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インフルじゃない『ただの風邪』をナメてはいけない

昨日の夜、突然くしゃみと鼻水が止まらなくなった。横になっても鼻がつまって息苦しくて眠れない。暖房をたいて暖かくしてるはずなのにくしゃみがとまらない。鼻水の量も普通じゃない。油断すると号泣中の涙の如く流れ落ちてくる。そういえば目からもなんか出てる、やばい。

長い文章が嫌いな人のために先に書いておくと、

今日耳鼻科に行ったら、鼻の穴と喉をさっと見ただけで『薬出しておくからね』と、特に検査もされずに1分くらいで診療終了。

インフルでもアレルギーでもない、
ただの鼻風邪と見なされたようだ。

1200円払った。
大きな病院の初診にしては安いが、
ワーキングプアにはかなり痛い出費。


インフルの季節になると、テレビなどでやたらに報道され、手洗いだ予防だと言うが、

本当に怖いのは、普通の風邪である。

日本人は勤勉すぎるのか何なのか、

『風邪くらいでは休めない』

みたいなフレーズが好きな人が多い。
『いやいや、休もうよ風邪のときくらいは』
と言うと、
『子育てに休みはない』
『お前は大した仕事してないから休めるんだ』
などと言われる。子育てに関しては仕方ないかもしれないが(でも、誰かに子供を預けて休んでもいいんじゃないか)仕事に関しては『おまえはどっかのCEOか?』と言いたくなる。
偉い人なら、体調悪かったらためらわず休養するのではないか。締め切りが翌日に迫って焦っている作家でなければ(そういうシチュエーションには遭遇したくないものだ)

ワーキングプアは1日休んだら生活費に困る……というのもあるが。

昔から言うように、風邪は万病のもとであるから、
『ただの風邪』のうちに治さなければ危ない。
そこで無理をすると別な重い病になる。
ナメてはいけないのだ。


風邪は辛い。ただの風邪こそが辛い。


インフルと違っていきなり重症にはならないが、『休みなさい』という病院のお墨付きももらえない(そもそも、なぜ休むのに他人の承認が必要なのだろう?『私は今具合が悪い、超絶悪い。あらゆる作業は不可能』という絶対的真実があるのに)
昭和のみなさんが大好きだった『風邪で熱を出しても休まないで働くのが大人』みたいな価値観は、『夏は外で遊んだものだ』『暑さくらいで甘えるな』と言いながら子供達を熱中症に追い込んだ老人たちの時代錯誤な声に近い……と、私は思う。

この「風邪くらいでは休めない」人たちが、精神的にも肉体的にも追い詰められて余裕がなくなり、他人(特に、自分より楽してそうな人)を攻撃し始める。

風邪は辛い。鼻がつまると特に辛い。
昨日の夜は一晩中鼻をかんでたせいで、ティッシュの消費は大量、ゴミ箱はすぐに満杯、鼻水に奪われた水分を求めたせいか、やたらに白湯ばかり何杯も飲む。不思議なくらい美味しく飲め、気がついたらなくなっていた。何回お湯を沸かしなおしたかわからない。
今も飲みたい。これを書いたら沸かそう。

くしゃみもかなり苛烈だ。寝ようと思って横になると、全身がのけぞるような勢いでくしゃみが出る。年寄りが骨を折っても確かに不思議ではない。それくらい強烈だ。それが連発で来るのである。その直後には必ず号泣レベルの鼻水が流れてくる。

眠れない。

さすがに辛いので、鼻水たらしながら総合病院へ行き、容赦なく襲いかかってくるくしゃみと鼻水(と、それに気づいた他の患者の冷たい視線)に手元が狂いながらもなんとか問診票を記入し、待合室に行った。

人が溢れすぎて、
座る所がない。

大病院というのはこういうものなのか。
私はかなり驚いた。あまりにも人が多い。廊下も通行しにくいくらい人であふれている。まるで災害の避難所のようだ。しかも話し声やテレビの音、患者を呼ぶ声などでざわついている。

私は聴覚などが過敏で、
人混みや声が苦手である。

鼻水も心配だが、『私は診察まで正気を保てるのであろうか』という懸念のほうが強かった。幸い、1時間待って、1分診療して(もう少し検査とかしてくれてもいいのではと思ったが、廊下の人の多さを見たらどうでもよくなってきた)会計と薬の受け取りはスムーズに終わった。

待合室にはいろいろな人がいて、人間観察をしたら面白いかなと思ったが、不謹慎に思えたし、私も体調が悪くて余裕がなかった。

印象的だったのは、寝たきりなのか、ベッドごと移動している老年らしき男性だ。服装はもちろん入院患者らしく白いものだったが、金色の高そうな腕時計をつけ、それを指差しながら「そういう話はもっと先にさあ……」と看護師に何か言っていた。

もしかしたら患者ではなく、実習か何かだったのかもしれない。
もし患者なら『入院して寝たきりでもいいもの(あるいは、使い馴れたもの)を身に付けたい』という気持ちの現れのような気がする。私はそういうのが好きだ。
スーパーでレジ打ちしてる女性が高そうな金の指輪をしていると『本当はマダムなのでは?』と思えるから楽しい。個人が見えた気がする。たぶん私だけだろうけど。

ピンクのコートにチェックのストールの女性も印象的だった。
北海道はただでさえ黒い色彩の服が多く、病院はなおさらだから、ピンクは目立つ。
その人だけがものすごく元気に見えた。


話がそれてしまった。

私が何を言いたいかというと、

「ただの風邪でも休まなきゃ駄目。
いや、風邪の手前の、
ちょっとした不調や疲れの時点で、
本当は休むべきだ!」

ということだ。

口で言うほど簡単ではないのはわかるが……。

(私も今日は何もできないので寝る。こうして文字打ってる間も鼻はつまるし目からなんか出てるしだるいし。ほんとにこれただの風邪なのか?……ただの風邪なんだろうなあ。いや~、辛い、ただの風邪が辛い!)

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