『光る君へ』を見ました(その1)

こんにちは。
鴨井奨平です。

大河ドラマ『光る君へ』を見始めました。
私の書斎の本棚には『御堂関白記』(日本古典全集刊行会)があるのですが、平安時代の史料や文学作品、和歌を読むのは苦手で(『源氏物語』なんて原文で読むのにすごく苦労してしまいます)、そこまで『光る君へ』の舞台となった時代に詳しくはありません。
しかし紫式部が主人公のドラマなんて、それだけで胸踊るので、今年も大河ドラマを可能な限り追っていこうと考えています。これからは主に脚本や演出についての感想を中心に(偉そうに)述べていくことになろうかと思います。

まずキャスティングについて。
柄本佑さんの藤原道長がすごく良いですね。私は『フィギュアなあなた』以来の柄本さんのファンなのですが、「やんごとない」柄本さんも素晴らしいですね。あの切れ長の目が大変セクシーです。正直に申し上げるとこのキャスティングを知った際には、「柄本佑さんが道長か……」と疑念を抱いたのですが、実際にドラマを見てみるとお詫び申し上げたい気分になりました。「柄本佑の道長」、良いですね(これは繰り返し述べさせていただきます)。なかなか考えつかないキャスティングだと思います。キャスティング担当のスタッフさんは大変素晴らしい仕事をしたのではないでしょうか。
吉高由里子さんの紫式部も良いと思います。依然として吉高さんは「お侠」の芝居が板についていますね。これから紫式部は如何に成長していくのか、そして吉高由里子さんはそれをどのように芝居で表現していくのか、そこは見所の一つだと思います。

脚本についても、第二話まで見たところとても盤石な書き方をしているという印象です。さすが大石静さん。恋愛描写も朝廷政治の描写も大変バランス良く描いています。特に「変わったこと」はしていないのですが、一つ一つの描写が丁寧で上手いですね。大石静さんの圧倒的な技術が光っている。それによってストレスやこだわりを抱くことなくスラスラと物語を楽しむことができます(「観客にとってノンストレスなように書く」というのはすごく難しいんです)。今後もこのように脚本が執筆されるなら、『光る君へ』は大変質の高いドラマになるのではないかと思います(そのぶん、「アッ」と言わせるような描写は少なくなるかもしれませんが、『光る君へ』にそれを期待している人ってあんまりいないと思うし)。ちなみに、ドラマと史実の相違については、私はあまり気にしないタイプです。大学の史学科を卒業して、史学について徹底的に学んだ私ですが、フィクション作品については「面白ければ史実と異なる描写をしても良い」と考えています(もちろん、限度はあるけど)。

私は昨年の大河ドラマに対してかなり不満を抱いているのですが(「古沢良太フリーク」の私が言うのだからよっぽどですよ)、今年の大河ドラマは面白くなりそうですね。視聴率がどうなるかはわかりませんけど(題材が地味と言えば地味なので……)。しかし『光る君へ』はこの調子で突き進んでいただきたいです。

今回はこのへんで筆を擱きます。

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