Why NFT?NFT企画を検討する際に重要なポイントを考えてみる
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Why NFT?NFT企画を検討する際に重要なポイントを考えてみる

こんにちは。Fintertechの大島(@takuji0807)です。

今年に入ってからNFTという言葉を見ない日がないほど、界隈が賑わっていますね。2年ほど前にこんな記事を書いていましたが、この時とは全く景色が異なっているなと日々感じています。

さて、そんなNFTですが活況だからこそ玉石混交な状態でもありまして、本当に様々なNFTが発行されています。中には「とりあえずNFT化しておけば儲かるんじゃない?」と見られるようなものも散見されまして、翻って「どんなものがNFTらしい企画になるだろう?」と考えることも多くなってきましたので、ここらでまとめてアウトプットしておこうと考えた次第です。

そもそもNFTって?

NFTらしさを語るうえでは、前提としてNFTの特徴を押さえておく必要がありますので、一度整理しましょう。

NFTはNon-Fungible Tokenの略であり、簡単に言えば『主にブロックチェーン上で取引される、代替性のないトークン』のことを指します。発行されるトークンそれぞれに固有の情報が付与されるので、デジタルデータにシリアルナンバーという概念を付け加えることが可能になります。

またブロックチェーン上で発行されているため、保有していることの証明が広く可能であり、プラットフォームやサービスに依存せずユーザー間のやり取りが可能、さらにはそれらの移転記録が半永久的に保存・公開される点も特徴の一つかと思います。

・デジタルデータに「オリジナル」の概念を付与できる
・保有の証明が容易
・サービスやプラットフォームに依存しない取引が可能
・チェーンが存続する限り、移転記録が保存・公開され続ける

NFTがユーザーに与える価値

こんな特徴を持つのがNFTなわけですが、NFTによってどんな価値をユーザーに与えられるかを考えていくと、大きく2つの価値に分かれると考えられます。

・金銭的価値
・精神的価値

読んで字のごとくですが、金銭的価値とは「持っていると金銭的な側面においてメリットが存在する」という状態です。逆に精神的価値は「持っていると精神的な側面でメリットを感じることができる」というものです。それぞれ分解していきましょう。

金銭的価値にはいくつかのケースが存在すると思います。

1. 持っているとそのうち価値が上がりそうだから、転売で儲けられそう
2. 保有者には関連する事業で生じた利益が配分される
3. 間接的に利益につながる権利が付与される

1. は今NFTが盛り上がっている大きな要因かと思います。実際「NFTで儲けました!」みたいなツイートもよく見ますし。純粋に『儲けたい』という動機です。
また、今はまだあまりないかもしれませんが「メルカリではこれぐらいの値が付いているから、最悪売ればトントンだな」みたいな考え方でデジタルデータや権利を買う人も多く出てきそうです。

2. はNFTならではですね。ただ、必ずしもNFT ≠ 仮想通貨というわけではなく、NFTであってもそれに紐づく性質が仮想通貨や有価証券に該当するものと判断されれば、取り扱いには免許が必要となります。(詳しくは金融庁のパブコメを参照ください)
上記2. は、日本国においては有価証券に該当すると判断される可能性が非常に高いので、取り扱いの際には注意が必要です。

3. はちょっと分類が難しいのですが、例えば2次利用や広告枠の権利などが該当するかと思います。特定の作品を2次利用することができる権利や、広告を掲載する権利など、事業の利益に間接的につながる権利が付与されている場合はこれに該当するかと思います。

さて、一方精神的価値には下記のようなケースが存在します。

1. 持っていると自慢できる(ドヤれる)
2. 特別な体験やコミュニティに参加できる権利が認められる
3. アイデンティティの証明

1. についてはわかりやすいですね。単純明快。「自分はこんなレアなデータ(アイテム)を持ってるんだぜ!」と自慢できることです。従来デジタルデータはコピーが簡単なので特別感を出すことは難しかったのですが、NFTはであれば「オリジナル」を証明できるため、ドヤることが可能になります。さらにコレクション性や時系列(書籍における1刷りのような概念。古参心をくすぐる要素)が追加されると、より盛り上がりそうです。

2. はわかりやすく言えばゴルフの会員権やファンクラブみたいなものですね。会員権を持っている人だけがコースを回れる、イベントに参加できる、というようなケースです。

3. は複数のNFTを持った場合は特にというものですが、「自分はこういう人間です」とアイデンティティを表現可能とするものです。いわゆる「トークングラフ」とも言われていますが、保有しているNFTがその人の趣味嗜好や行動特性を表現する、証明することが可能になります。例えばめっちゃ悪そうに見えるけどボランティアが趣味の超善人とか、すごくウェイな人に見えるけど実は超オタクとか。
そういう見た目や経歴からはわかりにくい、その人の本質的な部分を表現する手段になりえるというのも一つのケースとして挙げられるかと思います。

NFT企画のポイント

さて、上記のような価値を持つNFTですが、実はこれらを単一で考えると「これはNFTじゃなくてもいいよね?」となります。例えばコピー不可のデジタルデータを売りたければ電子透かしのような技術がありますし、会員権であれば紙でもIDでも発行すれば事足ります。
ですので、上記のような価値を複合的に組み合わせ、更にはブロックチェーンとしての性質である『転売可能』『プラットフォームやサービスを問わない』というような特徴も付与するととても「NFTらしい企画」になると思います。

とはいえ「NFTを使いたい」がスタートの企画はたいていユーザーや提供するメリットが無視されていることが多いので(「AIで何かできないのか」系の話も同様…)、まずはどんな価値をユーザーに提供したいかを考えたうえで、それがNFTという技術の特徴に合致するのであれば、どんどん活用して行くべきとと思います。

とは言うものの…

さて、ここまで「Why NFT」的なことを語ってきましたが、正直外野が「これはNFTじゃなくてもいいんじゃない?」と口をはさむのは野暮と考えている派です。

例えばNFTにはIPやコンテンツが付き物で、特に大型の案件になればなるほどコンテンツ側の都合で「転売不可」や「プラットフォーム内に限る」というような要件が生まれてきます。
そうなると「NFTじゃなくてもいいよね」となるのですが、そう言い続けて既存技術の延長しか使っていないと、いざNFTが中心的な技術になった際に乗り遅れるというリスクが発生します。またプラットフォームフリーというのはとても良いことですが、メタマスクなどのウォレット接続を前提としたサービスのUXがどうかと考えると「人類にはまだ早すぎる」という状況でもあるとも思います。
ですので、状況によっては「別にNFTじゃなくてもいいけど、PoCの一貫としてNFTを採用する」ということは往々にしてあるのではないかと思うわけです。

また、参入ハードルを無駄に高めてしまうことにもつながりそうです。これは事業活動におけるセオリーには反するかもしれませんが、あまり原理派になりすぎると新規参入者を拒むということが生じます。
特にオタク界隈でありがちですが、ニワカを軽視して新規参入を拒みすぎた結果ジャンルが衰退するという現象はあるある探検隊です。NFTはまだまだ黎明期ですから、業界が拡大していくことをポジティブにとらえ、何か言いたいことがあったとしたら直接言うか、Not for meの精神でスルーするかを選択するのがよさそうと個人的には思います。
(あまり詐欺的なものが増えてもよろしくないので、バランス難しいですけどね…)

まとめ

ということで、NFT企画を検討するために重要そうなポイントを論じてきました。まとめるとこんな感じです。

・NFTには下記の価値が存在する
1. 金銭的価値
1-1. 持っているとそのうち価値が上がりそうだから、転売で儲けられそう
1-2. 保有者には関連する事業で生じた利益が配分される
1-3. 間接的に利益につながる権利が付与される
2. 非金銭的価値
2-1. 持っていると自慢できる(ドヤれる)
2-2. 特別な体験やコミュニティに参加できる権利が認められる
2-3. アイデンティティの証明

・これらを複合的に組み合わせるとNFTらしい企画になりそう
・とはいえあまり「NFTらしさ」にこだわり過ぎても身動きできなくなるので、ほどほどに

2年ぐらい前、後輩に「NFTあんま面白いと思わないんですよねー」と言われ軽くショックを受けたものの、やっぱりNFTは面白いと思いますし本当に伸びしろしかない分野だと思います。
また今後はNFT×金融というコラボの可能性を考えるとまだまだ市場規模は伸びるはずとも考えていますので、今後も情報追っていこうと思います。

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