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ドンキホーテ値下げの記事から考える〜視点の転換〜

今回はこちらの記事から考察したこと、物事をどの視点から見るかによって見え方が変わることを書いておこうと思います。

#日経COMEMO #NIKKEI


値下げはいいこと?

この1.2年、物価上昇で食品から原油からあらゆるものの値段が上がり、家計を圧迫しています。〜📺

テレビではそんなニュースが値上がりがある度に流れています。
そんな中、一昨日見かけたこのドンキホーテのニュース。

お客さんや従業員が商品に評価をつけ、その評価にそった値付けを行って、最大3割引での販売をする、という記事です。
普段、ドンキホーテを利用している人からすれば「いつも買ってる洗剤やオムツや食品が安く買えるなんて、超ラッキー!家計への影響も減らせるしいいことしかないじゃん!」となると思います。
私もそうでした。価格が安い方がいい、安くて悪い事があるのだろうか。
しかし、木下さんやちきりんさんの著作やVoicyを聞いていくなかでその考え方がいかに危険なことなのか、ということに気づいたのでした。

値段を下げた分、削られているところはどこか

そもそも値段を下げることで得するのは誰でしょう?
それは普段買い物をする私たち。
買う人=消費者です。
仕入れる、手に入れる物の値段が安ければ安いほど、手持ちのお金に余剰ができ、そのお金を他のものに使うことができます。

では、お店側の目線で考えた時はどうでしょう?
商品を仕入れた正規の値段より3割引で販売すると、お店としては赤字ですよね。
仕入れ価格と販売価格が同じではないと思いますので、差額分がお店の利益になるわけですが、販売価格を下げたら、差額の売上金は減ります。
お店を経営するためには照明や空調などの維持費、店員さんの人件費など色々お金がかかりますから、売上からその経費をし払った後に残る純利益がどれくらい増えるのだろうか、と経営素人の私でも考えてしまいます。

ではどこを削って値段を下げているのか。
考えられるのは、
①食品など賞味期限が短いもの
②衣類の裁縫が甘いなど、品質を落とす
③大量仕入れで一つあたりのコストを下げる

①はスーパーでもよく見かける、20%オフ、と同じですよね。それまで期限が近いという理由で破棄されていたものを、値段を安くしてできるだけ食べてもらおうというフードロス。③も大手の企業ならすでにしていそう。②はインドネシアやベトナムなどの日本より賃金の安い場所で製造して輸入、販売する。人件費が安い分、日本で作るより安い値段で売ることができる。

他には↓のように安く売るための工夫もしているそうです。

ものの値段が安くなった場合、これまでと同じ売上を出そうと思うと、同じ数売っていてはマイナスになるので、これまで以上の数を売る必要があります。
そんなに売り上げを伸ばし続ける事ができるのだろうか、とふと疑問に思います。
日用品だって、洗剤やティッシュも毎日使うものだけど、1週間で使い切ることはほぼないし、割安になったからといって、買いに行く頻度が倍に増える、なんてことにはなりません。
安くなった分、利用客が増える(数が増える)ことでしか売り上げを増やす方法はないのですが、日本の人口が段々減少中の今、利用者が増える見込みはあるのでしょうか。
売上が伸びない場合、経費(出て行くお金)を削ることも考えます。照明の数を減らす、お店を縮小する、のようはハード面から、人員を減らす、お給料を下げて働いてくれる人を探す、ようなことを考える必要があります。

視点を変えるということ

私は専門家でもなんでもないので、ドンキホーテの行く末を案じてもどうしようもならんのですが、この「消費者目線」と「お店側(経営者)目線」で考えることが大切だ、と先の2人の話を聞いて私が学んだこと。特に経営者目線。

物の値段を下げることは一見良いことのように見えますが、その分、仕入れ値を下げたり人員を減らしたり、出て行くお金を減らさなければ経営は続けられません。
仕入れ値を下げる、もっと安いものを仕入れようと思うと、原価が安かったり、混ぜ物されてて安かったり、人件費が安い途上国で作られた製品を仕入れる、その途上国では人件費の安い子どもが働かされている、、なんてこともゼロとはいえません。
店員が減れば、棚の商品の補充が追いつかなかったり、レジの店員が確保できないので、常に並んでいたり、サービスの質も低下することが予想されます。人が少ない分、店員は長時間労働させられてるかもしれませんし、その分の給料ももしかしたらきちんと払われていないかもしれない。

自分はただお店の商品を買うだけだから、の消費者目線だけで留まればそこで終わりなのですが、自分が使ったお金がそのお店のどこに使われているのか、店員の給料や商品の製造者まで労働に対する対価をきちんと支払われているのか、を考える経営者目線を持てるかで、自分の消費行動がこのお店にどんな影響を与えるのかに気づく事ができる。

このニュース記事を見て、真っ先に思ったのが、「店員の給料はきちんと払われるのだろうか、、」ということ。
2年前の私なら絶対考えつきもしない視点です。この視点に気づくことができたら世の中のニュースも見え方が変わってきて面白いと思える今日この頃なので、時事ネタで一つ記事を書いてみました。

おわり。

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