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深海の赤いヤツ

前回に引き続き、毎年夏の恒例行事の兵庫県香美町にある佐津海岸での生物採集の時の話ですが、魚は別のところで買いました。この魚は、調査の2日目に購入したのですが、この日は偶然にも鉤頭虫(どんな生物なのかは以下の動画で確認してください)の研究者と一緒に、新温泉町で魚屋さんを巡りました。しかし、海の状態が原因なのか、船を出していないということで、ほとんど魚がならんでおらず、挨拶だけして帰るという結果になりました。

魚がない時に魚を入手する方法として、観光客向けの水産業者に行くという裏技があります(船がでていなくても、冷蔵 or 冷凍された魚が並んでいるので)。裏技発動ということで、香美町の東隣の城崎に向かいました。兵庫県の日本海側は松葉ガニが名物であるため、円山川沿いには多くの鮮魚店が並んでいます。本来なら、カニを売るためのお店なのですが、夏の間はアジやヒラマサ、イサキなどが並びます。今回も、そういう魚の中に、1種赤く目立つ魚がいました。

動画では、赤い魚としてマダイやカナガシラを紹介したことがありますが、どちらも深いところに生息する魚です。”深海”には明確な定義はないようですが、一般的に水深200m以深の海域らしいので、このチカメキントキは深海の魚となります。ちなみに、海の深いところでは波長の長い赤色が見えなくなるため、深いところに生息する魚に赤色のものが多くなっています

お恥ずかしながら、チカメキントキのことをほとんど知らなかったため、はじめはキンメダイの仲間と勘違いしていました。目が口に近いことや、胸鰭が広いことなどが、キンメダイとの違いになります(本来は別のところで見分けるのですが)。しかも、動画を作る時に、有名(界隈で)な寄生虫がいることを知りました。ここ数年で、魚と寄生虫の知識が増えてきたと思っていたのですが、まだ修行不足だったようです。どのような寄生虫が有名なのか?で、今回発見できたのか?については、動画で確認して頂けると嬉しいです。

最後に、”キントキ”ってなんか人の名前みたいだと思いませんか?あのマサカリを担ぐ感じで。実際、関係もありました。この魚が鬼退治に関係していたわけではないのですが、日本語はなかなか奥が深いです。
寄生虫以外にも魚のことも色々と紹介できればいいなぁと思っています。嬉しいことに、ここ数日チャンネル登録をしてくれている方が増えています。興味を持っていただけたら、是非ともチャンネル登録をして頂けると幸いです


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