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参加リポート「問いを立てる力の磨き方」村上臣さん×浜田敬子さん対談 Report by Mai Todagishi

LinkedIn News編集部LIVE!として8月28日に開催された、リンクトイン日本代表の村上臣さんと、BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長の浜田敬子さんの対談。その自主リポートとなります。
TOP画像はLinkedIn編集部さんのページからお借りしました。

先が見通せない時代、多くの人々にとって不可欠な課題発見力をいかにして磨けばいいか。
ダイバーシティから働き方改革まで、現在も魅力的な企画を生み出せる浜田さんの魅力に触れながら、編集経験を通して培ってきた「問いを立てる力」の深さとポイントについて、以下でコンパクトにまとめてみます。

●働き方を模索する多くの人が感じる本音!?

今回のゲストである浜田さんが、現在の働き方を自己紹介された時の言葉が、とても印象的でした。

書籍から刺激を受け、人生100年時代に向けて転職
・今20代~30代のミレニアル世代の選ぶ生き方を50代の自分もやってみた
綺麗な言葉で語られているけど・・・との想いから自分でもやってみた
・自分の苦手なことではなく、得意なことで貢献したい

特に、BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長を業務委託で務めておられる、という現在に繋がる折々の想いは、実は誰もが感じる本音かもしれません。
だからこそ浜田さんが語られた、
実はとても数字が苦手であるというエピソードや、
自分が人脈や知見を深めていくことこそが会社に貢献できることだと考えた、
という視点からの働き方の体現は、これからの働き方を模索する多くの方が、気付きや勇気を得られる部分かと感じます。


●なぜ今「問いを立てる力」が大切、と言われるのか

ビジネス界隈では「壁打ちする」という思考アプローチがよく用いられ、私も日常のやり取りを通して「よい壁打ちになった」と言われることが増えました。

対談の中でも、いま多くの人が
「打ち返す(問いを鍛える力)=良い質問をする力」に、関心があることが触れられました。
そのテーマに対しては、浜田さんの
「相手の話を聞く力」が重要であるという答えが、多くの人がハッとした点だったはずです。

自ら行うアクションは、どうしても「動く・話す」を考えがち。
そのために、何を・どのように準備するか、も事前には必要なアクション。

でも本当に大切なのは、以下の姿勢を忘れないことだと注目されました。

・いま自分がコミュニケーションしている相手を見ること・聞くこと
・相手は何を言いたいのか把握する
・その内容に合わせて、自分で質問を組み立てなおす
・自分の意見をmerge(統合)する
・この経験を重ね続ける意識

特に最後の「継続意識」という点は、どんなアクションにおいても、最も難しいことの1つですね。

更に質の高い問いが求められるシーンでもある「パネルディスカッション」については、以下のポイントが成功へのカギとされました。

・自分の視点があるか
・その視点を共有する意味があるか
・意見を混ぜることで新たな変化・気付きが生まれるか

これらはビジネスというシーンに限らず、日常生活の中でのコミュニケーションで理想的なコミュニケーション観点ですね。
自分がどのような意識をもって、日々の経験を積み重ねるか。
明日からでも継続していくべきものだと感じます。

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●企画を考える=社会に対して「仮説を立てる」作業

このLIVEトークを通じて、編集について浜田さん自身の経験からの振り返りを聞くと、「自分の見直し・発見」にも共通するアプローチだということに気付きます。
「企画は専門職の人がやること」とシャットアウトするのではなく、その範囲や在り方が変化している、という認識を持つことが重要だと感じました。浜田さんのトークからのポイントは以下です。

編集とは
一見バラバラに見える情報を組み合わせること
→ 社会での現象・事象がこの点で繋がっているのでは?と「仮説」を立てる
仮説を持つためのステップ例:
いろんなニュースを見たり書籍を読んだりする
→ 「なぜこうなったのだろう・自分は感じたのだろう」と疑問を持つ 
→ 気になった情報や事象を書き出す
→ その情報の中から共通項を見つけ出す

このステップを繰り返すと
人々の潜在意識下にある気持ちや、社会問題を解決するためのカギとなる、時代の半歩先の空気感などに気づくことがあるとのことです。だからこそ、「ニュースという鏡を活用すること」の重要性を浜田さんは若い世代に伝えているとのことです。

また、思考のアプローチとして、以下のポイントもオススメされました。

・情報のカテゴリーや優劣を分けしない
・情報を同じ場所にストックして眺めること
・紙やノート、スケッチブックに書くという手法
・思考のタイムライン化による思考の跡から気付きを得ること

これらのステップやポイントから、「自分の中にあるバイアスを認知」して、それを外すことの難しさを知ることも、新たな視点づくりに欠かせないですね。

●今の関心からの第一歩

最後に、村上さんからと浜田さんで「いま関心を持っている問いは?」という点が語られました。それは新たな「問い」が生まれていくシーンのように感じられ、参加者のコメント投稿を見てもLIVEの面白さが凝縮されていたと感じます。

【浜田さんの言葉】
・自身の反省点も踏まえてのジェンダー論は継続テーマ
・AIと人間性の両立をどう見るか、働き方・雇用の観点でも注目
・日本のデジタル化の遅れという近々の課題
【村上さんの言葉】
・デジタル化の遅れに対する日本の文化・働き方・マネジメントという観点
・多様性によるパワーバランスのフラット化の必要性
・的確な言語化の重要性

社会課題をテーマに交わされた浜田さんと村上さんの問いに対して、
思考の第一歩として
今日から目にするニュースを起点とした「自分の潜在意識の下にある気持ち」には、多くの人が「自分ごと」として興味を持てる点ではないでしょうか。

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