渡辺久信GMのトランザクション

興味本位で西武ライオンズを追うようになってしまった。
シーズン序盤から大敗し、交流戦にかけても負けまくったので野球ファン全体にその惨状が知れ渡ってしまった。
ライオンズはダントツ最下位だが今季の主人公のようになっている。

松井稼頭央監督が解任されてから、トレードを二件成立させた。動きの少ないNPBにおいてこんな感じで動けば、やはり注目される。
思えば山川穂高の一件から、野球ファンが注目するチームとなっていたかもしれない。
まあ、西武を本当に応援している人からすれば迷惑だが、私は野次馬根性で試合結果を見るようになってしまった。
なので、松井稼頭央監督が辞める際にnoteまで書いてしまった。

さて、今年は立浪和義さんの暴走が無さそうなので、トランザクションが活発なチームは埼玉西武ライオンズということになります。
トランザクションについて議論できるNPBチームは貴重、ということで渡辺久信GM兼監督代行によるトランザクションを見ていこうと思います。


主なトランザクション

上記の表から主な動きを抽出し、一つずつ私見を述べていきます。
阪神ファンが西武ライオンズのトランザクションに口出しをする自己満足noteですね。
何故5月末からのトランザクションを調べたかと言えば、監督が交代したタイミングだからです。
5月27日付で渡辺久信GMが監督代行に就任し、編成から現場まで全権を任される立場になったということで、トランザクションについても言い訳が効かなくなったと私は認識しています。

★マークは補強の動き、☆マークは再建の動きと評価。
特に大きな動きに対しては◎マークを記載。

☆菅井信也支配下登録及び昇格(6月2日.6日)

2021年育成ドラフト3位で入団した左腕がコールアップ。2023年は二軍で先発調整し一定の成績を残していたため、計画に沿った昇格という印象。
登板日は決まっている」と支配下登録の会見時にGMが述べた通り、高卒三年目ながら順調に来た。
羽田、黒田と共に投手プロスペクト三本柱の一角として今季を迎え、6日に神宮球場で初先発。敗戦投手になるも上々の滑り出しを切った。
地獄の神宮遠征で本当によく頑張ったと思う
その後リリーフでの起用が続いているが、本来は先発として育てたい素材なので一時的なものだろう。ショートイニングでボールの強さを高め、来季以降のローテ入りの糧にしたい。

★栗山巧他4選手のコールアップ(6月4日)

ヤン、上田、栗山、長谷川の4選手をコールアップ。前日は金子以下4選手の抹消があってその代替といったところ。
外国人のヤン、新人の上田は新戦力としての期待。
栗山、長谷川の両外野手については昨年に続いて戦力としての期待がかかっていた。
この中ではジェフリー・ヤンと栗山巧が現状戦力として機能している。
栗山に未だ頼らなければならない事がチームの実情を物語っている。

★奥村光一コールアップ(6月9日)

6月不調に陥っていた蛭間拓哉に代わって、ルーキー奥村光一を支配下登録即コールアップ。二軍で目を見張るスタッツは無いが、野球へのアグレッシブな姿勢をGMは評価していた。
即日阪神戦で一番起用されるもノーヒット。その後も9試合に出場し25打席に立つが打率.160に終わり間もなく二軍落ちした。
24歳の奥村の昇格は通常のチームであれば再建ムーブに当たるはず。ただ追い詰められていた西武ライオンズにあって、戦力化を求められたのは少々酷だったと思う。

☆青山美夏人コールアップ(6月14日)

昨年39試合に登板しプロ初セーブも記録した二年目右腕のコールアップ。
予想に反して振るわない先発陣の穴を埋めるべく5月10日以来二度目の先発マウンドへ。7月10日の日本ハム戦を含め今期は3試合に先発。
満足のいく数字は出ていないが、先発起用を続けている球団の姿勢は評価できる。

☆◎羽田慎之介コールアップ(6月15日)

球団内No.1プロスペクトの羽田慎之介がコールアップされた。
実際は二度目の昇格で、5月14日にエスコンで初登板は済ませている。
菊池雄星がなんか言ってた日のアレである。

兎に角、若さ、体格、スペック全てにおいてエースポテンシャルのある羽田が登板の機会を得ているのは素晴らしい。
菅井と同じく一軍ではリリーフ起用が多く、現在は二軍調整中だが大事にしてほしい。細かい結果に左右されなさそうな天然な性格は、活躍するためにポジティブな要素でもある。
ただ何を喋ったかなんてどうでもよくて、良いボールを投げ続ければいいし、そういった外部の下世話な持ち上げ方に惑わされない球団であって欲しい。(本人は気にしなさそうだし)

★◎松原聖弥獲得及び昇格(6月24日.26日)

若林楽人との交換トレードで読売ジャイアンツから松原聖弥を獲得。
松原が29歳、若林が26歳ということで、プロスペクトの確保ではなく即戦力としての獲得
若林もプロスペクトから外れ伸び悩みの感があったので、環境を変えるタイプのトレードだった。ファームの成績を見ても若林の方が打てそうに思えたため、懐疑的な声も多かった。
7月の松原は一日一善な感じだが、通算で見るとやはり期待通りとは言えず「本当に欲しかったのか?」と思ってしまう。
4年前の松原聖弥を求めているのであれば、正常な判断が出来ているとは言えず足元を見られたトレードと称されて致し方ない。
ファームで.238である。松原には周りの評価を覆す活躍が求められる。

☆山村崇嘉コールアップ(6月25日)

高卒四年目の野手プロスペクトがコールアップ。
開幕から一軍で出ていたが、二軍調整を経て再昇格した。再昇格後は三割前後のアベレージを記録し、自分のバッティングは維持できている感じ。
この年代(2002年生まれ)では貴重な野手プロスペクトであり、再建期の今しっかりと一軍で経験を積ませていきたい。

☆◎野村大樹獲得及び昇格(7月5日.7日)

齊藤大将との交換トレードで野村大樹を獲得。育成選手もトレード対象となることが知れた例であり、史上初めての事。
公式にはホークス側が中継ぎ左腕のデプス強化に動いたことになっているが、巷で言われている例のトレードだと私は思う
ドラフト1位入団とはいえトミージョン手術を経験し29歳を迎える選手に対して、23歳の有望株では釣り合うわけがない。

野村大樹は早稲田実業からドラフト三位入団したプロスペクトで主に一塁と三塁を主戦場とする。一軍で目立った成績は残していないが、小柄ながら飛ばせる能力があり期待値は決して低くなかった選手。
2024年も二軍で多く起用され、56試合.278、2本塁打、OPS.807と結果を出していた。外野で25試合に起用されるなど起用の幅も広げており、トレードバリューとしては高い選手だったと思われる。

西武ライオンズでは獲得から即起用されている。ベースを踏み損ねたりと野球エリートらしからぬエピソードもありつつ、初安打は無事記録。
これから松原と共にトレード組として暫くは起用されるはずなので、レギュラーを掴んで欲しいところ。
ソフトバンクホークスの強大な戦力の中で、埋もれなかっただけ素晴らしいトレードとなったと思う。

このトレードに関して、野球系YoutuberでありLiveパフォーマーでもある里崎智也氏が「西武の編成の意図が分からない」とYoutubeで発言している。
発言の意図としては、内野の両コーナーは来年以降外国人をガチャるわけだし、渡部、山村、滝澤、児玉の名前を上げ、余剰戦力になってしまうからだという。
外国人を補強するのは確かにその通りで、一塁のポジションを極力空けておきたいと考えるNPB球団があるのは確か。
ただ渡部や山村に野村大樹を加えても、誰が開花するかは実際はわからないものだ。プロスペクトはどこまで行ってもプロスペクトなだけである。
プロスペクトは予測であって可能性の問題。未来の保証はない
シーリング評価では滝澤や児玉を凌ぐ野村大樹を、23歳という若さでロースターに加えられた意味は大きい。
私は野村大樹が余剰戦力になる心配はないと考えている。

トレードと支配下契約は七月末まで。NPBはMLBのようなTDLは無いが西武ライオンズが残り半月でまた動くことがあるだろうか。注視していきたい。


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