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夏のせいにして

夏が終わった。私の夏。

仕事での昇進試験、終わりました。たぶん撃沈。
勉強はやる気出ないなりにしたけど、ここ集中してやろう…と思っていた所が微塵も出なかったり、事前に対策集みたいなのもらってたけどほとんど役に立たなかったし…たぶん無理でしょう。

落ちたら辞めてやろうと思っていた。受けるまでは。

試験2日前、仕事の帰りしなに後輩の子に会った。
彼女は「良かった!会えた!」と言って近寄ってきて「これ渡したくて」と、カバンからチョコラBBドリンクを出した。
私が職場でよく飲んでるやつだった。
「私、誰よりも(試験を)応援してますんで…」と言って、そこから熱い思いのたけを、唐突にぶちまけだした。

後輩の彼女は、自分が入社した時から育成で面倒を見てもらっていることもあり、私への思い入れが強いようだった。ありがたい。
かつ、私以外の受験者が、業務中に暗記のプリントを広げたりして、仕事をしていない様子を見ていたらしく(私は新卒の研修が忙しかったりもしてそんな暇なかったので)公平じゃない、と憤慨しているようだった。
新卒の育成のこともあり、誰よりも私が頑張っているのを知っている、と熱弁してくれたのだ。熱烈ファンサか。

彼女は決して出来のいい子ではないんだけど、何事にも一生懸命取り組むし、不器用なりに必死なのもよく知っていた。疑問に思うことはすぐにぶつけてくるし、だからこそ、正直者が馬鹿を見る世界が許せなかったようなのだ。
私はそのような「抜け駆け」をしている人が何人かいるのを知っていたけれど、忙しかっただけではなく、単にモラル的にちょっと嫌だ、と思った。
抜け駆けはコソコソするもので、明らかにバレるような事をするのは単に信頼を失うだけで、かっこ悪いなぁと。
…とまぁかっこよく言うものの、正直なところは

できるなら私だってやるけどな!そんな暇なかったしな!仕事は探せばいくらでもあったし!過去受験した人で就業中にコソコソしてた人とかいなかった(コソコソやっても毎年落ちてる人もいるのでカウントしてない)し、単にダサいじゃん!

である。
抜け駆けをしていた人が、点数が全ての試験、抜け駆けしてでも必死に受かりたい、という気持ちもわかる。実績がないならなおさらだ。自分が勝てるところはこれしかない、と思ったのかもしれない。会社の方針を知らないならそうだろう(会社は点数に重きを置くようだ)。
ただ私は、単にダサいのは嫌だったので。出し抜くなら見えないところで。中途半端な悪役はダサい。関わりたくないくらいの悪役でいてほしい。

憤慨する彼女に「今回の試験の結果に限ったことではなく、そういう人は因果応報で何かを失うと思うよ」と言った。
彼女はそう思えるのがすごい、と言ったけど、そうでも思っていないと妬みでブチ切れてしまうではないか。
結果が出て、抜け駆けした子が受かったら、何事もなかったかのように喜ぶのだろうけど、私はニコニコしながらタンスの角に足の小指をぶつけるくらいのことは願ってもいいと思っている。
そして職責があるからといって絶対にマウントは取らせない。
実績は私の方が確実にあるので、逆にこき使ってやろうかなと思うくらい。
試験後あまりのできなさっぷりに腐っていたのだが、帰りにビール飲んだり、同僚などとLINEをしていたらちょっと緩和したし、その後野球中継見て感情むき出しになっていたら、どうでもよくなっていた。タダでは転ばない。

落ちたら辞めようと思っていたのだが、彼女のように自分の姿を見てくれている人がいるというのを知って、サクッと辞めづらくなってしまった。
まぁまだ仕事探しもしていないし、すぐに辞めることはないけれど。
今はまだ報われなくても、得るものは絶対にある。
だから私はのらりくらりと今まで通りで生きていくのだろうし、自分がダサいなと思うようなことは今後もしないと心に決めた。

青い毛先は、自分を武装しているような気持ちになれてよい。
職場で許されているわけではないけれど(いいとも悪いとも言われない)自分のメンタルを保つ自傷行為に似ている気がして、飽きるまでやめるつもりはない。
何か言われたら、私がメンタルやられて社内窓口に電話するのとどっちがいいですか、って聞く気がする(嫌な社員だなとつくづく自分でも思う)。

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