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Vtuber壱百満天原サロメは何故二週間で登録者数100万人に行くほどバズったか

・前書き

 この記事はVtuberである壱百満天原サロメさんがどのようにしてバズり、日本の全女性Youtuberの中で最速の14日で登録者数1,000,000人を達成したか、それをひたすら主観的に何かに書き記したくて書いたやつです。

 Vtuberとは何か、壱百満天原サロメとは誰か事前に知っているものとして記事を書きます。
 また意図的に省いた情報が多々あるが記事のテンポとか情報のノイズとかそういうやつで、つまりわざと。


 まず始めに、壱百満天原サロメ天才だ。
もしこの記事を読んで反応したのなら天才
読まなかったらその行動を自然に取れる天才
読んで反応しなかったらそれは天才の判断だ。

 つまりこの記事はそういうノリで書いてます。
 正しさを求めるな、全て偏見で全て妄想
 それでも読むのならこの記事の内容を決して本人に直接聞かないように、彼女の迷惑になるので。


 簡単に結論だけ述べます。

 認識としてVtuber業界というのが既にレッドオーシャンであり急激にバズることが厳しい現在。
 壱百満天原サロメがバズったのは、
 Vtuberの歴史とデビュー時の環境、本人の運と実力だ。

 どれか一つ欠けても急激なバズりはなかった。
 つまり真似して同様のバズりを狙うのは本人にも不可能だ。

 また個人勢と企業勢で伸びる方法は違う。
 同じ条件で無名の個人がやっても見向きもされなかったはず。
 大手Vtuber事務所から単身デビューする謎の新人だったからこその話。

 何故伸びたか順番に書こう。


・Vtuberの歴史がバズらせた

 Vtuberがどのように産まれたか、どこから始まったかは他を見てもらうとして、2017年後期Vtuberがニコニコ動画により大勢に認知される(バーチャルYoutuber四天王)
 この時の意識はアニメに出てくるようなキャラクターが配信し、そのキャラクターが視聴者へのリアルタイムな反応を返すというものだった。
 つまり二次元キャラクターの三次元化というのが理想だった。

 この時期に多いVtuberはRP型(ロールプレイ型)のタイプで、キャラクター設定に合わせた演技を行って配信を行うというのが多かった。

 その時、いちから株式会社ANYCOLOR株式会社の改名前)のVtuber事務所にじさんじより月ノ美兎というVtuberが現れ流行する。

月ノ美兎氏近影
月ノ美兎氏近影

 彼女は設定を演者の個性が貫いてしまい、また本人もポロっとリアルの情報を漏らすことが多いという当時では珍奇なVtuberだった。
 そこからVtuberが普及すると共に、設定の形骸化をしつつ演者の情報がキャラクターの設定として定着するというスタイルが流行ることになる。


 つまり三次元の情報の二次元化だ、現在はこちらが主流となっている。

 一応書くが彼女はRPを放棄したわけではない
 今も学級委員長という体は捨てておらず、未成年が出来ない事に対しては濁したりぼかしたり夢に見たり様々な工夫をしている。

 この時期に配信に脚本を作り演技をさせるアニメ型や、喋っているVtuberとゲームを操作している人物が別々の着ぐるみ型、1つの作品として短時間の動画を作る世界型など、様々なVtuberが誕生したが、現在ほとんどが色々な理由で死滅した。

 その後に配信スタイルとして長時間配信型が出てくる、これは高難易度ゲームの耐久配信やPUBGAPEXが流行ったことが大きい。
 様々な理由があるが少なくとも数時間配信するタイプがじわじわとシェアを広げ数分~1時間程度の配信は減っていった。

そして現在

 どこもかしこも一般人から見たら意味不明なぐらい長い時間配信している配信モンスターで埋め尽くされた。
 RPを最低限に、人によってはRPする気のないストリーマー型Vtuberが増殖し一般で活動する配信者の人などと絡んでいくようになりRPの認識は段々とおまけになっているものとして見えた。


 そこで時間帯ほぼ固定配信時間1時間で現れたのが壱百満天原サロメだ。

 彼女は三次元の情報をキャラクターの設定に混ぜつつも、根柢のところはかなりしっかりとRPを行うRP型のVtuberで、毎日ほぼ固定の時間に大体1時間きっちりでインパクトを与え、一週間の予定は常に自身のフリースペースで確認できるようにし、合わせて動画やshortの投稿を行うというスタイルだ。

 初配信から瞬く間に登録者数と同時視聴者数を増やし、バズった上で話題性を維持しながら駆け抜けて今では事務所の中の登録者数トップに躍り出ることとなった。

 自身の配信予定日告知、実はVtuberではそもそも告知を出さなかったり直前に出したり予定通りに配信をしないVが今まで多かった。
 だから、この辺をきっちりと抑えて予告通りに配信するというのは界隈では少数派である。
 Vtuberは社会不適合者の集まりとはよく言われる。


 なお、彼女がバズってからこの辺を意識する人が増えてきたもよう。
 良い部分を取り入れていくのはファンからしてもやる気が感じられるのでどんどん実践していいと思う。

 ちなみに今でも大手事務所で短時間配信がメインのVtuberはいるが、大体が配信する時間帯も頻度もバッラバラで告知もあったりなかったり告知してもやらなかったりする。

 そんなのリアルタイムで追えるのは狂人。
 そして忘れがちだが1時間配信でも普通の人から見たら長かったりする。



 彼女が新人Vtuberだったことは大きい。

 大手事務所から現れる新人というだけでまず注目が集められる。
 ジャンルを問わないVtuber好き、彼女の所属にじさんじのVtuberが好きないわゆる箱推し、他の事務所が好きだがとりあえず女性の新人は見てみる他箱の箱推しが初配信で確保することができる。

 そこで何かしら特徴的で話題にしやすいものを提供すれば皆が喋ることでトレンドに上がる、この際行ったのが履歴書と胃カメラの画像だ。
 彼女のキャラクターもあって話題に上がり、その次の配信でも話題性を上手く作り上げることで著名な漫画家やイラストレーターの人達が飛びついたことが運が良かったと同時に決定打となり、今までVtuberを見てこなかった層が興味を持つこととなる。

 今までVtuberを見てこなかった層が参入する際にどこから見れば良いのかわからない、内輪感が強すぎて入れない、などが障害になることがあるが彼女の場合は初配信と1時間程度のアーカイブが数本、リスナーとの距離感も近すぎずかつ意識を向けて交流が取れるタイプでさらに毎日固定の時間に配信をしていた為、新たに見始めるハードルが比較的低かった

 一部リスナーやスパチャにしか反応しないVtuberは徐々にそういう層が固まって異臭を放つようになるし、逆にコメントにほとんど反応しないVtuberが伸びたのは見たことが無い。

 その点で言うと彼女はコメントとの距離感がとても上手い
 最高クラスに上手いと言ってもいい、新人Vtuberだよな……?
 どこから見つけてみたんだマジで。


 これは余談だが、大手事務所に所属するVtuberは結構な割合でニコニコ動画やツイキャスなどで人気配信者として活動していた人が演者になっていることが多く、有名所は既にほとんど取りつくされている。
 事務所によっては所属するVtuber全て前世が割れていたりする。

 話を戻そう


 彼女の配信は対象となる視聴者層が広い

 お嬢様というキャラクターとアニメ的な発声だけを見ると男のオタク向けにも見えるが、彼女のトークは女性向けのトークがしばしば混ざっている(Twitterの投稿は特に女性向けに描かれている物が多く見える)

お嬢様なのでネイルブランドを公表することにRP的な違和感は発生しない
お嬢様なのでネイルブランドを公表することにRP的な違和感は発生しない

 このような女性向けトークを続けると男は居づらくなるが、ニコニコ時代のミームを活用することで30代前後の層もターゲットにし、ゲームが下手だけどかなりやっている等で男オタクの心も掴んで離さないという立ち回りも見せている。

 他の奴にはわからないだろうが俺は彼女のことよくわかってるんだぞ
と思わせられることに男はめちゃくちゃ弱い。

 あくまでお嬢様を目指す一般人という崩れようがない設定のRPをちゃんと演じることでVtuber当初に想像されたRP型Vtuberに理想を抱いて現実に失望して離れたオタク達を呼び戻し、かつ三次元の情報を上手くキャラ設定に混ぜることに成功することで従来のオタクも逃がさなかった。

 今までVtuberは知ってたけど……という人にもストリーマーとの違いをわかりやすく配信で表現している為、Vtuber入門として人に薦めやすい

 ゲームが下手すぎるとダメな人がいるので再三に渡って自分が下手であることを申告し、その上でタイムキープの意識が強く配信テンポを意識している節が見られるなどなど、ぐだりによるストレスを可能な限り排除しようと試みている。

 色々と例に上げたが、とにかく彼女は受け入れようとしているリスナーの層がとても広い、狙える層が広いというのは取り込める人口も多い。
 受け入れ層が広すぎることに対するリスクもあるが、それはまあいいや。 


 補足として、一部にはVtuber=絵を使ったオタクに対するキャバクラで、投げ銭スパチャ祭りぼろ儲けといった偏りきった認識があるが、
 それに近い活動を行うのはアイドル型の事務所のVtuberが多く、彼女らは強めのRPをしていることが多い。

 そういった所ではユニコーンと呼ばれるいわゆる処女厨が多く存在し、約束事さえ守れば強烈なリピーターとなるが、例えば家族以外の異性と裏でお喋りをしましたということを配信で話しただけでアウト寄りの判定を下されるレベルで判定も存在もキツいので専用の取り扱い技術が必要

 今回は話がズレそうなので置いておくが
決して絵を立てて喋るだけの楽な活動ではない
気が狂うぞ。



・デビュー時の界隈の環境がバズらせた

 たとえ今から半年前、もしくは半年後に彼女がデビューしていたとして、ここまでのバズは生まなかった。

 当時の最大手である人気Vtuber複数人が連日の激務で喉を壊したり休業に入っていたタイミングで、それ以外の人気Vtuber達も事務所の方針により通常配信に加えて様々な案件を振られたり、歌、ダンス、ボイスのトレーニング等を詰め込み配信頻度をかなり落としていた。

 界隈の流行も長時間拘束されるエルデンリングというゲームの流行が終わり、流行と流行の境目で視聴者側にも新しい流行を欲している状態だった。
 この流行と話題性がバズには必須だ。
 バズった結果流行するし流行に乗った結果バズる。

 他の何かが大きく流行している時に新しい流れを流行らせるのは難しい。

 流行に乗る人達はミーハーとかイナゴとか渡り鳥とか寄生虫とか色々呼ばれるが、大体の人は流行が好きだし数字が好きだ。
 見たことのない配信と皆が噂する配信であれば圧倒的に皆が噂する配信を覗きに行くし、同じ配信でも3人が見てる配信と10万人が見てる配信では10万人が見ている配信の方が面白いと感じる人が多いだろう。

 Youtubeの配信システム的にもそうだが視聴者数の多い配信には、何も知らないけどとりあえず視聴者の多い配信を見たい層がやってくる
 そうなるとさらに数字が膨らむ、これは別に配信に限った話ではない。

 そのため最近は流行を産むために企業がインフルエンサーにステマを依頼したりすることもあるらしいが……

 その辺はおいておく、つついても無益だし意味がない。
 陰謀論は酒のつまみであって素面で話すものじゃない。

 とにかく、バズる為に手っ取り早いのがこの手の影響力のある人が宣伝することが一番強い。
 
 しかし彼らを取り込む為には彼らが他の事に夢中になっておらず、その上で創作する意欲を刺激する何かがなければいけない。

 そこで彼女の配信スタイルが効いてくる。
 クリエイターの方々も色々な人からの反応が得られる題材を好むし宣伝にもなるいわゆるwin-winの関係になる。



 もう一つ大事な話はキャラ被りの話だ。

 キャラ被りというのはそこそこに致命的で、〇〇といえば△△!という話では大体第一人者しか出てこない。
 後追いはパクり野郎や劣化の烙印を押されるし、第一人者の厄介ファンが飛んできて潰しに来たりする。

 その上で、お嬢様は実はVtuberではそこまで珍しいものでもない。

 しかし大手Vtuber事務所に所属するVtuberであり、漫画によく使われるようなテンプレのようなお嬢様Vtuberというキャラクター属性で売っているVtuberは鹿鳴館キリコぐらいで、この鹿鳴館キリコはにじさんじに所属する男性Vtuberジョー・力一氏の企画で作られたキャラクターである。

鹿鳴館キリコ氏近影
鹿鳴館キリコ氏近影

 彼の演じるお嬢様は洗練されており、キャラクターとしてガワは存在するし動くが、それはあくまで持ちネタの一つだった。

 それ以外にも企画でお嬢様口調をするというのはたまにあったが、それはあくまで企画でありキャラクターではなかった。

 お嬢様というジャンルは近年特に人気だ。

 漫画でも主人公やライバル、恋敵や噛ませ犬など多岐にわたって使われ、ジャンクに小説が読める小説家になろうで一大ジャンルとして君臨している悪役令嬢物がそれに近い、というよりも悪役令嬢物と銘打たれているものは主人公の性格がむしろ善良な部類であることが多い。

 それだけで一大ジャンルが作れる通りそのキャラクター設定は非常に大衆ウケが良く、かつ作りやすい。

 何故Vtuberとして今まで大手で作られていなかったのか不思議に見えるが、昨今のRP軽視の影響が効いている気はする。

 演じる必要カロリーが高すぎる問題もある。
 ~ですわ。のような語尾はともかく高笑いやハイテンションの維持など、長時間配信が主流となった今、変わった語尾や強すぎる設定を演じきるのはきつい。

 RPが人気に繋がるか怪しいという今までの現実もあった。
 お嬢様を目指す一般人ってキャラクターめちゃくちゃ秀逸だと思う
 彼女を考えた絵師のデザインもマジですごい

これ見てお嬢様だと思わん人いないでしょ
一目見てお嬢様とわかる上に記号としてわかりやすく
他のVtuberと被る要素がほとんどないデザインは秀逸



 なお、今までのVtuberがRPに対する取り組みが弱かったわけではない。

 RPするにしても解像度の問題がある、大して作り込んでもいないRPでは視聴者との解釈違いを起こしてしまう。
 彼女の言を信じるならば、お嬢様というキャラ作りに一年かけた話を配信中にこぼしている。
(一年という期間はにじさんじに採用されてから実際に配信するまでのおおよそ推測される期間としても納得のできるものであり、こういった話もキャラクターの設定が崩壊しないものとなりRPを強固にしている。)

 RPをするのであれば、設定との矛盾はなるべく避けなければいけない。
 年齢性別、家族構成や住んでいる場所や過去、兼業ならば職業、恋人など
 キャラクターを見に来ている人たちは矛盾によって現実に引き戻されてしまい冷めてしまうことがあるのだ。

 特に最近は大手事務所のVtuberも演者本人のチャンネルやTwitterをこっそり匂わせたりすることで演者の方に客を誘導したり、そもそも設定関係ないやんもうって思わせられるようなVtuberが現れるようになり、リスナーもその点に関して順応しはじめていた。

 RPを設定する上で事務所がグループ単位で起用することで世界観を作ることが最近は多かった。
 VTA(ANYCOLORの主導するVtuberの養成学校)の卒業生はともかく、その前のエデン出身で組まれたエデン組や世怜音女学院など
コンセプトで世界観が作られ採用されることが大手では主流となっている。

 その上で発表された突然の彼女のソロデビューだ、もうわけがわからん。
 界隈は騒然とし必然的に注目を集めた。
 そして初配信で彼女は見に来た人に実力で納得をさせたのだ。
 これは他の人と一緒にデビューさせたらいけないと。

 ぶっちゃけえにからの人事部もうあかんわって思ってました。
 マジでびっくりした。


・本人の運と実力がバズらせた

 彼女の実力は他の人の記事で飽きるほど書かれているが、彼女は
 "俺の考えた最高のVtuber"の1つの形である。
 高い解像度のRP、とても速い頭の回転、声優のような声質・滑舌の良さ、コメント捌きも上手く視聴者に対する意識も配れていると感じられ、同じ事務所に所属する先輩の大事なイベントは参加していなくても告知を行い、丁寧な気配り、タイムキープをちゃんと意識しているため間延びせずスケジュールもほぼ提示された通りに行う。

 彼女がVtuberがさらに発展し水準の高くなった未来からやってきたと言われたら信じてしまいそうなレベルのプロのVtuberだ。

 しかし彼女がここまでバズったのは地力の高さか?
 それとも初配信で胃カメラを映した奇抜さか?
 はたまたお嬢様キャラの力か?と言われると、そこが一番ではない。

 彼女の取れ高・ミームのコントロール能力、話題性づくりの上手さ
 これが1番の理由だと思う
 1番なのに3つあるじゃん。

 とにかくサブカルネタを要所に適した活用することが上手いこと、それを活用して自ら新たなミームを作り出すことが上手いのだ。
 話題にしやすい行動や話題を多く活用し、他の人が流れに乗りやすいように彼女自身も発信を行うことでそのことについて話す人を増やすのだ。
 ───説明が難しい。

 お嬢様というキャラクターがそもそもキャラクターとして非常に強力なミームを備えている、その上で彼女はお嬢様が行うであろうことを行い、
また、配信をいつどのタイミングで誰が見ても壱百満天原サロメはパワー型のお嬢様キャラであると認識できるように配信が行われている。

 その上で今まで流行ってきたネタを扱うのだ。
 例えばおハーブですわなどインターネットオタクに広く認知されており、かつ偽お嬢様が言いそうなネタを擦ることで相乗効果が生まれる。
 そしてこれらのネタをネタだけで動画を構成するのではなく要所に満遍なく散りばめている。

おハーブですわ~

 昨今のご時世、様々な理由から切り抜き動画が見られるが、彼女の場合配信中どこを見ても切り抜き動画と化していることが強い。

 話題性が話題性を呼び、来た人が噂通りのパフォーマンスが出ているシーンを見ることでさらに話題性が生まれる。
 彼女の配信は話題性を呼びやすいミームを多く扱うことで構成され、そこをネタに創作してもらうことで広げ、またパフォーマンスを見せる。
 このループが多大な広告効果を産んでいる。

 これらのネタを突発的に多量に用意するのは非常に難易度が高い。
 彼女の引きこもってネット見ていましたという発言からニコ厨としての知識量に矛盾が生じずに発言できるのはお見事。

 オタクはオタクの知識を備えてる美女にめちゃくちゃ弱いのだ。
 あいつのことひょっとして俺なら理解してあげられるかもはヤバい。

 このようなことをするために事前にプレイまではいかなくともさらっと予習したりはする可能性はあるだろう。
 配信界隈ではガチの初見以外は絶対許さないおじさんが一定数存在するが、実際に本当にそれで面白く配信することは難しい。

 広く面白さを追及するのであれば配信者に求められるのは初見っぽくゲームをすることで、既プレイ感を出さないようにすることだ。
 この辺りはニコニコ動画時代の配信者の考えに近いかも、たしか当時の人気配信者の方々って結構声を後入れしていたはず(記憶が曖昧)

 ちなみに本当に初見でもゲーム慣れしている場合既プレイ感が出てしまう時もあるが、そこは実況力やキャラクター性でカバーするしかない。
 リスナーがどんなプレイを求めているのかにもよるし、そもそも初見かどうかは本人が喋ったことが事実であり、それ以上の詮索はただの妄想だ。

 ガチ初見、もたつき間延び沼プレイを見たい人もいるが、そういうのは大体本人のコンテンツ力が高くアドバイス承認欲求おじさんとか上から目線したい人が集う配信だ。

 金を払ってでもアドバイスをしたいという人が割と存在する。
 ちなみにこれ界隈興味ない人が見たら引く。


 それと配信する時間帯もポイントである。

 彼女の配信は基本は23時または24時から1時間と見やすくリアルタイムで見て実況しやすい時間帯であり、皆で大作のアニメやドラマを一緒に楽しめるようなら感覚になる。

 しかしこの時間帯はVtuberの配信時間帯のゴールデンタイムである。
 どこもかしこも人の取り合いになるのだが、彼女の場合は初配信で人を集める→最初の配信でインパクトのある配信をする→次の配信でも同様。
 といった具合で、最も注目される初配信で作った話題性を次の配信に持ち越し、そこで話題性のある行動や発言を行うことでさらに広げたのだ。

 そうなると話題が話題を呼び、どんどん人が引き込まれていくのである。

 

 この流れを作るための初手の動きも忘れてはいけない。
 初手胃カメラや履歴書、大手事務所からの突然の一人だけの新人で最高の話題性、からのバイオハザード7だ。

 バイオハザード7は没入感の強い綺麗なグラフィックと最序盤にファミパンなど話題性の高い作品で序盤を越えると落ち着くゲームであった。
 これにより集客力のある最序盤に力をぶつけることで話題性を確保するというものだ。

ファミリーパンチ
バイオ7のファミリーパンチ

 これらの流れを狙ってやれたのなら天才だし偶然であれば素晴らしい運を持っている。

 また、取れ高的に山場に近い序盤を終えた段階で落ち着くと思われた話題性を、彼女はですわというお嬢様Vtuberの第一人者となるミーム化が海外圏にも広がったことや、インパクトのあるトークや行動で人を呼び続けた。

 初配信よりもその次、さらにその次と視聴者が増えたのは異例の事態だ、合わなかったり満足して去る人よりも呼び込みが多かったわけだ。

 こればかりは来た人を満足させられる能力がなければ成立しない。
 

 一般層へのリーチも彼女の登録の伸びに起因している、

 Vtuber界隈は現時点でVを見るタイプのオタクへのアプローチはほぼ限界まで行われており、大手企業ではそこから少しずつでもパイを広げる為にコラボ企画や海外進出などで他の層を取り込む試みが続けられてきた。

 また個々人の努力として最近はtiktokやshort動画等の若者向けの動画も出している。
 彼女の所属するにじさんじは大手グループではあるものの、箱推し(その事務所に所属するVtuberを応援する人)は大体10万人程度(これは前回の新人の初配信前に行われた登録者数から概算した数字)であり、そこから面白ければ登録者数が伸びるといった形なのだが彼女の登録者数は約14日で100万人を越えている(ちなみにこれは歴代の女性Youtuberという括りで見てもトップの速さ)

 サロメからVを見始めましたという声もよく聞く通り、彼女は今までリーチできなかった層の取り込みに成功している。
 ノリに馴染めなかった人が脱落というパターンは存在するが
 そこはnot for meだ。

 脱落する人より呼び込む人の方が多い場合視聴者数は増える。



 現れた当初は完全無欠かのように見られていた彼女だが、当然彼女にも弱点が存在する。

 キャラクターを活用したトークは凄まじいが、
フリートーク単品で見ると雑談メインのVtuberには及ばないし、本人が何度も言う通りゲームの操作は上手くない。

 操作に精一杯になるゲームは彼女には向いていないし、彼女の瞬発力は状況の切り替えが速いゲームで活きるため、のんびり作業するタイプのゲームは向いていない。

 彼女はあくまでリアクションタイプの配信者だ。
 また長時間配信がきついとも言っている。

 今までの短時間型配信者のあるあるだが、
最初は余力があるものの配信業を続けるにつれて段々と配信頻度が落ち、そのせいで人気が落ちてさらにモチベーションが落ちることがある。

 そしてキャラクターやインパクトで売るVtuberに多いのだが、こういったタイプのVtuberは初速特化型である。
 物珍しさや今までになかった需要、刺激に応えることで視聴者が確保できるのだが、このような視聴者は満足すると離れてしまいがちだ。
 そういった視聴者を引き留めるにはまた別に何かが必要となる。
 色々あるがこれは本人が作り出すしかなく、人が離れたことにより晒される悪意や焦燥感にも耐えなければいけない。

 また事務所の欠点になるが、マネージャーが配信の方向性に口を出して配信が無味乾燥になってしまったり、人気が出たところで案件を放り込み
まくって通常配信を潰し人気も落ちるという定番のムーブがある。
 いい加減にしてくれ、面白いことのできる人間を潰すな。

 彼女はここまでの活動を見る限り、かなり小まめに評価の悪い部分の改善を目に見える形で行っている。

 初配信の段階でも既にVtuber、配信者として必要なことを彼女なりに研究し反映させている。
 配信者としての参考元はニコニコ動画で上位に来た動画投稿者の方々が大きいのかな?
 とにかく、まだ活動したてだからというのもあるが、評判の悪い部分の聞き取りと改善が非常に早い。

 こういうの書くとスパチャで"教えてあげる"アホやあえて本人の目に付くように指摘する承認欲求のバカがいるが迷惑だからやめようね。

 この記事?私はいいんだ。



・最後に

 長々と書いたが結局のところ彼女は運が良かったのだ。

 この運を潰さずに掴み取るだけの実力が、
 流れが彼女にあったというだけの話。

 バズって伸びた人気は違うバズが発生すると大半はそちらに流れてしまう、これはこの手の人達の性質的に避けられないものだ。

 その人気も幻想のヴェールが徐々に剥がれ落ち着くだろう。
 しかし、今はまだ偽物のお嬢様である彼女の見せた輝きが本物だったことは忘れてはいけない。




 恐らく書き忘れてることとか上手く書けてない部分はいっぱいあるけど、ひとまず形になったのでこれで終わりです。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

06/28
スマホで見たらレイアウトぐちゃぐちゃだったので調整しました。
バズった要素をちょっと書き足しました。

 壱百満天原サロメ嬢のチャンネル登録よろしくね!
https://www.youtube.com/channel/UCgIfLpQvelloDi8I0Ycbwpg


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