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「現代俳句」2022年8月号

 すっかりご無沙汰のわたしです。こんにちは。
 夏バテなのかおなかの調子が悪く、人生ではじめてセイロガン糖衣Aなるものを飲んだのですが、「なにが糖衣じゃああああ!」とブチギレそうになるほど飲みづらくてビビり散らかしました。なにあれ。そもそも4錠も飲むん、成人……3回飲んだら12錠やで。36錠しか入ってへんねんで!?(うるさい)
 かかりつけ医の出す薬のありがたみを感じつつ、それでもセイロガン糖衣Aの力を信じて飲みたいと思います。薬嫌いなだけなのでなにを飲んでも大体おえーって言ってます。子どももドン引きの大人になっちまいました。

 そんなわけで(先行き不安)、遅ればせながら8月号の感想です。
 今月は記事の感想です。最近、読み応えと言いますか、関心のあることが載っていることが増えてうれしいです。わたしの関心が広がったのかも……?

宮沢賢治の俳句  石 寒太

 石さんと言えば、わたしが持っている歳時記「よくわかる俳句歳時記」の編者です。こんなところでお会いするとは……誌面とは言え「こ、この方はあの歳時記の!」ってなりますね。うれしい。
 夏前に岩手県に行ったのですが(泊まったのは紫波町)、その際に宮沢賢治童話村と記念館に行きました。それなのに、俳句を見た記憶がないんですね……わたし……ぜったい展示してあったと思います。だって文献として残っているわけだし。でも特別に「これが賢治の俳句ですよ! 見てね!」みたいな感じでもなかったので(短歌もそうだった気がする)、いくら記念館でも賢治の俳句や短歌の扱いって、まあ……童話作品や生い立ちほどではないってことなんですよね、実際。
 でも、というか、だから、こうして「賢治俳句の文学的立ち位置」などの項を読むと、なるほど、と思うわけです。やっぱり、誰が作ったかも大事なんだな、って。

 右記の句の下敷きには、賢治の詩「五輪峠」がある。まず、「五輪峠」の雄大な賢治の詩があって、それを心に描いたうえでこの句を読み解いていくと、実に味のある俳句になる。

『現代俳句』2022年8月号 p.24

 このように賢治詩や童話その他を背景に句を読み解いていくと、句はぐんとひろがってくる。

同上

 右記の句というのは「五輪塔のかなたは大野みぞれけり」という句です。「五輪峠」という詩を知らなかったので読んでみましたが、わたしにはよくわかりませんでした(全部言う)
 わたしの話はさておき、ここでひとつの解釈というか、考え方に気づきました。わたしは今まで「俳句は、誰が作っているかわからないからフラットな気持ちで読んでもらえる」と思っていましたが、それは句会でのやりとりで、句集やSNSへの投稿は作者が明かされた状態ですよね。
 この場合、座の文学という魅力から作家の作品としての魅力へと移るわけですが、作家の作品としての魅力を感じる上では「誰が、どういう思いで書いたか」という部分も研究され、評価されることがあるということになりますよね。実際、石さんは宮沢賢治の詩から俳句の奥行を見出している。
 作家性というものへのシフトと言いますか、結局俳句が文学だって話もそこに至る部分があるのかな、と感じました。いや、俳句は文学だし、詩なんですけど。
 ただ、これは作者を知っている人(研究に限らず、知人友人も含む)から見た「作家性」なので、わたしからすれば賢治の句は「……なるほど、よぉわからん」です。そもそもわたしには賢治作品で「わかる」と言えるものがないので、ある意味作家性を感じ取っている可能性も……いや、読解力がないだけか(大の字)
 話が逸れ捲りましたが、なにかしら結論めいたことを言うとしたら、「賢治の俳句の話ができてうれしい!」という石さんの気持ちが伝わってくる素敵な記事なので、賢治の句に興味がなくてもおもしろく読めました。というところでしょうか。わたしは引き込まれました。やっぱり、好きなものの話をする人っていきいきしてていいですね。

「風土記篇」(42)岐阜県

『更科紀行』門出の地と鈴木しづ子探訪  武馬久仁裕

 鈴木しづ子の「夏みかん酸つぱしいまさら純潔など」という句に衝撃を受け、以来わたしの中で「知りたいけど知りたくない俳人」というポジションになっています。
 武馬さんの記事を読みながら、吟行とは違った俳句との旅を感じることができておもしろかったです。芭蕉の句碑ってほんと、いっぱいあるんだなぁ……(小並感)
 これもさっきの賢治の記事で感じたことの近いですが、「作家が好き」ということから派生する活動というか、学びや遊びってあるよなぁ、と思います。わたしは好きな俳人はいますが、作品が好き、というだけで人物像まで掘り下げて知ることがないので、小説を読むときと同じように俳句を読んでいるんだな、と思います。話が長くなりそうなのでこの話は置いておくとして。
 炎天のポストは橋のむかふ側  鈴木しづ子
 作者の足跡を辿って見える景色がある。確かにそうだな、と思います。ここから見た景色なのかな、とその場に立つだけでも見える世界が違ってきそう。わたしもいつか、そういう旅をしてみたいな、と思いました。

 はい。というわけで、直接関係のある話は少なかった気がしますが、たまにはありでしょう!(いつもそう言ってない???)
 そんなわけで今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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