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最高のおもてなしがいつもあるワイナリー カスティリオン・デル・ボスコ

イタリアはトスカーナのモンタルチーノにあるカスティリオン・デル・ボスコは、最高のおもてなしがあるワイナリーです。
最高というとおおげさに聞こえるかもしれませんが、環境(畑、蔵、テイスティングルーム)、サービス(見学内容)、ホスピタリティ、気配りのすべてがすばらしいです。

これらすべてが完璧なワイナリーは多くありません。ワイナリーはおいしいワインさえ造っていればいい、という考えもあるかもしれません。でも、ワイナリーに出かけていって、心地よい対応をしてもらったら、ワインがよりおいしく感じられ、ますますそのワイナリーのワインが好きになるのではないかと思います。逆に、ワイナリーで殿様商売のような対応をされると、そのワイナリーの印象が悪くなり、その後同じようなカテゴリー、レベルのワインをセレクトする場面があったときに、ほかのワインを選ぶことにつながるのではないかと思います。

今回は、カスティリオン・デル・ボスコのワイナリーの様子をお伝えします。


カスティリオン・デル・ボスコとは

カスティリオン・デル・ボスコは、モンタルチーノにあるワイナリーで、2003年にマッシモ・フェラガモが購入しました。マッシモ・フェラガモは、ファッション・ブランド「フェラガモ」の創設者サルヴァトーレ・フェラガモの息子です。

フェラガモ・ファミリーといえば、アレッツォ県で「イル・ボッロ」ワイナリーを経営していて、大成功をおさめています。

マッシモ・フェラガモが購入する前も、カスティリオン・デル・ボスコではワイン造りがおこなわれていました。

カスティリオン・デル・ボスコとは、「森の城」という意味で、森に囲まれたボルゴ(集落)でした。森も含めて集落ごとマッシモ・フェラガモが購入し、ワイナリーとホテル、レストランに生まれ変わらせたのです。
その土地約2000ヘクタール。広大です。
その広い土地のほとんどは森になっています。ブドウ畑は62ヘクタールあり、主にブルネッロ・ディ・モンタルチーノを造っています。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノといえば、イタリアで最も偉大なワインのひとつ。
カスティリオン・デル・ボスコでは、4種類のブルネッロ・ディ・モンタルチーノを造っています。

ブドウ畑の見学

カスティリオン・デル・ボスコのワイナリー見学は、畑の見学から始まります。

蔵から畑が1キロほどあるため、ワイナリーの車で、畑に連れていってくれます。車で畑に連れていってくれるワイナリーはなかなかありません。畑が遠いところにあるワイナリーでは、畑の見学が省略されることが多いのです。でも、ワイナリー見学では畑の見学も重要。車を出してまでして畑に連れていってくれるサービスはとてもうれしいです。

車で走りながら畑の見学。車を降りて詳しく説明もしてくれます。

畑は丘の上にあり、見晴らしがとにかくよく、常に風も吹いていて気持ちがいいです。

風がいつも吹いているということもポイント。風があることによって、ブドウのカビや病気を予防してくれます。

遠くにはアミアータ山が見えます。約1700メートルのアミアータ山は、その昔、火山だったため、このあたりは火山灰土壌で、ブドウの栽培に適しています。

標高が高いため、昼夜の寒暖差があり、これまたブドウの栽培に好条件。つまり、ブドウの栽培に好条件がそろった場所なのです。

周りにはどこまでも森が広がり、「美しい」のひとこと。

ブドウ畑の中を車で移動し、4種類のブルネッロ・ディ・モンタルチーノの畑がそれぞれどこにあるのか説明してくれます。

蔵の見学

畑の見学のあとは、蔵の見学です。

蔵では、ワインの醸造についての説明があります。

まずは、収穫されたブドウが除梗され、ステンレスのタンクに入れられます。
除梗は、ステンレスタンクの上の階でおこなわれ、ブドウが天井の穴を通して上の階から直接ステンレスタンクに入る仕組みになっています。
重力のみでブドウをタンクに移動することができるグラヴィティ・フローと呼ばれるこのシステムは、ポンプなどで圧力を加えることをしないため、ブドウに負荷がかかりません。
ステンレスタンクで発酵がおこなわれ、その後、ブドウの皮と種が取り除かれます。

ブドウの皮と種は蒸留されてグラッパとなり、ワインは木樽に入れられます。

大きい樽と小さい樽が並ぶ蔵の中

木樽はワインの味を決める重要な要素のひとつ。カスティリオン・デル・ボスコでは、大樽と小樽を使い分けて、4種類のブルネッロ・ディ・モンタルチーノを造っています。

たとえば、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのベースのものは、まずは小樽で1年熟成してから大樽に入れて1年半熟成させます。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァは大樽のみで3年半熟成させます。

以前、ワイン初心者のかたから「ワイナリー見学はどこがおもしろいのかわからない。樽が並んでいる蔵はどこも同じように見えるし」と言われたことがあります。

たしかに樽だけ見ても、つまらないかもしれません。でも、「このワインは小さい樽に入れてから大きい樽に入れます。でも、あのワインは大きい樽のみに入れます」と説明されたら、「その違いはなんですか?」と聞きたくなりませんか?

ワインに詳しい必要はありません。「なぜ2年熟成させるのか?」「なぜ木樽で熟成させるのか?」なんでもいいので「なぜ?」と疑問をもってみましょう。どんな小さなことでも、ワイナリーの人は親切に答えてくれますので、質問してみましょう。ちょっとしたことが「なるほど!」と思うことかもしれません。そして、その「なるほど!」がワインをおいしく飲めるきっかけになるかもしれません。

ワインの試飲

見学が終わったら、待ちに待った試飲です。

見学の説明を聞いたあとの試飲は、「このワインはあの樽で熟成されていたもの」と実感できるので、ワインをより身近に感じることができます。

複数のワインを試飲することにより、味わいの違いもわかります。「ワインの味わいの違いなんてわからない」と飲む前に言っていたかたも、「こんなに違うんだ!」とびっくりされるほど。自分の好みがわかる発見にもなります。

カスティリオン・デル・ボスコでは、6種類のワインを試飲することができます。
カスティリオン・デル・ボスコのトップのワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァも試飲できる贅沢なラインナップです。

白ワイン1種類、赤ワイン5種類を試飲することができます。

おしみなくトップのワインを提供してくれるので、試飲タイムを存分に楽しむことができます。

グラスの下に敷かれている紙には、試飲する人の名前が印刷されているという気配り。試飲するときに自分の名前が書いてあるというおもてなしを受けたら、うれしいですよね。ここまでしてくれるワイナリーはそうそうありません。

ひとりひとりの名前を印刷してくれるおもてなし

ワインのお供にチーズとサラミもあります。空腹でワインを飲むのに抵抗がある人や、ワインにおつまみを合わせたいという人にうれしいサービスです。

ペコリーノチーズ2種類とサラミのおつまみ

ワイナリーでランチ

マッシモ・フェラガモは、カスティリオン・デル・ボスコの中世の建物はそのまま残し、建物内を改築して、ホテルとレストランを作りました。

午前中たっぷりと2時間ほど見学と試飲をすると、すっかり昼食の時間になりますので、試飲のあとは、レストランでランチです。

中世の雰囲気を残しながらも、ラグジュアリーな香りがただようホテルとレストラン。おとぎの国のような美しさ。さめてほしくない夢をみているような気分になります。

中世の集落をそのまま残して作られたホテル

ホテルとレストランの経営は、2015年からローズウッドの経営になっています。ローズウッドといえば、超高級ホテルグループ。その名にふさわしい豪華な空間です。

レストランのテラス席

レストランの奥には、1100年に建てられた塔があり、この塔がカスティリオン・デル・ボスコのロゴのモチーフになっています。

1100年に建てられた塔

郷土料理、魚料理、肉料理、ベジタリアン、ピッツァと、好みに合わせてチョイスできる幅広いメニューはどれも魅力的で迷ってしまいます。味はもちろんお墨付き。

モンタルチーノ地方の名物パスタのピチ

レストランの隣には、野菜の畑があり、レストランではその畑で採れた野菜を使っています。

森が広がる環境の中にある野菜畑(手前)

採れたてのオーガニックの野菜は、野菜自体の味わいが凝縮されたフレッシュな味わいで、ピンツィモニオ(生野菜をオリーブオイル・塩・黒胡椒につけて食べるシンプルなサラダ)もおいしいです。

レストランの隣の畑で採れた野菜

カスティリオン・デル・ボスコのワイナリーツアー

見渡す限りの緑の中にある畑、清潔で整った蔵、洗練されたテイスティングルームという環境、畑から蔵までしっかり説明してくれる見学のサービス、笑顔で迎えてくれるホスピタリティ、そして、終始気配りが感じられ、非の打ち所がありません。

フィレンツェ・イン・タスカでは、カスティリオン・デル・ボスコのワイナリーツアーをおこなっています。

カスティリオン・デル・ボスコのワイナリーツアーはこちらから

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