#87「サイエンスとテクノロジー」
昨日大学の恩師と数年ぶりに飲み会をしました。
大学時代は怖かった先生も、社会人となった今では本音トークができる数少ない大人です。
その中で、サイエンスとテクノロジーをはき違えている人が多いということをおっしゃっており、なるほどなあと思ったのでお話したいと思います。
テクノロジーは偉大です。
技術の世界ではテクノロジー、要するに確立された技術体系により、誰もが複雑な解析をおこなったり、これまで捉えることができなかった現象を観測出来たりしています。
しかし、テクノロジーで得られたデータは果たしてサイエンスなのでしょうか?
先生曰く、サイエンス的センスが無いのにテクノロジーを使っても、それはただデータを取ることにしかならない、ということでした。
テクノロジーはただのツールであって、そのツールを使って現実の現象に発生する何か問題だったり、疑問だったりを解決することがサイエンスであると。
テクノロジーは誰でも勉強したり投資したりすれば得られるが、それを使って何をするかというセンスが、サイエンスには必要だということです。
これは、本当に納得で、一見綺麗な設備で綺麗なデータがとれると、それがあたかも成果を上げたかのように見えるのですが、それを使って問題に対して有効な解決が得られないのであれば、それはただのデータ遊びでしかないということです。
問題に向き合うとき、解決するためにはこのテクノロジーを使って、こういうデータが得られたら問題解決の糸口になる、そういう考え方でスタートする必要があるのですが、このスタートの着目というのが本当に難しい。
なぜなら、解らないから問題なのであって、いくら勉強したりテクノロジーを理解しても、その最初の着想はセンスみたいなものが必要だと思います。
そして、そのセンスというのは取得する方法が決まっていなくて、問題に対して常に向き合って、あーでもないこーでもないと考え続けていて、あるときふっと思いつく、みたいな感じだと思います。
いつ身につくか解らないセンス。
これを追い求めるには、いつかは解決できるはず・・・という根拠の無い希望を無くさない心が必要だと思い、これを維持するにはあんまり思い詰めずに、コツコツやるしかないなあ・・・と思った、という話しでした。
本日もお聞きいただきありがとうございました。
ではではまた