ヴァルド派の料理、スッパ・バルベッタ


前回にヴァルド派ついて簡単に綴ったが、そのヴァルド派の料理で象徴的な一品のスッパ・バルベッタという一品をご紹介させて頂きたい。

前回の記事


スッパ・バルベッタとは

この料理は豚のスープで炊いたキャベツとグリッシーニのズッペッタで、そのズッペッタとはパンにスープを染み込ませた完全食べる系スープのことだ。

料理名のスッパとはこの地方の方言で豚のスープのこと。
鍋底にキャベツを敷き、グリッシーニを並べてスパイスとトーマチーズを何層かにしてスッパを注ぎ炊く。昔は暖炉の火にかけていた料理。


そしてバルベッタとは、、、
バルベッタは「ひげ」という意味。
ヴァルド派がカトリック教会から迫害され山中にまで弾圧が行き渡ったその時代、ヴァルド派の人達は地下に隠れ住んでいた。その際も絶えずキリスト教が布教されていて、その時の宣教師が髭が長かったことから「バルバ」と呼ばれていた。(女性の宣教師もそう呼ばれていたそうなので完全に呼び名であったよう)

“スッパ・バルベッタ”
グリッシーニが髭に見え宣教師のようだからといってついた料理名である。

グリッシーニが出来上がったのは諸説あるが、1600年代にお腹の弱い王様ヴィットリオ・アメデオ2世の為に作られたとも言われていてトリノの街で生まれ、ナポレオンも好んだそう。

ヴァルド派はナポレオン時代には街に働きに出ていた時もあり、そのあと山中に窮乏を強いられることになるが、その時代には存在していた料理であろう。


硬いパンのグリッシーニに豚とキャベツの旨味が染み込み、グリッシーニはさながら、うどんのような食感に。
トロッとしてして食べ応えがあり、スパイスの効果で体も温まる。
北イタリアの山中の地下ではこのような料理が振る舞われていたのだろう。





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