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いい年して全然前職とちがう仕事につくときの話

ずっと字を書いていた私は、もう一つの人生の柱を求め、別の仕事に就くことにしたんです
齢三十にして。

その10年近く前は、「新卒」というやつだったわけですが。
新卒は未経験なのは当たり前だし、フレッシュってだけでまずは価値。学生時代に頑張ったことを元に、ハキハキ喋ればどっか入れるんじゃないですか。そんなに甘くないですか。


でも三十なのに未経験、フレッシュでも何でもない。立場がぜんぜん違いますよね。

書をやってたから、
もっと「デザイナー」に寄せてみたらどうかなーと思ったんですよ。
それでデザイナー、を受けてみたんですが
総スベリ。
なんか近いとこあるかも、と思ったんですが、

「デザインの仕事が未経験のデザイナー志望の30歳」

って、面接に来たら私でも落としますわ。
アナタ、もっと冷静になろうよ。

ちょいデザインぽい仕事もしたのは確かでも
"10年きっちりデザイナーをしてきた人"と、
「近い」わけないでしょ。
特に中途なんて大量採用は滅多にないし、
1人しか採らないのも珍しくないから。

数社落ちたあたりから、
じわじわと歩み寄る絶望感。

冷静になればなるほど、
自分にはサラリーマンらしい実務経験がない。

皆んな酔っ払った飲み屋で面接、なら 

「君面白いね〜 ウチで働いてみるぅ?」
みたいな人もいるかもしれないが、

実際の面接はみんな正気だから(当たり前)

日々やってくる就職希望者を、
一応採用した理由、
人事として、周りに説明できないといけないから。

本当に「失笑」されるんですよ。
韓国ドラマじゃないですよ。
「リアル失笑」を何度も。

未経験の三十歳がマジでww というやつ。

こう何度もあると、
さすがに自信を持って面接に臨む、とか
出来なくなってくるわけです。

先方が興味を持って聞いてくれそうな気がしない。
いったん心は折れたは折れました。

でも、、
生活のためには、
何とか仕事をしないといけない。

でも、、
また次も同じ結果に終わるんではないか。

「何度失敗しても、失敗と認めなければ
失敗ではない」とか、
格言みたいなものは沢山あっても、
何の役にも立たない。
勇気も出ないし。
そんなの鈍感力がある人だけでしょ?

三人よれば文殊の知恵、
3人のうちの誰かに知恵がなければ、
よっても知恵なんか出ない。
ほんとバカにするな。平和か。
平時の思想。(カイジ風)

何もすぐ考えられないくらい落ち込んだら、
とりあえずそのまま悲しんで、
帰って、
酒でも飲んで寝て、
次の日になったほうがマシ。
喋るんじゃない。

そして少し忘れて
また、やっと少し動ける。

あーあ、一回「仕事」とか「会社」とか、
忘れるか。

子供時代だろうが学生時代だろうが、
使える、話せる経験はなんでも
リレキに書いて話して、
どっかに引っかかるしかない。

なんでもいいから
興味について語れることを用意しろ。
なんか熱が出るようなネタはないのか?

そして面接に臨んだら、

「お前、おもろいな」

という、
天王寺出身の髪のちょい茶色の
おじさんに拾われて、
今に至る。

彼は今、74歳。

ある海岸の近くに住み、
最近は砂浜を散歩する元気もないそうだ。

昨年肺癌を患ってからだ。

当時雲の上の恩人は、

未経験の私を雇ってくれました。





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