メディア&情報リテラシー(I)
日本国民は、「メディアリテラシー」や「情報リテラシー」が絶望的に足りないと常々感じている。
筆者のnoteで度々話題にし、タグにも採用している「金融リテラシー」はもちろん重要であるが、
「メディアリテラシー」や「情報リテラシー」も同じくらい重要であり、
それらの教育も必要であると常々感じている。
これは何も、政治・経済・金融関連に関わらず、一般時事関連、スポーツ関連、芸能関係等々、全てに当てはまる事だ。
■メディアリテラシーと情報リテラシーの定義
リテラシー(Literacy)とは、読み書きの能力を意味し、
「メディアリテラシー」あるいは「情報リテラシー」の具体的な意味として、主に以下の二つある。
(1)ネット・テレビ・新聞・映画・音楽・出版物等の様々なメディアが伝える情報について、鵜吞みにせず、主体的に解読・精査・評価する能力。
(2)情報通信機器等を使いこなせる能力。
当noteでは(1)を取り扱う事とし、一括りに「メディア&情報リテラシー」と表現する。
以下は参考。
総務省より、「放送分野におけるメディアリテラシー」について。
ユネスコより、「メディア&情報リテラシー」(Media and information literacy: policy and strategy guidelines)について。
■メディア&情報リテラシーはナゼ必要なのか?
メディア&情報リテラシーが足りないと、以下のようになりやすくなる。
◎誇大な広告や宣伝・ウソ・デマ・切り取り・フェイクニュース等に騙されやすくなり、踊らされやすくなる。
◎陰謀論に振り回されやすくなる。
例えば、2016年に熊本地震が起こった時、「地震のせいでうちの近くの動物園からライオンが放たれたんだが」というテキストが写真と共にツイッターに投稿された事があった。(現在は削除)
このツイートを信じてしまった人は一定数いたようで、瞬く間に拡散され、熊本の動物園に問い合わせが殺到したようだ。
その後、投稿者は業務妨害の疑いで逮捕された。
写真を見れば、日本ではない事が一目でわかるはずだが、この一件はまさに、メディア&情報リテラシーの絶望的な不足さが招いてしまった結果でもある。
デマを流した者が一番悪いのは言うまでもないが、それに釣られてリツイートしてしまった者たちも、いつの間にか加害者側になっていた…という事もあり得るのだ。
■メディア&情報リテラシー後進国の日本
海外では、メディア&リテラシーについて、子どもの頃から学校教育のカリキュラムの一つとして取り入れている国もあるが、日本ではどうなっているのか?
現在は、筆者の頃には存在していなかった「総合的な学習の時間」というのがあるようで、その一つとして情報について扱ってはいるようだが、学校によっては教員自身がそれについていけていないようで、"未来の宝"である生徒や児童にキチンと教え切れていないのが現状だ。
■『1億総監視社会』だからこそ「メディア&情報リテラシー」を身に付けよう!
今の世の中は、地球規模で「総監視社会」になっていると言ってよいのではないか。日本であれば『1億総監視社会』といったところか。
スマホやSNSが爆発的に普及し、誰もが他人を監視できる。それが、今、私たちの目の前に現実としてある社会の姿だ。
誰もが、カメラマン・報道記者・ジャーナリスト・評論家・解説者・コメンテータ等になれる時代になったと言えよう。
受動的に情報を拾わなくとも、能動的に情報を拾いに行けるようになった。見たい動画を観賞できるようになった。
自分から、情報・写真・動画・評論・感想などを、SNS・動画サイト・ブログ・ホームページ等に地球規模で配信する事は、もはや日常茶飯事となり、そこから情報を得た方が迅速で正確な事もあるくらいだ。
しかし、そんな溢れんばかりの情報たちの中に、前述で挙げた熊本地震の時のようなウソデマ情報が紛れ込んでいる事も十二分にあり得る事は肝に銘じておかなければならない。
実際には誰かが言った事とは180度違っていたとして、それに騙されたり振り回されたりした人がいても、誰も責任を取らない。
「まぁそういうこともありますよw」と誤魔化されてお終い。
「△△さんの言う事は信用できる。」
「◇◇新聞社が一面で書いた事だから事実なのだろう。」
…などと鵜呑みにするのは非常に危険。
もっと言えば、特に、以下は非常に危険であり、警戒する必要がある。
◎オールドメディア、マスコミ
⇒通信社・新聞社・週刊誌・テレビ局・ラジオ局
◎"自称"評論家、"自称"ジャーナリスト
◎アフィリエイト狙いのまとめサイト
◎インプレッション狙いのインフルエンサー
◎再生数稼ぎの動画(サムネイルで判別可能)
プラットフォームが異なるだけで、本質は同じである事を見抜かなければならない。
これらは全て「収益化」が最大の目的である。そのためには誇大表現やウソをつく事だって厭わない連中である。
『1億総監視社会』だからこそ、地球規模で溢れまくっている情報の中から、何が正確な情報で何がウソデマ情報なのかを、正しく読み取り、精査し、見極められるようにならなければならない。
つまり、「メディア&情報リテラシー」を備えなければならないという事。
■『1億総監視社会』だからこそ「公式情報」を見よう!
地球規模で溢れまくっている情報の中から、正確な情報を見極めるコツが一つある。
それはズバリ、「公式情報」を見る事である。
政治・経済・金融関連、一般時事関連、スポーツ関連、芸能関係等々、全てに当てはまる事だ。
例えば、首相官邸や各省庁の公式サイト、企業の公式サイト、球団の公式サイトなど。これらからの情報こそが有用な「公式情報」だ。
正式に発表されたその瞬間、公開された「公式情報」になるのであって、
たとえ事前にどこかの新聞社や週刊誌が情報をスッパ抜こうが、それは公式なものではない。その時点では本当かどうかさえ不明なのだから。
批評するのは、「公式情報」が正式に発表された後からでも遅くない。
公式情報を見て、主体的に解読・精査・評価する事を繰り返す事こそが、「メディア&情報リテラシー」を身に付ける一番の近道である。
何はなくとも、公式情報・一次ソースこそが全て!
これからの更なる情報化社会を生き抜くためにも、「メディア&情報リテラシー」を身に付ける事は、非常に重要である。
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