見出し画像

【詩】理想郷

僕は 僕の心の中に 理想郷があると
あらゆる人の心に それを作りたいと
願っていた……


理想郷では 誰もが平等だ。

見た目も 地位も 財産も 頭の出来も 何もかも
優劣など 存在しない世界……。

誰もが 笑い合い
互いを 認め合い
汚く 厳しく 痛い 言葉などなく。

互いを 温かな言葉で 褒め合い
長所を 短所を 伸ばして 成長していく。
そんな世界……。


それなのに……
現実はどうだ?

世界には 戦争 差別 いじめ……
ささいな言葉 ひとつにいたるまで……

あらゆるところに 不幸が落ちている。

人の心が 落ちている不幸を見つけて
泣いている……。

自分が招いた不幸だ。
そう言って泣いている人がいる。

他人のせいで傷ついた。
そう言って泣いている人がいる。

その心は きっと純粋で 輝いているはずなのに……

どうして 今 暗い部屋の隅で 膝をかかえて
ひとりぼっちで 泣いている?

今の 僕のように……。


僕は 僕の心の中に 理想郷があると
あらゆる人の心に それを作りたいと
願っていた。

そのために 今日も僕は キーボードに手を置く。


たとえ この世界そのものに
理想郷などなくても……

僕の心にはあると

今も輝き続けていると 信じ続けていたくて……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?