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【インデックス投資を始めよう】7.税や保険をコントロールし、利益を最大化する方法

1.投資にかかる税金

●課税方式と税金

・源泉徴収
基本的に、投資の利益に対して、税率20.315%が課税されます。

・申告分離課税
基本的に、損益通算後の投資の利益に対して、税率20.315%が課税されます。

・総合課税
給与所得や配当所得などの各種所得の金額を合計し、累進課税方式によって税率を計算します。


●所得種類別・選択可能な課税方式

・上場株式等の配当所得:総合課税・申告分離課税・申告不要制度の3つの課税方式から所得税と住民税で、それぞれで異なる課税方式を選択できます。

・上場株式等の譲渡所得等:申告分離課税、申告不要制度の2つの課税方式から所得税と住民税で、それぞれで異なる課税方式を選択できます。


●どの課税方式を選択すべきか

・株の取引で損失が生じているまたは損失を繰り越している場合:申告分離課税
この場合は確定申告を行い、損益通算をしたほうが良いでしょう。

・配当所得を含む課税所得の合計が330万円以下の場合:総合課税
この場合は確定申告を行い、税金の軽減を図ったほうが良いでしょう。

195万円以下の場合、総合課税で所得税5.105%、住民税は申告不要(源泉徴収5%)で合計10.105%となります。
195万円超~330万円以下の場合、総合課税で所得税10.21%、住民税は申告不要(源泉徴収5%)で合計15.21%となります。

なお、所得税と住民税で、それぞれで異なる課税方式を選択できる制度は令和5年度に廃止予定です。
※日本株以外に投資するETF(投資法人債型ETFを除く)、REITは配当控除の適用を受けることができません。最近は主に日本株以外のETFを取引する投資家が多いため、今回は配当控除を考慮しません。


●税金を減らすための主な控除一覧

★所得税
【所得控除】
・基礎控除:48万円
・配偶者控除:38万円(配偶者が70歳以上の場合:48万円)
※いずれも配偶者の所得が48万円以下の場合
・生命保険料控除:4万円
※年間8万円以上の支払の場合
・小規模企業共済等掛金控除:27.6万円
※iDeCo月額2.3万円拠出した場合
・ふるさと納税:(ふるさと納税を行った金額-2,000円)
※ 総所得金額等の4割を上限とする


★住民税
【所得控除】
・基礎控除:43万円
・配偶者控除:33万円(配偶者が70歳以上の場合:38万円)
※いずれも配偶者の所得が43万円以下の場合
・生命保険料控除:2.8万円
※年間5.6万円以上の支払の場合
・小規模企業共済等掛金控除:27.6万円
※iDeCo月額2.3万円拠出した場合
【税額控除】
・ふるさと納税:(寄附金額-2,000円)×(100%-所得税の税率)
※住民税所得割の2割を上限とする


2.税金以外に徴収されるお金

税金以外に徴収されるお金として社会保険料や国民健康保険料があります。
配当所得や譲渡所得が十分にあり、FIREできる状態となった場合は積極的にコントロールしていきましょう。

●FIRE時に選択すべき公的保険はどちらか

単身者所得が低い場合:国民健康保険
国民健康保険は扶養者数、総所得に比例して保険料が増加します。
総所得が多い場合や扶養者数が多い場合は社会保険への加入を検討しましょう。


配当所得や譲渡所得が高いまたは扶養者数が多い場合:社会保険
社会保険は扶養者数が増えても保険料は変わりません。また社会保険料は標準報酬月額(4月・5月・6月に受けた給与)に比例するため、配当所得や譲渡所得、その他副業による所得に比例しません。

ただし、サラリーマンとして社会保険に入る場合は基本的に1週間の所定労働時間が30時間以上です。サラリーマンが嫌な場合は法人を創り、経営者として社会保険に加入すると良いでしょう。
なお、社長の役員報酬が0円、あるいは報酬が保険料を下回る場合は年金事務所から社会保険への加入を断られる場合があるので注意しましょう。

●公的保険料を軽減する方法

★国民健康保険料の軽減方法
国民健康保険料には軽減措置には以下のような所得制限があります。

・7割軽減:世帯の合計所得が【43万円】以下
・5割軽減:世帯の合計所得が【43万円+28.5万円×加入者数】以下
・2割軽減:世帯の合計所得が【43万円+52万円×加入者数)】以下

実はこれには抜け道があり、譲渡所得や配当所得が高くとも、住民税の申告不要制度を用いることで、住民税・国民健康保険料を最小化することができます。

【軽減判定所得は、下記の合計金額です。】
・総所得金額等<※1>
・専従者控除額
※専従者給与は軽減判定所得に含みません。
※65歳以上で年金所得が15万円以上ある場合は、年金所得は15万円引きます。15万円に満たない場合は、年金所得は0になります。

※1<総所得金額等とは?>
下記の合計金額です。

総所得金額<※2>
山林所得金額
上場株式等に係る配当所得等の金額
土地の譲渡等に係る事業所得等の金額
土地・建物等に係る長期・短期譲渡所得金額(特別控除を引いた後の額)
一般・上場株式等に係る譲渡所得等の金額(申告分離課税のものは、申告した所得のみ)
先物取引に係る雑所得等の金額
条約適用利子(配当)等・特例適用利子(配当)等に係る利子所得等(配当所得)の金額
基礎控除以外の所得控除(社会保険料控除や扶養控除等)は、保険料の計算には適用されません。
分離課税の退職所得は計算には含まれません。

※2<総所得金額とは?>
下記の合計金額です。

事業所得(営業等、農業)
不動産所得
利子所得
配当所得
給与所得
雑所得(年金、その他雑)
一時所得
総合課税の短期譲渡所得
総合課税の長期譲渡所得
純損失、雑損失の控除後で計算します。
出典:周南市HP

★社会保険料の軽減方法
給与や役員報酬を減らすことで社会保険料を減らすことができます。
サラリーマンの場合は、40時間働かず、最低限の30時間まで働くようにするか、30時間未満であっても社会保険に加入させてもらう雇用契約を結ぶと良いでしょう。
経営者である場合は、役員報酬を減らすと良いでしょう。


3.変額保険を活用せよ

変額保険とは、資産を株式や債券を中心に運用し、運用実績によって保険金や解約返戻金が増減する保険のことです。
つまり、生命保険と資産運用の2つの機能を持ちます。
生命保険の相談等を専門に活動しているファイナンシャルプランナーのほとんどはこの変額保険に加入しています。
なぜなら、税制のメリットが大きいからです。具体的には、変額保険を運用して受け取れる解約返戻金は「一時所得」に分類され、変額保険の運用益が50万円を超えない限り税金はかからないからです。
また払込保険料は、生命保険料控除として所得控除を受けることができます。

【一時所得の計算】
一時所得の金額=【総収入金額(保険金・解約返戻金)ーその収入を得るために支出した金額(実払込保険料)- 特別控除額50万円】×1/2

変額保険のデメリットとしては、コストが割高であることです。これは支払保険料の中に生命保険料のコストが含まれているからです。
したがって、生命保険を掛ける必要がある時期は保険料の支払を継続し、生命保険が必要なくなれば支払を止めましょう。
保険料の支払を止めれば生命保険料のコストがなくなり、今まで積み立てられた保険料は特別勘定で運用されます。
こうして、投資信託と同様に運用実績に応じて複利の効果が得られます。

変額保険はあくまでも生命保険の機能を使う人のためのものです。
優先順位としてはiDeCoやNISAなどの非課税枠を使い切るほうが先なので、注意しましょう。

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