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2023WBC結果予想開幕直前版(プールD)

 ドミニカ共和国をはじめ、プエルトリコ、ベネズエラと競合が揃ったプールD。4つのグループの中で一番の組、いわゆる「死の組」と呼ばれているようだ。イスラエルとニカラグアもメジャーリーガーを呼び寄せ機運が高まっている。

八月に立てた予想

 ドミニカ共和国が一位通過、ベネズエラが二位通過と予想している。ロースターが出揃いこの予想を覆すサプライズがあるだろうか。

プールDの日程

日本時間1時がきつすぎる

プールDの国々

ニカラグア

 悲願の本戦出場を果たしたニカラグア。
 メンバー構成ではエラスモ・ラミレス(WSH)とジョナサン・ロアイシガ(NYY)の二名がメジャーリーガーだ。ニカラグア国内の選手が大多数を占めるが、野球がとても盛んな国でもある事から、決して侮れない。
 世界ランク17位という数字は世界レベルを指すし、ここからWBC終了後にどのくらいランクを上げられるかにも注目。
 危なげなく予選を勝ち抜いた実力を見せてほしい。

イスラエル

 前回旋風を巻き起こしたイスラエルは、より強力な布陣で帰ってくる。

 まずはジョク・ピーダーソン(SF)だろう。間違いなく打線の核となる。メジャー経験者となればアレックス・ディッカーソンにタイ・ケリーも外野手として選出。ピーダーソンが中心とはいえ、その脇を固める選手たちもこれまでより充実している。
 ギャレット・スタッブス(PHI)、スペンサー・ホーウィッツ(TOR)はこれまで国際大会に出ていなかったプロスペクト。幅広い世代を召集し、チームに厚みを持たせた。
 これまでライアン・ラバーンウェイが中心となってきたチームに、若い捕手とメジャーリーガーが加入。やはり今までとは違う。アメリカで行われるラウンドに参加することも、こういった召集にプラスの影響があっただろうがそれでも最善のロースターではないだろうか。

 イスラエルにとって前回大会と違う点では投手力のグレードアップが言える。ジョシュ・ゼイドが大車輪の活躍を見せた2017WBCでは、ゼイドに続く投手の名前が上がらなかった。
 今回はネームバリューだけでも、ダニエル・バード(COL)、リチャード・ブライアー(BOS)、ザック・ワイスデ(LAA)というようにメジャー契約の投手がロースター入りし迫力が増した。
 2017から連続で参戦するディーン・クレマー(BAL)はメジャーのローテーションに定着し一回り二回りと大きくなったか。
 2017で韓国や台湾といったアジアの雄を沈めたチーム力はそのままに、よりグレードアップされた形で今度は中南米の強豪と渡り合えるか、注目の大会となりそうだ。

ベネズエラ

 毎大会ベストメンバーを揃えながら頂点が見えてきていないベネズエラ。2023WBCでも出来る限りのロースターを用意しチャレンジする。
 一野球ファンとしてアクーニャJR(ATL)の参加にこぎ着けた、ブレーブス、ベネズエラチーム、そしてアクーニャ自身には感謝したい。

 ベネズエラ代表の中でWBC特集によく上げられるのはホセ・アルトゥーベ(HOU)。代表の中でもベテランの域に入りつつある彼を中心にこのチームは動いていく。
 野手ではサルバドール・ぺレス(KC)を筆頭とした捕手激戦区の中で選出されたキャッチャー三人。
 首位打者ルイス・アラエズ(MIA)、グレイバー・トーレス(NYY)、エウヘニオ・スアレス(SEA)、アンドレス・ヒメネス(CLE)、アンソニー・サンタンダー(BAL)と名前を挙げだすとキリがないくらい。
 「コロンビアならチャンスあるやろ」と思っていたルイス・レンヒーフォ(LAA)も後半戦の代表選ばれたい打法で代表入り。
 これまで代表に縁がなかったような選手が主体の構成だが、それだけメジャーリーガーが新たに出場する証でもあり嬉しい限り。二十代の選手が勢いを付けてくれればベネズエラの通過が現実味を増す。

 一方投手も充実。ルイス・ガルシア(HOU)がエース格。パブロ・ロペス(MIN)、レンジャー・スアレス(PHI)はWBC初参加となり若手の先発が左右共に揃った。二大会連続で代表のマーティン・ぺレス(TEX)が若手を引っ張る構図になるだろうか。
 中南米の国々において、先発を揃えるのは簡単な事ではない印象。キューバやキュラソー島からメジャーローテ級はホイホイ出てこないし、プエルトリコも先発投手は苦戦している。イニングを食える質の良い投手がいることはチームにとって朗報となるだろう。

プエルトリコ

 二大会連続で決勝に進出しているプエルトリコは、英雄モリーナが監督に立場を変え世界一を目指す。
 カルロス・コレア(MIN)の出場辞退は痛いが致し方ない。プエルトリコは熱い結束で結ばれているので、コレアの魂は代表と共にある(妄想)。
 お馴染みのフランシスコ・リンドーア(NYM)とハビア・バエズ(DET)が当然のロースター入り。WBCに彼らは欠かせない存在である。
 他にもキケ・ヘルナンデス(BOS)、ホセ・ミランダ(MIN)、エディ・ロザリオ(ATL)など予想通りのメンバー構成。
 少々成績を落としている選手もいるが、代表戦となれば別物。彼らの勝負強さは皆が知るところだ。

 課題の投手力は、マーカス・ストローマン(CHC)の補強で大きく改善された印象。ホセ・べリオス(TOR)と共にエースとして頑張ってもらい、エドウィン・ディアス(NYM)に繋ぐ継投を滑らかにしていきたい。

 個人的にはジョージ・スプリンガー(TOR)の召集も楽しみであったが叶わず。ただネフタリ・ソト(DeNA)のロースター入りは実現した。内野手の中で一塁手だけ手薄だったプエルトリコチームが、ソトに白羽の矢を立ててくれたのは嬉しい。プエルトリコ代表になる事を夢見ていたソトの、夢がかなう瞬間が見られると思うとワクワクする。

ドミニカ共和国

 フランバー・バルデス(HOU)、ルイス・カスティーヨ(SEA)、ルイス・セベリーノ(NYY)、フレディ・ぺラルタ(MIL)と先発陣の辞退が相次いだドミニカ。GMのネルソン・クルーズも嘆いていたが、一筋縄ではいかないメンバー選考だったことがうかがえる。
 内野手のホセ・ラミレス(CLE)もメンバーを外れた。ドミニカサード問題が予期せぬ形で収束した感じだ。
 メンバーが揃えば世界一の投手陣が組めただけに、スケールダウンした感は否めない。ただ、それでもスター軍団なのに変わりはない。

 アメリカ同様、出てくる選手が皆スターであり説明不要のメンバーだ。
 まずサイヤング賞サンディ・アルカンタラ(MIA)が参戦する。昨シーズンに228.2回投げた先発が参加するのは、珍しいというかアルカンタラのWBCへの思いを感じ、野球ファンとして嬉しい。マーリンズの本拠地で開催されることも大きいかもしれない。
 ラファエル・モンテロ(HOU)、ヘクター・ネリス(HOU)、ブライアン・アブレイユ(HOU)、カミロ・デュボール(SF)、ディエゴ・カスティーヨ(SEA)と中継ぎは充実。ドミニカ出身の中継ぎ投手は常に豊富で選考は大変だろう。その中でも選りすぐりの印象がある。

 マニー・マチャド(SD)、ゲレーロJR(TOR)、ラファエル・デバース(BOS)、ワンダー・フランコ(TB)と素晴らしい内野手が揃う中、注目したいのは外野陣である。
 テオスカー・ヘルナンデス(SEA)、フアン・ソト(SD)、フリオ・ロドリゲス(SEA)、エロイ・ヒメネス(CWS)の四人がロースター入り。
 アメリカのMVP外野陣に匹敵する外野陣が形成された。辞退者が出たとは言え、ドミニカの強さは揺るがない。

結果予想

 八月の予想では一位通過ドミニカ共和国、二位通過ベネズエラとした。

 ニカラグアとイスラエルのロースターは思ったよりも強力なものとなっているが、通過できる3勝4勝のラインに達する戦力とまでは言えないか。
 三つ巴の戦いを一人抜け出しそうなのはドミニカ共和国。
 3月11日のドミニカVSベネズエラ戦、3月12日のベネズエラVSプエルトリコ戦、3月15日のドミニカVSプエルトリコ戦の三試合がとても重要で楽しみ。
 グループリーグ初日のドミニカVSベネズエラはリーグの趨勢を左右する戦い。ここで獲った方が通過に近づくだろう。ベネズエラはドミニカとプエルトリコを続けるため、勝てた時は乗っていけるだろうし、負けた時は立て直しが大切となる。

 投手力を考慮に入れた際、それぞれライバル2チームにAS級の先発をぶつけられるので差はつきにくい。ただ球数制限がある事も考慮すると中継ぎに不安がある(世界トップレベルで不安)、プエルトリコが一歩後退するだろうか。

 一位通過ドミニカ共和国、二位通過ベネズエラとしたいと思う。


 3月12日にはベネズエラVSプエルトリコ戦があると書いた。3月12日は野球ファンにとって大変な日になる。

1時ニカラグアVSプエルトリコ・4時30分コロンビアVSメキシコ
8時ドミニカVSベネズエラ・11時イギリスVSアメリカ
12時チェコVS韓国・13時台湾VSキューバ
19時日本VSオーストラリア・20時オランダVSイタリア

寝る時間などない。

 上記が日本時間3月12日に行われる試合。日曜日なので気合でご覧になられては。

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