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泣きたくなったら焼きそば弁当

雪雲を抜けるとそこは雪国だった。
川端康成の雪国初版から80年もたつとトンネルが雪雲になり、汽車が飛行機になる。
たべたくなったら1000㎞はなれた札幌の味噌ラーメンでも日帰りできる時代になった。

今日はラーメンを食べに行こう。
「ちょっと札幌までラーメンをたべにいってくる」というやつだ。
日頃スガキヤ(愛知県民のソウルフード)の肉入りラーメン(430円)を注文するのもためらってしまう私が「なぜちょっとラーメンを食べに札幌までいったのか」というと、会社勤めにつかれたから。そう、やけっぱち。

2日前に天気予報も見ずにチケットを確保した、
ラーメンを食べに行く! と意気込んでみたもののそんなにラーメンが好きなわけではない。ただ、「すみれ」の味噌ラーメンがうまかったからいくということにして、とにかくその場(会社やら家庭やら)から離れたかった。その日は真冬日だった。

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夕方3時に空港につき雪景色をみながら電車移動。
ススキノに到着。5時の開店に1番のり。
うーん初めて食べたときほどおいしくない。
そりゃそうだ、単に逃げる口実だったことを思い出す。

さて、札幌についてそうそう目的を失いました。
いったんホテルにチェックインし、飲みに行くことにします。
さすがに海鮮はおいしく、店員さんの元気もいい。
気分も上がってきました。
さて締め、ですがラーメンはもう食べてしまいました。
茶漬け、という手もあったのですが、600円したのでやめました。
なにしろここまで、5万は使っています。
久々にかかってきたカード会社から「行き違いの節は失礼いたします……先月の料金が……」の電話で急にわれにかえりました。
コンビニにいっておにぎりでも買おうと思い、よった先で北海道限定の「焼きそば弁当」を発見。
おーこれが「北海道限定」焼きそば弁当か。最近カップ焼きそばにはまっておりネットで知っていただけの本物の登場にテンションが上ります。本日の締めは焼きそば弁当に決定しました。

ホテルに帰って湯をわかし、おしゃれなケトルにおしゃれな洗面
で湯切りをし、いただきます。

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「すっきり辛口」でうまい。
水っぽさもなく、ねっとり感もない。無駄なものが徹底的に省かれ、最大限のうまみあえて抑え、みんながうまいと感じる味がする。
現実ばなれしたシュチエーションも味を彩りテンションをUPさせる。
ダイエットをしているのも忘れ、すする。
うん、うまい。量もちょうどよい。

さて、ネットで「焼きそば弁当」を買ったらどうでしょう?
この満足感は得られたでしょうか?
たぶんここまでの満足はしなかったと思います。

買ってよかった「焼きそば弁当」ですが。正確にいうと………
「会社ではたらき、疲れて。逃げるように航空チケットをとってラーメン食べて、思ったほど感動しなかったけど、海鮮食べて、げんきになり、コンビニで焼きそば弁当に出くわし、ダイエットをしていることもわすれ朝またイクラ山盛りの朝食を食べる。帰りにプレミアムラウンジでビールをのみこの記事を書く。はー幸せ♡」
となり、一連の行動自体が「焼きそば弁当」のスパイスとなり「あーうまかった」「かってよかった」となったのでは? と思うのだ。

ぜひ、皆様にも疲れたときは北海道にいって「焼きそば弁当」を食べて欲しい。
川端康成の時代には想像もできなかった味にであえるだろう。

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<おわり>


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