靭帯に負担がかかるか」ということではないでしょうか。動作による違いは文献から参考にさせてもらいます。

引用:福林 徹ら ACL再建術後のリハビリテーションの科学的根拠

どの動作でどれくらい靭帯に負担がかかるかなんてわからないですもんね。もちろん、関節を明らかに無理な角度で立ち上がるなど、動作として目に見えるものはわかりますけど。靭帯にとって負担はアライメントが崩れること。靭帯の役割を考えると、骨と骨が間違った位置関係にならないように止める組織なので、骨配列であるアライメントが崩れているような身体の使い方は負担が大きいと思います。膝の角度による歪みの違い、膝の曲げ伸ばしとスクワットとの違い、正常な前十字靭帯と再建靭帯との違い。参考までに載せてみます。結局、わかるのは動作なので、個人的には、代償動作が起きるようであれば、それを繰り返す練習はせず、修正するエクササイズを処方するようにしています。代償動作がなくなれば繰り返し、反復練習し、運動速度・強度を上げていけばいいのかなと思ってます。


またトレーナー側がそれを強制するようなトレーニングを課すこともNGですよね。例えば、お相撲さんがとるような四股、すり足をしながら前に進むような動作を行うとします。お相撲さんのように、股関節外旋し、床からの力をコントロールできるフィジカルであればいいのですが、高校の女子バスケチームでは、たいていの場合、股関節外旋が苦手なもの。そのまま前に進もうとするものなら、膝関節に外反位を強制させながら、足部の内側でむりやり踏み返すようになります。非常に悪かろうと思われる動作習慣を身に着けてしまうし、膝関節もストレスを感じる動作になることが多いと思います。
圧倒的に多い減速動作での前十字靭帯損傷。しかし自ら動こうとする推進相でも生じます。下の写真は、ボールを追うために加速したときに生じた場面。もしかしたら少し方向を変えようとして、自らの脚を悪い姿勢にしてしまったのかもしれませんね。

推進脚での前十字靭帯損傷

伸びた方がいい?

前述しましたが、膝関節の伸展域は前十字靭帯へのストレスがかかる領域。膝関節の機能としても、筋肉での制御もおろそかになりやすいものです。
「だったら伸びなくすればいいやん」
リスクを回避するにはそれもありかもしれませんね。実際、バスケに復帰するときに、伸展をテーピングにて若干制限する形の補助をする選手を経験してます。引退したあとは、しっかり伸展できるようになる程度に制限なのですが。
関節のことを考えます。伸びないから靭帯安全。それって機能的なのでしょうか?構造的疎外因子がなければ、しっかり伸展域まで制御できる筋機能、過伸展しても機能する靭帯、総合的にどの角度でもしっかり働く関節を目指すこともリハビリテーションかもしれませんね。しかし、靭帯の強度は2年たっても本来のものと比較すると弱い。もしクライアントが高校生であるならば、本来のものを目指すというよりも、高校では安全に靭帯を使うことを目標にした方がいいように感じます。どのような動作・プレースタイルが安全だということではなく、個々で強度・競技・負荷・出力が違うので、その選手にあった復帰後のパフォーマンスをマネージメントすべきかと思います。そんな考えで、この選手は”伸びない方がいい”と選択したこともあります。
膝関節の伸展がうまくでない。そんな症例は多くいます。あるクリニックでは30分おもりを膝の上に載せられ、寝とく。すると少しは伸びる…古典的!実はそんなことではなく、関節の環境を”伸びる環境に”することも必要なこと。動画は前十字靭帯再建術後のもの。元々、筋緊張が高く、膝が曲がったままの状態になりやすいクライアントです。可動域制限が大きく、手術も1か月延期されたくらいの…
なにか関節に問題がある場合、曲げておいた方がよいと反射的に身体が動くんですかね。
とにかく、軽度屈曲域での損傷例が多いので、その可動域で筋肉が収縮しやすいようにはしたいですね。一般的には空気椅子のようなトレーニングで大腿四頭筋を追い込むのですが、外側広筋にばかり刺激が入る選手が多いように感じます。筋電計をつけたわけでないので、肌感覚ですけどね。

下の写真が前十字靭帯不全膝

伸びない話をしていますが、逆にのびちゃう話もあります。大腿四頭筋が機能しない歩行の話。QAP(quadriceps-avoidance gait pattern)です。ちょこっと文献から。

前十字靭帯損傷後の歩行には、患肢立脚期に膝関節伸展モーメントの低下現象を示し、quadriceps-avoidance gait pattren:QAPと呼ばれる大腿四頭筋の筋収縮を避け、歩行時の脛骨前方剪断力を軽減させようとする特徴があるといわれている。QAPは「矢状面において損傷膝関節にかかる伸展モーメントが立脚期に健常例を統計学的に下まわるもの」と定義されている。…術後急性期から6週にかけてはQAPが出現したが、慢性期およびその他の時期では出現しなかった。QAPが存在していた再建術脚も4か月後には正常の歩行パターンと同等となった。

福林 徹ら ACL再建術後のリハビリテーションの科学的根拠

大腿四頭筋の収縮を避けるようなこの歩行は、膝の伸展しすぎる可能性もあるかと思います。再建してしっかりした靭帯組織になる前に、そんなストレスにさらされる靭帯はかわいそう。そう思うと、屈曲拘縮になるのも身体がわかってやっているのかもしれないですね。程よく可動域を改善、周囲の機能を万全しして、最終的には伸展域でも機能的に使える膝にしたいものです。

動作を限定すること


前十字靭帯再建術後、バスケットボールへ復帰する際、ヘッドコーチと話しをしながら徐々にチームに戻しています。
自分で自分の身体をコントロールできるか。リハビリでは、○○はできているけど、△△はできていないので。というオーダーをヘッドコーチは聞いてくれます。とはいえ、過保護に扱いすぎるとチームへ戻りきらないこともある。ゲームに戻しながら選手自身も肌で感じながら動作を行うことは必要と考えています。スピード、プレッシャー、相手の位置、ボールへの視線などなど、リハビリでは経験できないことがたくさんなので。
以前あった話。
横へのステップワークは、ずいぶんできるようになり、相手へのリアクションも安全にできるようになってきた選手。
スクワットジャンプでの空中姿勢で、元々ジャンプしても全身伸展することは少なかったのですが、めいっぱいバンザイすると着地での身体操作がおろそかになっていました。空中で伸びなければ、着地も安全なのですが。試合中はリバウンドを取ろうと、伸びきる場合があるかもしれません。
着地の違いは、動画を載せますね。参考までに。

そこで、ヘッドコーチに出したオーダーが、
「リバウンドなしでプレーさせていいですか?」
ボール運びから外からのシュート。もちろんリングしたでのステップワーク、コンタクトもやっていいというオーダーでした。快く受けてくれました。簡単にいうと、上はダメだけど、下では勝負しよう。
そうやってゲームに戻すこともあります。
まっ「リバウンド行けんのやったら、声出して周りをうごかさんか!」
激が飛んでましたが笑笑

では靭帯はどうなっているのか

いろいろ書いてきましたが、実際に関節の中の靭帯はどのような感じになっているのか。チャンスは抜釘といって、グラフトを止めるための金具をとるときしかありません。もちろん、関節内を覗くために手術するという手もありますが。では、3つのパターンをみてみますね。
こんな風に靭帯が見えます。

前内側線維束と後外側線維束で見ています。一番左は競技には復帰してなく、リハビリ室とこちらから提案した自主トレを行っていた選手。術前に筋肉の緊張が強く関節可動域が狭かったので、わりと早めに関節運動をすることで、筋肉の収縮‐弛緩を促したつもり。これってセラピストの主観ですが、普段かかわっている症例よりも筋肉の粘弾性を出すこと、円滑に関節運動が生じる動作を獲得することを心がけたつもりです。なので、骨孔の拡大は…少し横に置いといて…結果、よかったのですが。
真ん中の写真は、術後、進学もあり、地方の大学チームに合流し、そちらでリハビリからチーム合流まで行った選手。もうバスケもしています。後外側線維が痛んでますね。チームに合流すると想定外のストレスがかかるのでこのような靭帯となります。回旋が不安定にならないか少し心配ですが、しっかりこの靭帯を使ってもらいたいものです。
一番右は、術前から問題のあった症例。一回目、手術をしてもらったときに、骨孔の位置が悪かったらしく、膝が全く伸びなかったのです。信頼しているドクターにリペアしてもらったのですが、はじめに明けた骨孔がふさがらず、致し方なく工夫してもらった選手。リハビリ中も引っ掛かった感じなどの訴えもありましたが、思考錯誤の末、バスケに復帰し引退。その時の市写真。無理しました…徒手的には関節不安定性はなかったのですが、中をみてみてびっくりです。いろんな悪条件の中、競技に戻したのはよかったのですが、これはちょっと難しいですね。こんなことになっている靭帯も。根本に玉のように線維が…
改めて、中が見えないのに、これはいい、これは悪いと議論していること。どのように運動を再構築していけば再建靭帯にとってベストなのか。頭を悩ますところです。

断裂した靭帯ですかね。丸く束になってます。


まとめ

まとまらないまとめですが、前十字靭帯を再建した場合、
そのグラフト(再建靭帯)の細胞レベルの成熟、備え付けた骨孔に対する負担を考えないとですね。何より、靭帯の成熟と運動負荷をしっかり考慮しないと出来上がりが雑になるようです。靭帯のね。
中身が見えないから非常に難しい感じがします。でも理学療法士らしい視点で、安全を担保しながら選手の復帰を後押しできればと思っています。

長々と書きましたが、最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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