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豆腐メンタルが初めてカウンセリングを受けるはなし(その2)

前回の記事ではカウンセリングを受けるきっかけを書いた。
今回は実際にカウンセリングを予約して訪問するまでを書くことにする。

私の会社のEAP(従業員支援プログラム)は、対面・電話・オンラインから自分に合った相談方法を選択してカウンセリングを受けることができた。
電話は苦手だし、そこまで緊急性もないし、それにせっかくカウンセリングを受けるならしっかり向き合って話がしたい。
対面カウンセリングも、オフラインとオンラインを選択することができ、忙しくて訪問が難しい人や遠方の人にも配慮された仕組みになっていた。
ただ、普段からフルリモートで働いている私の選択肢は、気分転換も兼ねてのオフライン一択だ。実際に会って話を聞いてほしかった。

最終の予約可能時間が20時と遅い時間まで枠があり、仕事を終えてからでもカウンセリングを受けられる体制があることも安心感があった。
とはいえ、そもそも心が疲弊している私はそんな遅い時間を予約したりしない。第三希望まで指定するように指示があったが、全て業務時間内の夕方の時間帯を希望した。無事に予約が取れた暁には、私は仕事を早退してカウンセリングに行くのだ。そんな強い気持ちで予約希望のメールを送信した。

無事に予約が取れて訪問日が決まってからは、友達と会う日を待ち遠しく思うのと似た感覚で少しだけウキウキした。自分の気持ちが軽くなり事態が好転する第一歩かもしれない、そんな期待感があった。
もし、カウンセリングが期待していたものと違っても、何の効果もなかったとしても、誰かに相談しようと動いた自分の行動にすでに満足していた。

いよいよカウンセリングの予約前日となり、急に何か準備が必要なのではないかと思い立った。Googleの検索バーに「カウンセリング 前日」と入力してみると、「相談したいことや困っていることを紙に記載してまとめておくとよいでしょう」みたいな検索結果が目に入った。
慌てて仕事用ノートの後ろから3ページ目あたりに、相談したいことと改善したいことを箇条書きで書き出してみた。
書くということが気持ちの整理に繋がるというのはよく聞く話だが、たしかにそうだと思った。心の中に渦巻いてドロっとしていたものを文字にしてみると、自分が悩んでいることが具体化していく感じがした。
それと同時に、自分の悩み事を再認識させられるようで少し気が滅入った。
明日はこのノートを持って話を聞いてもらおう。そしてアドバイスをメモしよう。有意義な時間にしたい。そう思った。そうだ、ハンカチも忘れてはいけない。

当日は16時にさっさと業務を終えて早退した。予約時間は18時だったが、なんとなく落ち着かなくて早めに家を出たせいで、20分も早く到着してしまった。時間を潰すためカフェに入るには微妙な時間だったので、遅れるよりは良いかと思いそのまま向かうことにした。
カウンセリングの会社が入っているフロアでエレベーターを降りると、すぐに入口が見つかった。受付には電話機が一台置いてあるだけで、人の姿は見えない。
「予約制カウンセリングでお越しの方はこちらから呼び出してください」という案内プレートに従い受話器を取って呼び出しした。
隣に見えている待合スペースで待っているよう指示があり、4席ある衝立で仕切られた個別スペースの1席に座って時間まで待つことになった。
フロアには波の音のBGMが流れていて、たまにどこかのドアが開くタイミングでかすかに人の声が聞こえる程度でとても静かだった。
壁に向かって置かれている椅子に座って、案内の方が来るまでスマホをいじりながら待つことにする。
波の音が眠気を誘う。なんとなく殺風景な待合室で、これから始まるカウンセリングに少しだけ不安がよぎっていた。

次回こそ、カウンセラーさんとのお話について、そして私の気持ちがどう変化したのかを書きたいと思う。もうしばらくお付き合いいただきたい。

つづく

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