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香港・前編 2018 09 #1

振り返りの初回は、香港。

自分を海外旅行好きにさせてくれた、そんな香港一人旅を3部構成で徒然なるままに書いてみました。

 

 大学に入り、ちょっとしたバイトにより少々稼ぐようになって数か月経った7月上旬。海外一人旅好きの旧友と連絡を取っている中、「なにか刺激が欲しいね」とメッセージを送ると、「どっか近場で海外に行ってみれば」という返事が返ってきた。彼は、高3の夏にタイで一人旅デビューし、その後も中国やマレーシアなどいくつかの国に行っており、旅行について、クレカについて、格安航空券についてなど様々な点で情報を与えてくれた。彼の次の目的地は北京であり、その流れで治安が比較的よく、親からの了承も得やすい、香港はどうかということになった。香港について調べるうちに面白そうだなと感じるようになり、9月上旬に4日間の予定で行くことに決めた。

 パスポート取得から始まり、航空券、安宿の手配など初めての手続きを行い身の回りを整えて、準備万端で羽田深夜1:00発のUO623に乗り込んだ。下調べ通りA321のきつきつ状態で揺れること4時間半。高度10000mの寒さはあったものの興奮と緊張でほとんど眠れないまま、香港臨海部の夜景が見えてきた。

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しばらくして、HKGに着陸。沖止めのためタラップで降機すると、深夜にしては異常なほどの蒸し暑さと、嗅いだことがないような匂いを感じた。異国に来たんだという感慨が増し、ハイな状態で入国。MTRのゲートはまだ閉まっていたため、arrival hallのベンチで宿の位置を確認しながら待機した。

5時半を回った頃、太陽が昇り始め、空港のゲートが開く。現地のICカード・八達通(Octopus)を買い、Kowloonを目指してガラガラの電車に乗った。30分ほどでKowloonに着き、地上に出た。薄明りの香港に鳴り響く、ベルの音。何の音かと見てみると、信号機が鳴っている。「そうか、ここは日本じゃない」と再認識して、宿のあるNathan Roadを目指す。地図の読み込みはできるだろうと高を括っていたが、いざ異国の地に立つと方向感覚がなく難しい。ELEMENTSの周辺をうろうろして、歩道の清掃をしていたおばさんに、「Nathan Road?」と香港島を指して訊いた。おばさんはNathan Road の正しい方向を指差して、返してくれた。お礼を言って、その方向に進む。陽射しが徐々に強くなり、香港島の姿がはっきりしてきた。ここでこれから数日過ごすんだなと思いつつ、先を急いだ。

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「そうだ、まだ何も食べてない」と気づき、Nathan Roadのスタバに行く。英語での注文をたどたどしくくもして、朝から賑やかなおばさま達の横で軽めの朝食を済ませ、宿に荷物を置きに行った。宿は安宿と高レート両替で有名な重慶大厦にあり、強面のインド人に囲まれながら、狭いエレベーターでフロントに向かう。フロントではこちらもちょい怖の初老インド人がいたが、話してみると優しい。荷物を置きに来たと説明し、香港の街に散歩に出かけた。(続く)



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