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何が好きかより何が嫌いかで映画を語るぞ!

 表題にある通り、今から嫌いな映画の話をします。本来ならまず好きな映画の話をするべきなんですが、好きな作品に関しては(好きだからこそ)特に言うことがなくて、そこから要素を抽出して好きな理由を並べ立てても仕方がないので、このnoteでは嫌いな映画の話をします。
 それから例えば、「〇〇が好きな自分が好きなだけでしょ」といった口撃のステレオタイプからもわかる通り、「〇〇が好き」だという表明をすることは、「〇〇が好き」であることを超えて意味を持ちます。悪意のこもった指摘の是非は置いておいても、「『〇〇が好き』なんです」の背景に「〇〇が好きな僕/私」が強く意識されるのは間違いないでしょう。これに対して、「〇〇が嫌い」はもっと純粋というか、プリミティブというか、とにかくその人のアイデンティティの根幹に関わる重要な価値基準であると考えるわけです。わざわざ「〇〇が嫌い」だと公言するメリットはほとんどありませんし、俗な言い方をすればお金にもなりませんからね。というか、ここまでそれらしい理屈をこねくり回しておいてなんですが、簡潔にいうと映画の話がしたいというだけです。まとまりのない文章が続きますが、どうかお付き合いいただけると幸いです。


※『きみに読む物語』,『アバウト・タイム 愛おしい時間について』,『世界一キライなあなたに』について書いていますが、反感を買いそうな内容なので途中から公開範囲設定をしています。また以下多分に作品のネタバレを含みます。ご了承ください。

1.『きみに読む物語』(2004年)

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