FIRAメンバーインタビュー②「自分のエッセンスを忘れずに」
FIRAは福岡で子育てをする、外国にルーツのある保護者が中心となり立ち上げた団体です。メンバーはどんなことを考え、どうして活動をしているのでしょうか?
第2回目はFIRAメンバーであるMahender Gakkulaさんに、どうしてこのFIRAの活動をしているのか話を伺いました。
ー自己紹介をお願いします。
私は南インド出身です。大学で英語教育を専攻して、日本での英語教育に関心があったので卒業後に来日しました。これまで、英語教師をしたりIT関連の会社で働いたりしてきました。
ーどうしてFIRAで活動しようと思いましたか。
私は、日本へきてやさしい人にたくさん出会いました。日本のことだけではなくて、人生のことをいろいろ学びました。
でも、日本に引っ越してすぐには、日本の考え方やシステムになじめず自分一人になってしまうのを感じました。自分の悩みを誰にも話せない、話しても自分が困っていることが日本人や別の国から来た同僚には理解できないだろうとひきこもってしまいました。今はそれが自分の勝手な思い込みであったと思うのですが。外国人にはこのようなフェーズが誰しもあると思うんです。
もしまわりに自分と状況が似ている同郷の人がいたら、話せたかもしれない。共感してもらえたかもしれない。
このような気持ちになっている人に、自分が声をかけて話し相手になりたい、そう思ってFIRAの活動に携わっています。
ー大人でも子どもでも同じような気持ちになるかもしれませんね。FIRAには外国にルーツのある子どもがたくさん来ていますが、彼らには何が必要だと思いますか。
外国から来た子どもたちは、日本の教育にできるだけはやくなじむ必要があると思います。子どもはそれぞれ悩みが違いますが、宿題や学習の壁は多くの子どもに共通していると考えられます。宿題のことで自分が何に困っているかを表現できないということもよくあります。サポートする人が状況を見て、その困りごとをくみ取って手伝ってあげると、子どもたちは学習を進めていくことができます。そのような支援が必要です。
また、ルーツのある国の文化や言語に触れるイベントに参加してほしいですね。自分の文化のことを知り、自分のエッセンスを忘れずに育っていくこと。
私は、自分の子どもにインドの文化を伝えています。例えば、インド人は「マントラ」という言葉を日常的に読んでいて、それによって自分のエネルギーを高めています。そのような習慣を教えたりします。
子どものときには気づかないかもしれませんが、自分のエッセンス・ルーツを知ることがパーソナリティを形成していく上でとても重要です。
ーFIRAの活動やイベントには日本の子も外国ルーツの子も来ますね。
日本の子にとっては、世界が広いということを自分自身の目で確かめる機会になります。違う背景・ルーツを持つ子どもたちと関わりながら、どう仲間になっていったらいいのか自分で気づき始めます。FIRAはみんながともに育っていく場所です。
ーこれからのFIRAはどうなっていくと良いですか。
子どもたちが楽しめるイベントがもっとたくさんできるといいなと思います。活動しているメンバーだけでできるものではないです。FIRAのミッションに共感できる人がもっと集まって、アイディアを集めて、輪を広げていきたいです。多くの人に参加してほしいと思っています。
ーありがとうございました!