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国際結婚後の苗字、変えるのも面倒、変えないも面倒

今回は少しフィンランドやアート教育から離れて、
話題になっている選択的夫婦別姓について。

世界をみても日本だけが夫婦別姓を認めていませんが、
例外的に日本人が国際結婚した場合は夫婦別姓を認めています。

私はフランス人と結婚したため、今回姓の選択肢が生まれましたが、名前はアイデンティティーでもあるため、変えるか変えないかとても悩みました。自分は日本人だしこのまま日本の姓をキープしたいな、でももし子供が生まれたら、、、日本に住む場合は同じ姓の方が楽かな、、、などなど。

姓の選択肢があるのは恵まれていますが、住む場所によっては変えても変えなくても面倒なことがわかってきました。
そしてあとで決めればいいかとのんびり構えてもいられません。入籍後3ヶ月に日本に婚姻届を出さなければ、遅延証明やら、苗字を変える際に家庭裁判所にいかないといけないやらで大変になります。色々1ヶ月ほど悩んだ末、私は最終的に旧姓を維持することにしました。決断材料をここでご紹介したいと思います。

私はフランス式で入籍をし、現在ドイツのベルリンに住んでいます。
そのため、手続きとしてはフランスの市役所に必要書類を提出し、フランスで入籍を執り行い、フランスで入籍したことを在ドイツ日本大使館を通じて日本に報告します。

そのフランスでの入籍の際は旧姓で入籍をします。そのため婚姻証明書も旧姓のまま。生まれた時の姓と結婚後の姓の両方をキープできたり、姓を変えない人が多いフランスだからこそ、入籍時は結婚前の名前でしか入籍できません。
フランスで姓は結婚後選択できますが、約80%の子供が夫の苗字にしていることが多いとのこと。それには理由があり、出産後5日以内に出生届を出さなければならず、それを行うのがほとんど男性であるため、男性の苗字を引き継ぐことが多いそう。現在では子供にも姓の選択の権利、変更できる権利が与えれています。フランスでは子供の本姓(生まれた時に与えられた姓)を変更するためには、家庭裁判所に書類を提出する必要があるなど問題になっていましたが、2022年7月に可決された新法では大幅に簡易化されました。

「さらには18歳以上の成人に限り、姓を母親姓のみ、父親姓のみ、あるいは両親の二つの姓からなる複合姓(順番は自由)に自由に変更できるようになった」

https://www.designstoriesinc.com/europe/merried-coupies-surname/#:~:text=2022年3月に,と費用を要した。

彼の姓に変えた場合はフランスでの手続きが大変になります。在フランス日本大使館に何が大変になるのか問い合わせたところ

「フランスでは、女性も婚姻後旧姓(うまれたときの姓)が正式な氏とみなされ、あらゆる行政手続きで旧姓を記載しなければなりません。日本人が戸籍上の氏を変更すると、旅券や出生証明で旧姓を簡単に証明することができなくなり、戸籍を詳しく法定翻訳して説明しなければならない等、手続きが煩雑化することがございます。」

と回答をもらいました。
加えて、私は現在ドイツに住んでいるので、日本の姓で申請しているドイツのビザ、保険、銀行名義を全て変えないといけません。さらに日本のカード、運転免許証なども。それらは家族に依頼して変更する必要があります。

姓を変えない場合=旧姓を維持する場合は、日本で面倒が起きる可能性があります。
日本での彼のビザ手続き、家を借りる時に、彼との関係を証明するため結婚証明が都度必要になります。さらに万が一日本で子供が産まれた時には日本に戸籍のある人の姓、つまり私の姓しかつけれません。となると病院などで夫と子供の続柄の証明が必要になる可能性があります。子供の選択肢がなくなってしまいます。

最終的には別姓を選びましたが、せっかくだし彼と同じ姓を持ってみたいなという気持ちにもなります。そこでミドルネーム、ダブルネームの可能性を調べてみました。

またダブルネームを持つことも可能です。例えば以下のように。
山田スミス 花子、
スミス 山田花子
ただ、こうしてしまうとミドルネーム文化のない日本でとても困ることになります。
またパスポートに()で彼の名前を入れることもできます。
ただ、その場合パスポートのICチップには()の認識がされておらず、パスポートとチケットの名前が異なるため、本人確認に手間がかかることがあるとのこと。

後になって姓を変えたい場合、
家庭裁判所にいき、手続きをすれば変えることができます。
まだ日本人と結婚した相手は通称として日本人の姓を日本では使うことができます。私が相手の姓を通称として使うことはできないそう。。。

今回のことがあり、選択肢があるのはいいけど、社会慣習や制度が追いついてなければ、日本で選択的夫婦別姓が認められても大変だと実感しました。
新しい制度は始まりでしかなくて、たとえば選択的夫婦別姓が認められている国、フランスでは新たに子供の姓についての法が制定されたり、選択肢が増えることでの問題も出てきてしまう。

そして、これまで考えていなかった、慣習になかった選択肢を目の前にすると戸惑うものだなと。姓を変えると手続きが大変とは聞いたことがあっても、疑問に思ったことはなかったです。同じ苗字を持つことで結婚する実感したりするのかなと憧れていた節もありました。
選択するときに、あなたはあなた、自分のことは自分で決めなさいと誰からともなく強く言われている気がました。姓を選択できることは自分が個であることを再認識させられました。結婚すると戸籍も親の戸籍から除籍され、国際結婚の場合、自分の戸籍ができます。少し悲しいのは日本人ではないため戸籍を持てない彼は私の戸籍の備考欄に書かれるそうですが笑
日本に住んでいると制度や慣習に身を任せてしまっていたのかもしれません。ヨーロッパ文化に身を置いているとたまに自分の意見を持つこと、選択することに疲れ、流れに身を任せてしまいたくなる時もありますが、勉強しながら自分にとって良い選択をしていこうと思います。


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