見出し画像

僕らが旅に出る理由

私「自分探しの旅に出たいから休み取っていい?」
同僚「(自分探しなんて存在し)ねえよそんなもん」

---

会社の後輩と突発的に飲みに行った。ラ・パウザに。

会社の近くに飲食店はそれなりにあるのだが、行きつけにしたいほど好きな店があるわけではない。なので、安くて飲める店はいくら知っていてもいい。ファミレスだけど。

例の昇進試験は残念な結果に終わった。
自分が想像していた以上に落ち込んでいた。
そんな残念な結果を聞いた翌日に部内連携不足の事件が起こり(ここ3ヶ月くらいの間に3回目)怒りが沸点に達してしまう。いつも文句を言う上司のさらに上に宛てて、冷静に怒りを込めたメールを送った。
疲労と怒りで珍しく「飲んで帰ろうかな…」と思った矢先、後輩と今度飲みに行こうという話が出て、互いに翌日が休みというだと知り、突発的な行動に至ったわけだ。

私は昔から試験というものが本当に苦手で、結果が出せないので、進学校の中でもずば抜けて落ちこぼれており、不登校気味だった。試験制度で評価されるようなもの(就活とか)は片っ端から逃げて生きてきたので、時間がない中で挑むにはかなり無理があった。
昇進試験より前、業務中に試験勉強のような暗記をしていた子がいた。
その様子を「公平じゃない」と怒る、受験しない子がいた。
受験者である私はそのことを知っていて、「公平じゃない」ことを気にしていないわけではなかったけれど、状況的に、焦る余裕もなかった。
人は、疲弊しすぎたり、追いつめられるのが限界になると、焦ることもできなくなるようで、私は後輩育成に日々気を遣い、疲労し、上司に振り回されることに怒り呆れ、焦ることすらもできなかった。
「公平じゃない」と怒ってくれた子は、私のことをめちゃくちゃ応援してくれていた。他の人からも、私に対する期待が大きいことを知っていた。期待されると、期待に応えられなかった時の自分に絶望する。土壇場には強いけど水責めのようなジワジワくるプレッシャーには本当に弱い。落ち込んだ原因の一つは、焦ることもできなかった自分の努力不足もだけれど、周囲の期待に応えられなかったことの辛さ、それによる周囲の不和。与えられた仕事はきちんとやるから、ただそっとしておいてほしい、自由にやらせてほしい。全部辞めたいとまで思った。

期待に応えられなかったことを周囲に伝えたとき、悔しがってくれたのは私よりも私が教えていた後輩や、いつも努力を見ていてくれる同僚だった。
そして「今までやってきたこと、全部みんな知ってるし、それは揺るがないよ。〇〇さん(私)にしか出来ないことだよ」と言われて、泣いて、少しだけ元気が出た。
私は運がよく、人に恵まれていることに感謝した。

学生時代からバイトでは接客に関して評価されていたし、昔から人に教えるのが上手いと言われて、今も、職場の後輩はほぼ私が育てた、と周りが言ってくれる。数字には現れない所で評価を貰えることが多い。
経過や実績で評価される仕事というのは、大きな会社になればなるほど、末端まで目がいかないので難しいのだろう。だったらその部から推薦枠でも何でもあればいいんだろうけど、遺憾ながら弊社にはその制度がない。
しかし、なぜこの部署で一番人を育てたはずなのに、会社にその制度がないというだけで、紙切れ一枚で評価されなきゃらないのかと思うと、だんだん腹が立ってきた。
新卒採用でもないのに試験制度なんてクソ喰らえ。
仕事見てもいない奴に紙だけで評価されてたまるか。バーカ。
そう思っていたところに、連携不足の事件勃発。怒りMAX(ORIX)
憂さ晴らし兼ねて飲みに出たという顛末。

飲みの席でこの話をしたとき、後輩が「焦るって、余裕がないとできないことですね…」と噛みしめていた。
後輩にとっては金言だったらしい。
焦ることができるだけでも、考える余裕があるということ。
人は本当に追いつめられると、何もかもがどうでもよくなるんだよ…

自分探しの旅に出るか…(文頭に戻る)

♥が更新の励みになります。よろしくお願いします!