見出し画像

ゲームを振り返る野球シーズン2021➀ー投手編ー

 上記に掲載したように2019,2020の2シーズンをこれまで分析してきた。
 2021シーズンもプレーし終えたということで今回も振り返りを書いていこうと思うのだが、2シーズン見てきての今回なので変化が無い。変化がないのはプロ球団運営としては好ましくないのだが、やってる人間が同じなので致し方無いかもしれない。
 GMとしての立場でチームを見てきたというわけなのだが、チームも完成し黄金期を迎えている状態なので、粗探しをする感じになってしまう。
 2021は五か月で1シーズン回した感じ。当社比順調なペースである。

2021福浦ロッテ・投手シーズンデータ

先発投手

石川 歩(33)
22試合 2.30 15勝5敗 160.2回 140奪三振 1.16(WHIP)
大谷 智久(36)
26試合 2.31 14勝8敗 175.1回 162奪三振 1.16
鶴井 秀人(30)
10試合 7.18 1勝6敗 52.2回 36奪三振 2.11
藤浪 晋太郎(27)
24試合 2.55 13勝7敗 173回 140奪三振 1.30
江 少慶(27)
22試合 3.15 13勝5敗 154.1回 160奪三振 1.25
野元 政隆(28)
10試合 4.71 5勝3敗 63回 53奪三振 1.51
野村 祐輔(32)
11試合 4.48 5勝5敗 64.1回 51奪三振 1.60
大嶺 祐太(33)
3試合5.30 18.2回2勝1敗33.3%0.0%6k1.88
田口 麗斗(26)
1試合 14.40 0勝1敗 5回 3奪三振 2.80
戸谷 茂幸(25)
7試合 8.07 2勝2敗 29回 2勝2敗 30奪三振 2.03
岩佐 幸博(20)
3試合 4.60 1勝1敗 15.2回 10奪三振 1.34
板垣 憲人(20)
1試合 7.94 0勝1敗 5.2回 2奪三振 1.76
大瀬良 大地(30)/7月18日に広島から移籍
12試合 6.35 2勝6敗 68回 57奪三振 1.63(TOT)

リリーフ

今野 龍太(26)
39試合 2.72 2勝1敗4HP1S 36.1回 27奪三振 1.29
内 竜也(36)
24試合 0.89 0勝1敗6HP0S 20.1回 22奪三振 1.13
公文 克彦(29)
48試合 2.06 1勝0敗16HP0S 39.1回 26奪三振 1.19
中後 悠平(32)
33試合 3.62 1勝0敗10HP0S 27.1回 18奪三振 1.24
石川 直也(25)
19試合 3.80 0勝0敗1HP1S 21.1回 26奪三振 1.36
益田 直也(32)
43試合 2.59 2勝2敗21HP9S 41.2回 35奪三振 1.18
西野 勇士(30)
51試合 1.48 4勝6敗34HP1S 48.2回 66奪三振 0.97
田中 英祐(29)
23試合 3.38 0勝1敗1HP0S 32回 24奪三振 1.47
田中 健二朗(32)
6試合 5.14 0勝0敗1HP0S 7回 7奪三振 1.14
南 昌輝(32)
3試合 13.50 0勝0敗2.2回 4奪三振 2.25
藤岡 貴裕(32)
3試合 6.75 0勝0敗 4回 4奪三振 1.00
竹島 亮平(25)
10試合 8.53 0勝1敗 12.2回 4奪三振 2.53
内山 憲人(19)
2試合 33.75 0勝0敗 1.1回 2奪三振 3.00
中崎 翔太(29)/7月18日に広島から移籍
45試合 4.95 3勝2敗15HP0S 72.2回 72奪三振 1.46(TOT)

オスーナ(26)/7月18日に広島へ移籍
33試合 3.41 1勝0敗2HP23S 31.2回 36奪三振 1.29(ロッテ時代)

一軍未出場

星野大地(28)、土田瑞起(31)、二木康太(26)、山中浩史(36)
山本哲哉(36)、藤澤敏浩(19)、沢成樹(31)

先発投手編

先発ローテーションについて

 2021シーズン先発投手として起用した投手の人数は13人。石川直也を一試合オープナー起用したが、長いイニングを期待して送り出した人数は13名だ。この人数は多くはないが少なくもない。プロ野球における起用人数を見ても15人いかないくらいが殆どである。
 その中でローテーションを一年間回った投手は何人いたか。今年は四人だった。
 石川歩、藤浪晋太郎、大谷智久、江少慶の四人が規定投球回に到達。一時期一軍登録を降りた選手もいるが、規定投球回達成者はローテーションを回ったと表現して差し支えないだろう。
 石川歩と藤浪は去年に引き続き規定投球回クリア。大谷も昨年111イニングなので悪くない結果。台湾から移籍した(設定)江少慶も期待通りの活躍を見せた。

 ローテーションの中で4/6を固定できたのはチームが安定して勝てた何よりの理由。残りの2枠を争う選手たちにとってはチャンスの少ないシーズンとはなったものの、表ローテと裏ローテの質が同程度に維持できていたのは大変大きかっただろう。

一年契約で加入。

 江少慶は球速、球威共にチームトップレベルでローテーションの柱に。オールスター近辺、炎上した試合を皮切りにリフレッシュ休暇を設けたため投球回は154イニングにとどまったが、後半戦はフル稼働した。

 チームのエースは石川歩。コントロール重視の配球で今年も結果を出せた。シンカーに頼らずとも打ち取れた印象がある。毎年頭の下がる活躍だ。

開幕投手は誰だった?

 さて、開幕投手なのだが実は石川歩でも藤浪晋太郎でもなかった。
 プロ五年目の鶴井秀人が開幕投手であった。

相手は田中将大だった
プロ入り以来最低の数字

 去年に続いての開幕投手起用となった鶴井。去年は後半戦に月間MVPを獲得する活躍でチームに貢献、イニングは100にも満たなかったが8勝をあげた。その勢いのままと言うことでもあるし、一年目から一軍マウンドに上がる鶴井に一皮むけて欲しい思惑もあった。
 結果は惨憺たる成績。実をいうと去年も前半戦は苦しんだが今年はそれ以上に不調。新たに習得したチェンジアップの精度も上げて臨んだシーズンだったが、苦しい登板が続いた。防御率7.18は最終戦の登板が尾を引いているきらいもあるが、得意のカーブが見切られる展開が増え、カウントを取りに行く球が狙われた。スペック的に圧倒的な物は無いだけに、複数の球種によるコンビネーションが大切となるが、緩急に欠けていた印象だ。

若手の起用法

 去年の振り返りでも記したが、開幕メンバーから選手の入れ替わりがある時に、若手を補充するケースは考えられるところ。軸が四本しっかりしているがゆえに大胆な投手起用も実際は出来たはずだった。
 ただ、今年は私の反省としてこの当たりが不十分だった事があげられる。

田口:10試合→1試合
岩佐:2試合→3試合
板垣:2試合→1試合

昨年と比べ

 上記の通り、前年度一軍の足掛かりを作った若手達に2021シーズンは機会を与えることが出来ず。特に左の先発が皆無の中、田口の登板が1試合に留まったのはチームの未来にも影響してしまうだろう。

ストレートの質が改善し、流石に一軍で使わないと

 そんな中、若手で一番登板機会を得たのが昨年のドラフトで二位指名を受けた、戸谷茂幸である。

イニングを超える30奪三振を奪った

 球威ある2シームと落差の大きいチェンジアップを織り交ぜた投球スタイルで社会人として活躍していた戸谷。プロ入り後も奪三振能力は変わらずだった。変化球の精度はまだ途上だが、直球を主体とした強気のピッチングでもある程度戦えることを確認できたのではないだろうか。

中堅どころが割を食うin2021

 2020シーズンでも注目した中堅どころ。その時は野村祐輔に注目した。今年も野村の登板試合数は伸びる事なく11試合。出番もシーズン中盤頃から。戦力として認知され、起用もされるが11試合。立場としては難しいものだ。
 田中英祐、藤岡貴裕の本格的な中継ぎ転換が行われ先発投手として一軍枠を争う投手は減ってはいるが、無理に我慢して起用される立場ではないのだろう。
 では143回ある先発の機会をどう埋めていたのかと言えば、野村から見て4歳年下の野元政隆が今年は先発の機会を多く受けており、一定の投球を見せた。

四年間で135試合に登板。戦力だ

 2017年のドラフト一位も既に四年目。Max154㌔の速球を活かすべく中継ぎとして最初の二年間稼働したが、四年目の今季は先発に転向した。
 中継ぎの層も厚いチームなだけに、こういった先発転向のケースもある。
 昨年15勝あげた大嶺祐太が3試合の登板に終わるわけで、ちょっと極端ではないかと反省する点はあるものの、プラスな言い方をすれば競争の激しいチームという事になるか。

能力値は変わらないが機会に恵まれず

QS率

昨年を上回る水準

 QS率は主軸四名全員が70%超え。とてつもない成績だ。優秀なブルペン陣を擁しながらHQS率が50%を上回っている点も相当だろうか。
 完投数も石川5回、藤浪4回、大谷と江が3回で現代野球としてはかなり優秀な成績を収めている。

中継ぎ投手編

勝ちパターン

 最優秀中継ぎに輝いた西野、長らくチームを支える益田を筆頭にブルペンの陣容も去年と大差ない。昨年とやや変わるのは公文16HP、中後10HPと左殺しではなく1イニング任せるケースがあったことか。
 一方で内や今野は一年間起用したものの数字の点でホールド数は去年と変わらない。

変わり映えしないブルペン

 そんな中、今年はTDLで守護神を放出した。契約が切れる(妄想)ロベルト・オスーナを広島に放出し3選手を獲得。これにより九月から抑えは益田になった。(ヘイダーのトレードを真似しすぎている)

オスーナ(26)/7月18日に広島へ移籍
33試合 3.41 1勝0敗2HP23S 31.2回 36奪三振 1.29(ロッテ時代)

防御率は少し悪いが

 事実これだけの投手が抜けた穴は大きいが、既存戦力で埋めて見せた。

ロッテでは17試合

 魅力的な球速や、中継ぎとしての経験値を買って勝ち試合を任せる予定だったが不安定な日も。多かったのは僅差のビハインドでの起用だった。

 シーズン途中にチーム事情によって仕事場が変わったが、安定した成績。来年は開幕から抑えで起用される事が予想され、非常に助かる戦力。

 類まれな奪三振能力を武器に自身二度目の最優秀中継ぎに。
 6敗を喫したのは大きいようで、ベンチの信頼は揺るがなかった。中継ぎと言う仕事の特性上、負けが目立つわけだが積み重ねた30ホールドは充実の証。チームが首位を快走していた事もあろうが、6敗しても起用されるのは少し珍しい例なのかもしれない。(2014平野佳寿とか負けすぎやろ)

登板数の増減

 さて中堅が割を食う話は散々しているし、二年目のジンクスと言う言葉も野球界には根強い。そこで今年のリリーバー去年と比べどうだったか。

今野41→39
内35→24
公文2→48
中後53→33
石川直26→19
田中健32→6
南3→3
藤岡3→3
竹島1→10
田中英23→23

右が今季試合数

 試合数を伸ばした選手が少ない印象だ。それも構図としては田中健の座を公文が奪っただけ。
 やはり昨年同様南や藤岡の登板数は増えてこなかった。(誰がイニングを埋めたんだ・・・)
 先発が軒並み長いイニングを投げたのだと理解をしているが、中継ぎの登板試合数が不自然な減り方をしているように見えてしまう。

 屋台骨として支えた左の剛腕リリーバー。ようやっとポジションを掴み来年は真価を問われる。チームとしては中後も当然併用しながらになるが、今年何度も救われたことを忘れることは無い。

 昨年WHIPなどの指標も含めキャリアハイを叩き出した石川直也。今年は少し足踏み。直球の球威は昨年よりも良くなったが、その成長が数字に直結しないのも野球である。私の配球に問題があったような気がしないでもないが、チームとしては直球で勝負できるスタイルは求め続ける。

ブルペンの左右比率

 現代野球では変則投手の需要は減る一方である(海の向こうでは1ポイントすら禁止である)。ただ、このチームのように左の先発投手が枯れているチームではその限りではなさそうだ。
 昨シーズンに続いて中後は安定した投球。33試合で27.1イニングとイニングを投げ切らない投球もあった。チームはこれでうまく回ったし、中後悠平という投手はそんなシーンで抑えることが生命線とも言えよう。

中継ぎ適正もmaxに。1イニング任せられる投手へ
必ず起用するタイミングは来る
ローテを回っていた投手。今オフは起用法を考える方針。

 左右左と並ぶ打線に対しては二人目の右打者を抑えないといけないし、もはやこれでは聞き手がどっちかという問題なだけ。
 細かい野球といえども、我々は後悔の無い采配を試みる際にマシンガン投球を打ち出してしまう。是非はデータを取っていないのでわからないが、投手に負担がかかるのは明白。
 サンプルは少ないが紹介した3選手とも試合数以上のイニングを期待されている。左投手が争うのは同じ左投手というわけでもないのだろう。

リリーフの若手だと・・

 今期終盤、起用した投手をあげると内山憲人がいる。

 防御率は散々だがプロ初登板はビハインドの展開ながら1イニングを無失点で抑えた。若手の炎上をどう考えるかは難しく、実際プロ野球を見ていて物議をかもすこともあった。まあ、あるにはある程度の失点なので私は気にしていないが本人は気にしているかもしれない。
 見てわかるように150km投げる左腕であり、凄く期待をしてしまう選手。将来の抑え候補としている。

投手編総括

 新戦力も加えつつ結果を出した投手陣。石橋を叩いて渡った結果、優勝そして日本一という結果を得られたが、余剰戦力が増えたとも言えよう。

もう少し登板数を増やせたら

 来シーズンはこういった選手を上手く運用しながらも今後の戦力を育成していく必要がある。
 若手を起用できなかった反省を活かしていきたい。まだ力のあるベテランや中堅とのバランスは永遠の課題である。意図的に登板数を用意する采配も試みていきたい。
 現実世界の阪神タイガースはほぼ先発を7人で回しているが、そういった固定野球が良い場合も当然あるという事は言えよう。時と場合である。

MLB藤浪のような配球
圧倒的な球威で圧す、支配的な投手
中後悠平のガッツポーズ
来季も同じような安定感をお願いしたい

 最近話題の死球数↓

四球出さんのに当てすぎやろ






この記事が参加している募集

野球が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?